「望む」と「臨む」という言葉をご存知でしょうか。「昇進を望む」「大会に臨む」といったように使います。では、それぞれの意味についてきちんと理解しているでしょうか。これは同音異義語です。二つとも「のぞむ」と読みますが、意味が異なります。意味を知らないと「望む」か「臨む」のどちらを使えば良いのか迷ってしまいますよね。正しく意味を知っておけば、いざというときに使うことができます。そこで今回は「望む」と「臨む」の使い分けについて解説していきます。適切に覚えて、上手く使い分けできるようにしましょう!
「望む」・・・物事の実現や習得を願っていること、遥か遠くの方を眺めること 「臨む」・・・公的な行事に参加したりある場所に行くこと、あるものに面していること
「望む」と「臨む」はどちらも「のぞむ」と読みますが、意味が異なります。 「望む」は何かを希望する場合、「臨む」はある事に当たる場合に使います。 また、「山々を望む別荘」「山々に臨む別荘」と同じように使うこともできますが、意味合いが異なります。 「山々を望む」だったら「山全体を見渡せるほど遠くにある様子」、「山々に臨む」だったら「目の前に山々が広がっている様子」を表します。 「望む」は遠い場所にある場合、「臨む」は近い場所にある場合に用います。
「望む」の意味は、
です。 「望」は「まちのぞんでいること、希望していること」を意味します。 「望む」は自分の希望を表したり、そのことを相手に求める場合に使います。 遠く方を眺めやるという意味では、「山々を望む」「峠から山頂を望む」といったように使います。 『物事がこうなってほしい』『こうしたい』と願っていることを表す場合にも「望む」を用います。例えば、「合格を望む」「出世を望む」「幸運を望む」といったように言います。 自分に対してだけではなくて、『こうしてほしい』と相手に対しても使うことができます。「自粛を望む」「一生懸命取り組むことが望まれる」などと用います。 また、「後継者に望まれる」「後妻に望まれる」と使われているように、欲しがるという意味もあります。 「望む」の類語には、「希望」「願望」「祈る」「見渡す」「一望する」「見晴らす」などがあります。
例文 「はるか遠くの方を眺める」という意味
「自分が願っている」という意味
「自分の元に来るように、働きかける」という意味
「臨む」の意味は、
です。 「臨」は「高い場所から見ること、ある場面に直面すること、地位が高い人が訪問すること」を意味します。 ある建物や土地が、何かに面していることを表す場合に「臨む」を用います。「海に臨む家」だったら「その家の前には海が広がっていること」を意味します。 面することなので、目の前にある場合に用います。遠くにある場合は「臨む」は使えません。 「臨む」はあるところへ参加したり、行くことを表す場合にも使います。「試合に臨む」「実習に臨む」といったように言います。「全力で頑張る」というニュアンスが含まれます。 「臨む」は、覚悟を持って機会や場面にあたるという際にも用います。だいたい予想できる物事に適した態度をとるという意味でも、「厳正な姿勢で臨む」といったように言います。 「臨む」の類語には、「面する」「向かい合う」「出席」「顔出し」「出くわす」「面会」などがあります。
例文 「建物や土地などが、川や海と向かい合っている」という意味
「ある場所に行く」という意味
「ある場合や機会にであう」という意味
「支配者として被治者に対する」という意味