「お初にお目にかかります」「お目にかかりたいと思っていました」などと聞いたことがあると思います。「お目にかかる」は間違った使い方をしてしまうと、相手に対して失礼になります。そこで今回は「お目にかかる」の意味や使い方を例文付きで解説します。また類語「お会いする」やその他の敬語表現、さらに英語も紹介します。
「お目にかかる」は「会う」の謙譲語です。 「お目」は「他人の目の尊敬語」で、 「かかる」は「目にとまる」「見られる」を意味します。 「お目にかかる」の「お」は尊敬を表す接頭語で、「目」が他人の目を示しているため「お目にかかる」は尊敬語であると思っている方も多いですが、「お目にかかる」は謙譲語ですので間違えないように気をつけましょう。
「お目にかかる」は謙譲語のため、自分の行為にのみ使います。 そのため、「部長はお目にかかりましたか?」などと使うのは間違いです。 敬語であるため、目上の相手が誰かと会ったことを聞く際に使ってしまいがちですが、謙譲語ですので失礼に当たります。 この場合は「課長はお会いになりましたか?」が正しく表現となります。
「お目にかかる」の「かかる」は「掛かる」と書きます。 「かかる」という言葉は「係る」「懸かる」「架かる」など様々な漢字があり、同じ意味を持っているので混同しないように注意しましょう。 ただ「お目にかかる」は漢字で表記することは少ないため、一般的には「お目にかかる」とひらがなで表記するのが無難になります。
「お目にかかる」は謙譲語です。「自分を下げて相手を高める言葉なので、相手の会う動作に「お目にかかる」を使うと失礼に当たります。 例えば「部長はお目にかかりましたか」と言うと、逆に相手を下げて自分を高める表現になってしまいます。この場合は「部長はお会いになりましたか」と言うのが適切です。
「お目にかかりたい」は「会いたい」ことを表しています。 ビジネスシーンではよく使われている表現です。 目上の相手には「お目にかかりたく存じます」「お目にかかりたいと存じます」などと使います。
「お目にかかることができず」は「会えず」といった意味になります。 例えば自分が相手の会社に出向いたときにその人がいなくて会えなかったり、またその逆で相手が自分の会社に足を運んでくれた日に自分自身がいなかったりした場合に使います。 またお互い出席するはずだったイベントや会議などでどちらかが来れなくなった場合などに使います。
「お目にかかる機会がございましたら」は、「いつかどこかで会えたら」といった意味で使います。 これはまだ一度も会えていない相手にも、会ったことのある相手にも使うことが出来ます。 ただ、会おうとしているわけではなく「会えたら」といったニュアンスになるため、会う約束をするべき相手に対しては使わないようにしましょう。
「お目にかかれるのを楽しみにしております」は、相手と会いたい気持ちを伝える場合に使います。 また、同じイベントへの参加が決まった時や同じ結婚式に呼ばれている場合など、会うことが決まっている場合にも使います。 ビジネスシーンでは本来会議や取引をする目的であっても、「会えることも嬉しい」と伝えることで相手もいい気分でその当日を迎えることができます。
相手と会ったときに使うフレーズは「お目にかかれて光栄です」です。 「お会いできて嬉しいです」といった意味で使います。 「光栄です」には「名誉に思います」「誇りに思います」といった意味があり、さらに相手への敬意を表すことができます。
「お目にかかることができ嬉しかったです」は、相手と会った後に使う言葉です。 会えたことの喜びを伝えることができます。
「お目にかかる」は誰かに会ったときに使う表現ですが相手と直接面と向かって会った場合だけでなく、一方的に自分が相手の姿を見かけた場合にも使うことができます。 「お目にかかる」は「先日、お目にかかりました」などといったように使います。
「お目にかかる」にはたくさんの言い回しがあります。
などもよく使われています。
▶「お目にかかる」・・・「会う」の謙譲語 ▶「お目にかける」・・・「見せる」の謙譲語
「お目にかかる」は「会う」の謙譲語、「お目にかける」は「見せる」の謙譲語です。 「お目にかかる」と「お目にかける」は音の響きは似ていますが、意味は異なるので間違わないように気をつけましょう。
「お目にかける」は「見せる」の謙譲語です。 「お目にかける」は、自分が目上の相手に対して何かを見せることを表します。 例えば、「私が作った陶芸品をお目にかける機会をいただけますか」といったように使うことができます。
「お目にかける」の例文
その他にも「お目」を使った表現が複数ありますので、紹介します。 各表現の「お目」の「目」は「他人の目」を示しており、「お」は尊敬を表す接頭語です。
「会う」の謙譲語は「お目にかかる」「お会いする」となります。 謙譲語は、自分や自分の身内の行為や持ち物についてへりくだって表現する敬語です。 主語は自分になるため、相手の行為に対して使うことはできません。
(誤)先日、◯◯さんにお会いになりました。
(誤)部長とお会いになりました。
(誤)そうですか。私も社長にお会いになりました。
「会う」の尊敬語は「お会いになる」「会われる」「お会いくださる」となります。 尊敬語は、相手に関わる物事について述べるとに敬意を表現します。 主語は相手になるため、自分の行為に対して使うことはできません。 「会う」の尊敬語と謙譲語の違いは少しややこしいですが、使い方を間違えてしまうと相手に失礼なので、しっかり使い分けできるようにしましょう。
尊敬語の例文
(誤)先日、弊社の◯◯にお会いしたのですか。
(誤)部長はお会いしましたか。
(誤)そうですか。社長にお会いしたのですね。
▶「お目にかかる」・・・「会う」の謙譲語 ▶「拝見する」・・・「見る」の謙譲語
「拝見する」は「見る」の謙譲語で、主にものを見たときに使いますが、「お姿を拝見した」といったように、相手が何かをしているところを見たという場合にも使うことができます。 ただ、「拝見」は相手が何かしているところをこちらが勝手に見た場合に使うのに対して、「お目にかかる」は相手としっかり顔を合わせている場合に使います。 「拝見する」は、相手と顔を合わせている場合には使うことができないので注意しましょう。
「拝見する」は「見る」の謙譲語です。 「拝見する」はメールや書類を「見る」「読む」「目を通す」という意味になります。 「内容や目的を理解した」というニュアンスも含まれます。 「拝見」はメール・手紙や資料を確認したことを、相手に伝えるときに使うのが一般的です。 「拝見しました」「拝見します」といったように使うことができます。
<「拝見する」の例文>
「お目にかかる」の英語を見ていきましょう。 英語には謙譲語という概念はありませんので、意識する必要ありません。 「お目にかかる」は要は「会う」という意味なので、
などを使います。 ちなみに「see」と「meet」には違いがあるので注意です。 「meet」は基本的に「初めて会う、約束して会う」という意味になります。 「see」は「一度会ったことある人に会う、予約などをしてこちらから会いに行く」となります。
I'm looking forward to seeing you tomorrow.
明日お目にかかれるの楽しみにしています。
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「お目にかかる」について理解できたでしょうか? ✔︎「お目にかかる」は「会う」の謙譲語 ✔︎「お目にかかる」は直接会った場合だけでなく、一方的に相手の姿を見かけた場合にも使える ✔︎「会う」の尊敬語には、「お会いになる」「会われる」がある ✔︎「会う」の謙譲語には、「お目にかかる」「お会いする」がある
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