ビジネスシーンでよく使用する「とんでもないです」という表現は正しいのでしょうか?今回は「とんでもないです」の正しい意味や使い方、言い換え表現について解説していきます。また「ありがとう」と言われた時や謝罪された時の返事に使えるのでしょうか?その他類語や英語も紹介します。
「とんでもないです」の意味は「そんなことはないです、滅相もないです」となります。 相手から褒められたりした時など、謙遜や遠慮の意味も含めて相手の言葉を軽く否定した言葉です。
「とんでもない」の意味は、 [1]とても考えられない、思いがけない、途方もない、意外である [2]そんなことはない、冗談ではない、滅相もない(相手の言葉を強く否定して言う) [3]もってのほかである、大変なことだ、けしからん(非難の気持ちを込めて言う) の3つになります。 今回紹介する「とんでもないです」は2つ目の意味の「そんなことないです」「滅相もないです」になります。
「とんでもないです」は、形容詞である「とんでもない」に丁寧語の「です」をつけた敬語表現です。 「正しいです」「嬉しいです」などと同じ用法になります。
「とんでもないです」は、「途(と)でもないです」が変化した言葉であると言われています。 「途」は音読みだと「ズ」「ト」、訓読みだと「みち」と読みます。 「途」は「道筋」「道のり」「方法」「手段」を意味しています。 「道のり」を表す「途」+否定を表す「ない」で成り立ち、「思っても見ない」「道理から外れた」という意味を表す「途でもないです」という言葉が誕生しました。そこから「とんでもない」という変化したそうです。 ビジネスシーンでは、「そんなことはない」「滅相もない」という意味で、相手の言葉を強く否定するときに使用することが多いです。 この場合は、相手の言ったことについて謙遜や遠慮することを表現することができます。
「とんでもないです」は、相手の褒めや賞賛の打ち消す時に使用することができます。 例えば、目上の人から褒められたときや、お客様にお礼を言われたときなどに使用します。 「とんでもないです」は、謙遜の意味も含めて、軽く否定するときに相応しい言葉になります。
「とんでもないです」は目上の人から感謝された時にも使うことがあります。 この場合は、相手の感謝の言葉を否定するというよりも「感謝されるほどではありません」「感謝していただくなんて滅相もありません」といった意味合いで「とんでもないです」を使います。 しかし、感謝に対して「とんでもないです」と使うことで相手は感謝を拒否されたと感じることもあるようで、多用は控えましょう。 「ありがとう」「手伝ってもらってすまないね」などに対して「とんでもないです」と使うのは良いですが、「お役に立てて嬉しいです」「お手伝い出来てよかったです」なども使うようにしましょう。
「とんでもないです」は、基本的に褒められたときに謙遜する言い方になります。 そのため、謝罪への返事として使うことは少なくなっています。 ちなみに、目上の人から謝罪された時の返事は「お気になさらないでください」「こちらこそ申し訳ありません」などが適切になります。 ただ全く自分に非がない場合に「こちらこそ申し訳ありません」と言うと不自然であり、皮肉っぽく聞こえてしまうことがありますので注意しましょう。
「とんでもございません」は、形容詞「とんでもない」が変化した言葉になります。 「とんでもない」は形容詞であり、一つの単語として使用するのが正しいです。 つまり「とんでもない」で一つ言葉になるため、「ない」の一部分を変化させて使用することはできません。 よって、文法的な観点から厳密には「とんでもございません」は誤用ということができます。 「とんでもない」は、他の形容詞「だらしない」「もったいない」などと同様で「ない」までで一つの言葉です。 「だらしございません」や「もったいございません」と言わないように、「とんでもございません」も誤りとなります。 しかし平成19年の文科省直下の文化審議会が発表した「敬語の指針」で、「とんでもございません」を使用することは使用しても問題ないとされました。 現在では「とんでもございません」は頻繁に使用されていますが、間違った使い方だと認識している人がいることも念頭に置いておきましょう。
「とんでもございません」は文法的には元々誤用であると紹介しました。 では、正しく表現するにはどうすればよいのでしょうか? 「とんでもございません」の正しい表現は、
