「応酬」という言葉をご存知でしょうか?「応酬ラリー」という言葉などテニスといったスポーツの報道で耳にしたことがあるのではないでしょうか。今回は、「応酬」の意味と正しい使い方を例文つきで紹介します。また、「応酬」の類語や英語も紹介しますので参考にしてください。
「応酬」の読み方は「おうしゅう」です。 「応」は音読みで「おう」訓読みで「こたえる」と読みます。 「応」という漢字には「こたえる・うけこたえる」という意味があります。 「酬」は音読みで「しゅう」と読む漢字です。 「酬」という漢字には「むくいる・こたえる・返礼する」という意味がある漢字です。
「応酬」の意味は「やりとりすること」「やり返す言葉」「返事をすること」という三つの意味があります。 「応酬」には、「こたえる」という意味のある「応」を使用した言葉で、「応酬」は、「先方からしてきたことに対してこちらからもやり返すこと」という意味があります。 言い回しや、使う場面によってニュアンスが変わってくる言葉なので、きちんと理解しておくべきでしょう。 主な言い回しと、使い方のは後述します。
「応酬が続く」は、「やりとりを続けること」という意味になります。 「やりとり」とは、「物を与えること・受けとること、言葉の受け答え、盃を取りかわすこと」をいいます。 「応酬」とは、そういったやりとりに「終わりが見えない」「長時間続く」という状況をいいます。 例えば、手紙やメールといった返信のやりとりが長期間続くことを「応酬が続く」という言葉を使用し「手紙の応酬が続く」と言い表すことができます。
「応酬を交わす」は議論や意見交換などで使われる言い回しです。 「交わす」は、「やりとりをする」「好感する」「まじえる」という意味です。 お互いの意見や、対立する意見、議論を互いにやり取りすることを「応酬を交わす」といいます。 会議や、株主総会といった議論や討論をする場面で使用する言葉です。
「応酬を繰り広げる」は、「やりとりを展開すること」です。 「繰り広げる」とは、「ある事柄・場面などを次々に展開すること」をいいます。 「目の前では激しい試合が繰り広げられていた」というように使用する言葉です。 「応酬」は「やりとりをすること」なので、「やりとりを展開すること」という意味になります。
「ラリーの応酬」は、バレーボールやテニスなど打ち合いが続くことを言います。 「ラリー」とは、「テニス・卓球などでボールを連続して打ち合うこと」をいいます。 ラリーのやり取りが続いている様子を「ラリーの応酬」と言い表します。 スポーツの報道などでよく使用されている言葉です。
「言葉の応酬」は、「激しい議論など言葉のやりとりのこと」をいいます。 ディペードなどのように、複数の人々で異なる意見を交わされるような言葉のやりとりを、「言葉の応酬」といいます。 わかりやすく言い表すと、「主張のぶつかりあい」ということであり、「激しい激論のやりとり」ということです。 議論のような激しい言葉のやりとりが「言葉の応酬」です。
「非難の応酬」は言い争いをすることをいいます。 相手の欠点などを言い言葉で相手を攻撃をするというようなことを「非難の応酬」といいます。 さらに、「非難の応酬」とは、そういった非難の言葉の攻撃が続いてしまうことをいいます。
「応酬」には、「相手からしてきたことに対して、こちらからもやり返すこと」という意味あり、「相手の攻撃に対してやり返すこと」という意味もあります。 好意を受けたら好意で返し、敵意を向けられたら敵意で返すということです。 ボクシングなど、攻撃的な物に対して負けずにやり返すことを「攻撃の応酬」といいます。
「応酬話話法」とは、セールストークのことです。 お客様の質問や反応に応答するための基本的なセールストークを「応酬話法」といいます。 お客様の質問のタイプに応じた答えかたをすることにより、お客様を納得させるというものです。 「応酬話法」という技術を簡単に紹介します。
「ブーメラン法」とは、相手が否定的な意見や質問をしてきた場合に、「だからこそ~なんです」というように、相手が思っているマイナスの部分をプラスに変えて返答することにより、相手が断る理由をなくすということをいいます。 否定的な言葉を、重要な内容を際立たせる為に使用する話法が「ブーメラン法」です。
