「お世話になります」と「お世話になっております」はビジネスシーンで頻繁に使用される言葉です。電話やメールにおいては挨拶の常套句として使われています。しかし2つの違いについて意識して使っている人は意外にも少ないのではないでしょうか。そこで今回は「お世話になります」と「お世話になっております」の違いと使い分けについて解説していきます。
▶「お世話になります」・・・未来と現在両方のニュアンスを持つ ▶「お世話になっております」・・・現在に焦点が置かれている
「お世話になっております」は「〜している」という意味なので、現在進行形で関係が続いていることを表しています。「現在」に焦点が置かれているのが明らかです。 一方で「お世話になります」は、「現在」と「未来」の両方のニュアンスを持っています。 例えば、「いつもお世話になります」と言った場合、現在に焦点が置かれているため「お世話になっております」とほぼ同じ意味になります。 使い分けとしては、「現在」に焦点を置く場合は「お世話になっております」を使用し、未来に焦点を置く場合は「(今後)お世話になります」を使用するのが、誤解を招くことなく無難です。
「お世話」の意味は、
となります。 1つ目の意味だと「世話が焼ける」「世話がかかる」などと使います。 ビジネスシーンでは2つ目の意味で使うことが多くなり、「関係を取り持っていただきありがとうございます」といった感謝が込められています。
「お世話になります」は、基本的には「未来」に焦点が置かれており、これからのことについて何らかのお世話になる場合に使います。 例えば、ビジネスシーンでいうと「お世話になります」は主に取引や契約が決定したときに、「これからよろしくお願いします」といった意味合いで使用します。
「お世話になります」は未来に関しての挨拶を表していると上記で説明しましたが、実は「お世話になります」は「現在」についても使用することができます。 「なります」は「〜する」という意味で、ある動作を行う、ある行為をするという「習慣」「反復」を意味することもあり、必ずしもそれが未来に関してのことではないと解釈できます。 例えば「私は明日ケーキを食べる」と言えば未来に行う事を指しますが、「私はいつもケーキを食べる」と言えば反復的に行う事を指します。 「お世話になります」は現在のことに関しても使うことができますが、この場合は「いつも」「平素(より)」「常々」などの反復することを表す言葉を付けて「いつもお世話になります」「平素よりお世話になります」などと言うと意味が明確になります。 逆に「これから」「今後」などを冒頭に付けて「これからお世話になります」「今後お世話になります」とすると、「未来」に焦点を置いてることが明確になります。
「お世話になっております」は、「現在」に焦点が置かれており、既に今現在お世話になっている場合に使います。 ビジネスシーンでも、「常日頃から関係を築いている取引先の相手や、顧客に対して「関係を持っていただきありがとうございます」といった意味合いで使用します。 電話などで取引先に対して挨拶をするときは「いつもお世話になっております」を使うことが多いです。
「お世話になります」は、初対面の人・面識がない人に対して使えますが、「お世話になっております」を使うと違和感を与えてしまいます。 しかし、>em>個人的に面識はなくても、会社間で既に取引がある場合は「お世話になっております」を使うことができます。 その際は前に「日頃のご愛顧をいただき感謝申し上げます」といったお礼を入れます。
「お世話になります」と「お世話になっております」の違いについてお分かりいただけたでしょうか? 「お世話になります」は未来の事に関して使い、「お世話になっております」は現在の事に関して使います。ただ「お世話になります」は未来の事に関しても使うことができます。 ビジネスシーンで「お世話になる」という表現は頻繁にでてくるので、上手く使い分けができるようにしましょう!
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