となります。 「とんでもないことでございます」は「とんでもない」と「ございます」の間に、名詞の「こと」が入っています。 「とんでもない」は形容詞なので、他の名詞を修飾する必要があります。そのため「とんでもない」の後に名詞「こと」をつけることによって、形容詞の役割を果たすことができます。 「とんでものうございます」は、少々古風な表現のため、あまり使用することは少ないでしょう。
「恐れ入る」は「自分のいたらなさや相手への迷惑を、申し訳なく思う」「恐縮する」という意味の動詞です。 「恐れ入る」は、相手に手間をかけることに関して感謝やへりくだった気持ちを表現する言葉になります。 「恐れ入る」には、自分には勿体無いと思うほど、相手の心遣いをかえって申し訳なく感じる、身の縮むような感謝の思い、というニュアンスが含まれます。 「恐れ入ります」は、目上の人に褒められた時の返事として使うと、「身も縮まるほど遠慮したくなるようなありがたい言葉」「とても恐縮しています」といった気持ちを表すことができます。
例文
「恐縮」と書いて「きょうしゅく」と読みます。 「恐縮」の元々の意味は「身もちぢまるほどに恐れ入ること」です。 「恐」は「恐れ多い」という意味で、「縮」は「身が縮こまる」という意味なので、イメージは簡単につくと思います。「恐縮」は堅い表現なので日常会話ではあまり使いませんが、謙譲語ではありません。 「恐縮です」は、相手からの厚意に対する感謝の気持ちを示す時に使う表現です。 「恐縮です」は謙譲語ではありませんが堅い表現なので、日常会話ではあまり使わず、ビジネスシーンで目上の人に対して使うのが一般的です。 また「恐縮に存じます」は、「存じる」が「思う」の謙譲語になります。 目上の人から褒めてもらった時に、「恐縮に存じます」と言うと、「褒めていただき非常に身もちぢまるほどありがたく思っています」といった意味になります。
例文
「滅相もない」は、「あるべきことではない」「とんでもない」を意味しています。 「滅相もない」は、「そんなことはない」というニュアンスになるので、相手の言葉を否定するときに使用します。 「滅相」は、もともと仏教用語として使われていました。 「滅相」とは、物事や生物の生まれ変わりを四段階に分けた四相のうちの一つとされています。 物事が出てくることを「生相」、存在し続けることを「住相」、変化することを「異相」、そして消えて無くなることを「滅相」と言います。 「滅相」が尽きてしまうと、亡くなってしまうことから「とんでもない」と使われ、「滅相もない」ということになったそうです。 「滅相もないです」は、主に相手から褒められたときに、否定を表す場合に使用します。「滅相もないです」を使うことで、謙虚に否定することができるので、相手にも控えめな印象を与えることができます。
例文
まず「気遣い」の意味は、
になります。 それに尊敬を表す接頭語「お」をつけて、「お気遣い」となります。 「お気遣いありがとうございます」は、相手が自分に対して気を使ってくれたことに、感謝を伝えたいときに使う表現です。 「お気遣いありがとうございます」は、上司や取引先など目うの人に対しても使用することができます。
例文
「光栄」は、「業績や行動を褒められたり、重要な役目を任されたりして、名誉に思うこと」を意味しています。よく、相手から褒められたときに、「大変光栄です」「光栄に思います」なんて使うことが多いです。 「光栄に存じます」の「存じる」は、「思う」の謙譲語になります。 「光栄です」は、目上か目下など関係なく、「名誉に思う気持ち」を伝えたいときに使用することができる言葉です。「光栄に存じます」と使うことによってよりかしこまった印象を与えることができます。
例文
「とんでもないです」の英語表現を見ていきましょう。 お礼や褒められたりしたときの返事としての「とんでもないです」は、
謝罪に対する「とんでもないです」は、
などが使えます。
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「とんでもないです」について理解できたでしょうか? ✔︎「とんでもないです」の意味は「思いがけない」「そんなことはない」「もってのほかである」の3つある ✔︎「とんでもございません」は実は誤用であり「とんでもないことでございます」が正しい表現 ✔︎「とんでもないです」の言い換えは、「恐縮です」「滅相もないです」などがある