「例話法」とは例え話を使用して説明する話法です。 「例えば~のような状態のときに使用するととても便利ですよ」というように、例え話を使用することにより、自分が商品などを利用している姿を想像し、具体的にその物について考えてもらうというのが「例話話法」です。
「取っ手の部分をのばすこともできるので、例えば天井など、普段手に届かないところも手軽にお掃除することができるんですよ」 「例えば重たい荷物を持っていても、電動自転車なら楽々坂道を上ることができます!」
「肯定法」とは、「そうですよね」「おっしゃる通りです」などと、一度相手の意見を肯定してから話をする話法をいいます。 一度相手の意見を肯定することにより、「自分の話を聞いてくれる人なんだ」と思わせることで相手の警戒心を解いて営業をするという方法です。
「〇〇様のおっしゃる通りです。やはり現在ご利用中のお客様には同じように不安に感じお客様ばかりでしたが、皆様に満足いただいておりますので、自信をもって紹介させていただいています。」 「その通りでございます。やはり少々高いお値段ではございますが、使い捨てのものではございません。末永くご利用いただけるので、長い目でみていただければ必ず納得いただけるはずです。」
「質問法」とは、「相手が断る理由を質問で聞き出す」という話法です。 「ちなみに、その理由を教えていただけますか?」というように、断わる理由をききだし、「そうなのですね。では~というようにしてみるというのはいかがでしょうか?」というように、断る理由としてあげられる問題点を指摘し、断る理由をなくしていくというものです。
「子どもが乳酸菌飲料あんまり好きじゃないので・・・」 →「そうなのですね。○○という商品には様々な味があるので、試飲していただき、お口に合いそうなものをお選びいただけますが、試飲してみませんか?」 「今は他の商品を利用していて、買い替える予定がないので」 →「かしこましました。ちなみにそちらの商品のお会い上げ年月をお聞きしてもよろしいですか?」」
「交換」は「こうかん」と読みます。 「交換」の意味は、「互いにそれぞれの物を取り換えること・やりとりをすること」です。 「応酬」と同じように、「手紙のやりとりをする」というような場合に「手紙を交換する」といった使い方をすることができますが、「応酬」のように「やり返す」というような意味はありません。
「やりとり」の意味は、「物をとり交わすこと・言葉のやり取りをすること」 例えば、メールなどで連絡を取り合っていること、また言葉の受け答えを「〇〇さんとやりとりをしている」と言い表すことができます。 言葉や手紙、メール以外にも、物の交換をやりとりという事があります。
「受け答え」は「うけこたえ」と読みます。 「受け答え」の意味は「相手の言うことや、問いかけに応じて答えること」です。 例えば、「何かを尋ねられて返答をする」というようなことを「受け答えをする」といいます。
「返事」は「へんじ」と読みます。 「返事」の意味は「呼びかけ・問い・挨拶などに答えること」です。 「名前を呼ばれて返事をする」というような使いかたです。 言葉だけではなく、「手紙の返事を送る」というような使い方もします。
「反駁」は「はんばぐ」と読みます。 「反駁」の意味は「他人の意見や批判に反対して論じ返すこと」です。 相手の意見に対して「反論する」だけではなく、「論じ返す」ということが「反駁」です。
「反論」は「はんろん」と読みます。 「反論」の意味は「相手の意見・批判などに対して反対意見を述べること」です。 例えば、相手の「正しい」という意見に対して、反対の意見である「間違いだ」と述べることを「反論」といいます。 「反論する」や「反論される」といった使い方をします。
「応酬」の英訳は色々なパターンが考えられます。 「返信」という意味ならば「reply」「answer」「respond」などでよいでしょう。 「やりとり」は何のやりとりなのかによって英語が変わります。 「メールのやりとり」なら「emailing」、「言葉のやりとり、会話のやりとり」なら「communication」「talking」などになります。 「やりとり」と和英辞典で調べると「exchange」と出てくることが多いですが、「exchange」は「交換」という意味になります。
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