「二者択一」とは「2つのうち、どれか1つを選ぶ」という意味です。「にしゃたくいつ」と読みます。「二者択一を迫られる」「二者択一的な」などと使います。「二者」とは「二つのこと。二人」という意味で、人だけではなく物事全般に対して使えます。「択一」は「複数の中から一つだけ選ぶ」という意味です。略して「二択」ということもあります。
「二者択一」の読み方は「にしゃたくいつ」です。 「二」は音読みで「二」、訓読みで「ふた・ふたつ」 「者」は音読みで「シャ」、訓読みで「もの」 「択」は音読みで「タク」 「一」は音読みで「イチ・イツ」、訓読みで「ひと・ひとつ」と読みます。
「二者択一」の意味は「2つのうち、どちらか1つを選ぶ」です。 「者」だが人に対してのみ使うわけではなく、物事全般に対して使うことができます。 例えば「仕事か家庭かのどちらかを選ぶ」場合などでも「二者択一」が使えます。
「二者択一」は、「二者択一を迫られる」という形で使用されるのが最も一般的です。 「迫られる」は、「押し付けるようにして相手に求める」という意味で使用されています。 つまり、「必ずどちらか1つを選ばなければいけない」という状況であるということです。
などと使います。 「二者択一を迫る」の場合は相手に選択することを強要するニュアンスがあります。
例文
「二者択一的な」という使い方をすると、中庸が認められない様子を言い表すことができます。 つまり、2つの選択肢の中から1つを選びださなければならないような究極の状態を示します。 「的」が使われていることからわかるように、選択肢が必ずしも2つで1つしか選べない状況でなくても使うことができます。
といった言い回しがあります。 「二者択一の状況」とシンプルに表現してももちろん問題ありません。 しかし、実際の生活では、AとB以外にも曖昧な選択というのはよくあるものなので、「的」を付けた方が意味的には正しいと言えるでしょう。 ただし、「二者択一的な選択」は二重表現なので誤った表現なので注意しましょう。
例文
相手に何か質問をするときに、あえて二択の選択肢を与えることで回答しやすいようにする話法を心理学用語で「二者択一法」と言います。 例えば「何が食べたいですか?」と漠然とした聞き方をするのではなく、「洋食か和食だったらどちらが食べたいですか?」と質問をすることです。 ちなみに「はい」か「いいえ」でのみ答えられる質問のことを「閉じた質問(クローズドクエッション)」といいます。 反対に色々な答え方ができる質問を「開いた質問(オープンクエッション)」といいます。 二者択一の質問をしたほうが相手も答えやすく、会話がスムーズにいくと言われています。
「二者択一の定理」は、数学用語です。 「二者択一の定理」とは、一対の方程式・不等式形にたいして、どちらかは成立してどちらかは成立しないという主張をする定理のことを言います。 かなり専門的な内容なので、このような概念があることだけ知っておけばOKです。
「二者択一」は、タロットやルーンなどの占い用語でもあります。 タロット占いでは二枚のカードから一枚を選び、ルーンでは二つの石のどちらかを選びます。 どちらを選んだかによって、占いの結果がわかるという仕組みになっています。
「二者選一(にしゃせんいつ)」は、「2つのうちどちらか1つを選ぶ」という意味です。 「二者」は「ふたつのもの・ふたりの人・両者」という意味があります。 「選一」は、「2つ以上のものの中から1つを選ぶこと」という意味があります。 「二者択一」と「二者選一」は同義語です。 ただ、「二者選一」よりも「二者択一」の方が一般的です。
例文
「二択」の原義は「選択肢が二つあること」です。 例えば「二択で迷う」とすると「どちらか1つを選ばなければいけない状況で迷っている」という意味になり、「二者択一」と同義です。 口語では「二択」で「二つの選択肢のうち一つを選ばなければいならない」という意味で使います。 例えば「生きるか死ぬかの二択だ」などと使うことができます。 よって、「二択」単体でも「二者択一」と同じ意味として使うことができます。
例文
「三者択一」「四者択一」という言葉を耳にしたことがあるでしょうか。 「二者択一」が、「2つの中から1つを選ぶこと」であることを考えると、 「三者択一」は「3つの中から1つを選ぶこと」 「四者択一」は「4つの中から1つを選ぶこと」 という意味であることが、おわかりいただけると思います。 しかし、「三者択一」も「四者択一」も造語です。 正式な日本語ではないということを頭に入れておきましょう。
例文
「取捨選択(しゅしゃせんたく)」の意味は、「悪いものや不用なものを捨て、良いものや入用なものだけを選び取ること」です。 「取捨選択」は「取捨」と「選択」という二つの熟語から成り立っています。 「取捨」は「入用なものを取り、不用なものを捨てること。選び取ること」 「選択」は「えらぶこと。良いものを取り、悪いものを捨てること」 という意味があります。 したがって、多くの中から必要なものだけを選び取って、不用なものは捨てることを意味する四字熟語です。 「二者択一」と「取捨選択」には意味に違いがあります。 「二者択一」の場合選択肢は二つしかありませんが、「取捨選択」の場合はもっと複数の中から入らない選択肢を捨て必要なものを選びます。
例文
「二者選一」と少し意味が似ている表現に、
などがあります。 これらの意味は「良い結果となるか悪い結果となるかは運任せ」です。 結果を天に任せた状態で思い切って試みるというような場面で使用される言葉です。
例文
「一択」の意味は「複数の選択肢があっても、選ぶ余地がないこと」です。 「一」は「ひとつのもの、あるひとつ」という意味で、 「択」は「確認して選ぶこと」を意味で使用されています。 いくつか候補があっても迷わずにこれを選ぶ、選択肢が限られているという場合に「一択」を使います。 例えば、ケーキ屋さんに行って、ショートケーキにするかモンブランにするか聞かれた場合に「モンブラン以外選ばない」と決めているなら『モンブラン一択でしょ』と使うことができます。 一方、「択一」は「いくつかある選択肢から選ぶこと」を意味します。 「それしか眼中にないので選ぶ余地がない」という場合は、「一択」 「いくつかの中から選択する」という場合は、「択一」を使用します。
例文
「二者択一」の英語表現の1つ目は「choose between」です。 「choose between two things」で「2つの物の中から1つを選ぶ」という意味になります。 「choose between A or B」で「AかBかを選ぶ」という意味になります。 「AかBかの二者択一を迫られる」の英語表現は、
などになります。
Last night, I had to choose between sleep or finishing homework.
昨夜は寝るか宿題を終わらせるかの二者択一を迫られた。
「二者択一」の英語表現には、もう一つ「alternative」を使う方法もあります。 「alternative」は「代わり。代替」という意味です。 The only alternative to A is B. で「Aの唯一代わりになるのはBだ」という意味になり、「AとBの二者択一だ」と解釈することができます。
The only alternative to being acquired is to go public.
買収されるか上場するかの二者択一だ。
いかがでしたか? 「二者択一」について理解していただけたでしょうか。 ✓「二者択一」の読み方は「にしゃたくいつ」 ✓「二者択一」の意味は「2つのうち、どちらか1つを選ぶ」 ✓「二者択一を迫られる」が最も一般的な言い回し ✓「二者択一的な」は中庸が認められない様子