「なんなりと」という言葉をご存知でしょうか?「なんなりと」は「なんでも」という意味で使用される言葉です。「なんありとお申し付けください!」というようなフレーズを耳にしたことがあるのではないでしょうか。今回は、「なんなりと」という言葉の意味と使い方を例文つきで解説します。また、英語表現についても紹介しますので参考にしてください。
「なんなりと」の意味は「なんでも」「どんなことでも」です。 どんなことでも・どんなものでもという相手の意向に任せる気持ちを言い表した言葉であり、相手に対する気遣いや配慮の言葉で、副詞として使用されるので動詞の前に使用されます。 とてもカジュアルな言葉のように感じられますが、敬語表現と共に使用すると、「なんでも受け入れます」という相手に対する誠意をしめすことができる言葉です。
「なんなりと」は漢字で表記すると「何なりと」となります。 「何」には「なに・どれ・いずれ・どの」という意味があり、断定の助動詞「なり」の終止形「なりと」と組み合わせて使用されています。
「なんなり」の強調形として「なんなりとも」という表現を使う人が極稀にいますが、これは誤用です。 「なんなりとも」という日本語は存在しません。 正しくは「なんなりと」になります。
「なんなりとお申し付けください」は「なんでも言ってください」という意味で使用で使用される言い回しです。 「お申し付けください」は、「申し付ける」「言いつける」を丁寧にした言葉で、「自分には引き受ける意思があります」「準備しています」ということを伝えるニュアンスがある謙譲語です。 ビジネスシーンでは「自分に何か言いつけて欲しい」とお願いするときに使用されるフレーズです。 その他にも
などがあります。
「なんなりとご用命ください」は、「なんでも用事を言いつけてください」という意味で使用される言い回しです。 「ご用命」は「用名」という言葉を丁寧にした表現で、「用事をいいつけること」という意味です。 「用事」とは「しなければならないこと」という意味なので、「なんなりとご用命ください」は「命じられたことは何でもします」というニュアンスになります。
「なんなりとご用命賜りますよう、お願い申し上げます」だと、より丁寧な言い回しとなります。 「賜る」の意味はこの場合、「もらう」の謙譲語になります。 辞書には「神の許可を得て、通行を許してもらう」という意味も記されています。“神”という言葉が使われていることからも、かなりの目上の人からという事が分かります。 かなりかしこまった表現であるため状況や相手によって使い分けるといいでしょう。
上記では堅い敬語表現を紹介しましたが、
なども正しい敬語です。 しかし、「なんなりとお申し付けください」が最も一般的に使われる表現です。
「なんなりとお使いください」というネットスラングも存在します。 「なんなりとお使いください」は「なんでも使ってください」という意味で、意味は通じますが、この表現を使用する場面は日常生活ではありませんよね。 インターネット上では、著作権フリーの画像の転用を許可する文章として使われます。
「なんなりと」は、うしろに「〜してください」というように動詞をつけることが基本です。 お客様対応・営業などで質問を受け入れるといった場合には、「なんなりとご質問ください」というような言い回しを使用します。 お客様や、取引先相手に「なんなりとご質問ください」とすると、気になった点を質問することができます。 また、「なんなりとお問い合わせください」という言い回しをすることもできます。 「お問い合せ」は、「メールや電話などを使用して尋ねること」という意味で使用される言葉です。
「なんなりと」は、メールや電話の結び言葉 としても使用されます。 何か用件をメールや電話で伝えたあとなどに、「何かご不明な点があればなんなとお問い合わせください」というように使用することで、相手は気軽に質問をしたり問い合わせの連絡をすることができます。 つまりメールや電話での結びとして使用される言葉は、相手から連絡しやすくするという気遣いの言葉となります。
「なんなりと」は社内で上司からの指示を仰ぐ場面にも使用することができます。
などの言い回しが例にあげれます。 「仰せ付けください」は、「おっしゃってください」さらに丁寧にした言葉で「なんでも言ってください」を丁寧に言い換えた言葉になります。 目上の人に対して、なんでも言ってください!という前向きな姿勢を伝えることができる言葉です。
「そうぞ」は、副詞の「どう」に、助詞に「ぞ」がついた言葉です。 相手の動作を促したり、勧誘を表す最も一般的な言葉が「どうぞ」です。
というように、「どうぞ〜してください」という形で使用することがほとんどです。 話し言葉でも使用されることもあり、かなりカジュアルな表現になります。
「何卒」は「なにとぞ」と読み、「どうぞ」をより丁寧にした言い回しです。 「期待する」というニュアンスが含まれていて、相手に何かを強くお願いする場合に用いる表現となります。依頼の強調表現になります。
「どうぞ」ではカジュアルすぎるというかしこまった場面では「何卒」を使用するといいでしょう。
「なんなりとどうぞ」と使う人がいますが、これは厳密には誤用です。 「なんなりと」と「どうぞ」は類語で、どちらも副詞です。日本語に副詞と副詞を続けて使う用法はありませんので間違った日本語となります。
「なんなりと」の英語は、
です。 さっそく例文です。
Please don't hesitate to ask me anything.
ご遠慮なさらずになんなりと私にお申し付けください。
You can eat whatever you like.
なんなりとほしいものを召し上がってください。
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「なんなりと」という言葉について理解していただけましたか? ✓「なんなりと」の意味は「なんでも」 ✓「なんなりと」は漢字で書くと「何なりと」 ✓ 「なんなりとお申し付けください」は「なんでも言ってください」の意味の言い回し ✓ 「なんなりと」はお客様対応・営業などで質問を受け入れる場面などで使用される など