「お引き立て」という言葉をご存知でしょうか。「お引き立て」は社会に出てから初めて知った、今まで知らなかったという人も多いかもしれません。ビジネスシーンでは、挨拶の際に使われ、他にもビジネス文書やビジネスメールなどで用います。「お引き立てを賜り〜」などと定型文のように書かれていることが多いですが、わかったつもりでつい見過ごしてしまうこともありますよね。よく使われる言葉でもあるので、しっかり意味を理解して、ミスなく使いこなしましょう。そこで今回は「お引き立て」の意味や使い方、類語との違いについて解説していきます。
「引き立て」の意味は、
となります。 「お引き立て」の「お」は”尊敬”を表す接頭語です。 相手から受けた愛顧や、相手に求める支援などを「お引き立て」と呼びます。 ビジネスシーンでは企業や商店において、顧客から贔屓にしてもらい、相当額あるいは長年の取引実績を得ていることを「お引き立て」と言います。
「お引き立て」は正しい敬語です。 とてもフォーマルなので、取引先や顧客などに使うのに適してます。企業に対しても個人に対しても使っても、社内の上司などに使っても良いです。 「お引き立て」は”贔屓される側からいう語”です。 「お引き立て」を用いるには、取引の金額・回数・年数といった数値的な条件はありません。 一度だけの取引実績しかない相手でも、または取引実績のない相手であっても「お引き立て」という表現を使い、尊敬や感謝の意を示すのがマナーとなります。
「お引き立て」は古くから、主に商店や企業などが顧客に対する挨拶として使われています。 主に、「平素は格別のお引き立てを賜り、誠にありがとうございます」などと使います。 これは、「日頃は特別にひいきにしてもらい、本当にありがとう」という意味です。 「いつもお世話になっています」と同じような意味で使われます。 「お引き立て」は話し言葉として使うことが多いですが、文語として、ビジネス文書や年賀状などでも使えます。ビジネス文書では日頃からお世話になっているお礼、年賀状では昨年お世話になってお礼を述べることができます。
「お引き立て」はビジネスシーンでは、取引先や顧客に対しても尊敬の意味を込めて、結びの挨拶としても使われています。 ”結びの挨拶”とは手紙で本題のあとに続けて、締めに向かうための言葉のことです。 「お引き立て」は、今後も親しい付き合いを続けることをお願いしたいときに使います。 主に、「今後ともお引き立てを賜りますようお願い申し上げます」などと使います。 これは、「これからもひいきしていただきますよう、お願いします」という意味です。簡単に言うと、「これからもよろしくね」となります。
「〜のほど」は”断定を避け、表現をやわげる表現”で、相手に何かを依頼するとき、してもらうときに使います。 「お引き立てのほど〜」は「ひいきにしてもらえるよう」「ひいきにしてくれるよう」よいう意味になります。
「賜る」は「もらう」の謙譲語です。「ひいきにしてもらい〜」という意味になります。 「お引き立てを賜りますよう〜」とした場合は、「ひいきにしてもらうよう〜」という意味です。
例文
「いただく」は「もらう」の謙譲語です。「ひいきにしてもたらい〜」という意味になります。
「与り(あずかり)」は、「 目上の人の好意や恩恵を受けること」を意味します。 「お引き立てに与り〜」は「目上の人のひいきを受ける」という意味になります。
例文
例文
「愛顧」の意味は「目をかけて引き立てること、ひいき」です。 「ご愛顧」は「相手から贔屓にしてもらうこと」を意味します。 企業や法人側がいつも贔屓してもらっている顧客などに対して使います。例えば「ご愛顧いただき~」「ご愛顧のほど~」「ご愛顧を賜りますよう〜」などの形で使います。 「ご愛顧」は、ビジネスシーンでは企業や法人(目下の存在)が顧客や取引先(目上の存在)に対して使います。企業側が主体となって「ご愛顧させていただく」などとは使いませんので注意しましょう。 「ご愛顧」は「お引き立て」と同義語です。 「お引き立て」はややフォーマルな言い方で、口上の挨拶として使われることが多いです。 「ご愛顧」はどちらかというと文章に合った表現で、口頭でも使うことはできますがやや堅い印象となってしまいます。
例文
「高配」は「他人への心配りや配慮」という意味です。 「ご高配」は相手からの配慮の尊敬語になります。 「ご高配」は主にビジネス文書や手紙などの挨拶文として用いられています。 「ご高配」は相手を敬う言い方なので自分のことに対しては使うこはできず、また基本的に目上の相手や顧客に対して使う言葉で、自分よりも立場が下の相手には使いません。 「お引き立て」は「ひいきにすること」を、「ご高配」は「お心遣い、お心配り」を意味します。
例文
「厚情」は「厚いなさけ」「心からの深い思いやりの気持ち」を意味します。 「ご厚情」の意味は「目上の相手が深いなさけや思いやりを持っていること」です。 相手に大事にしてもらった、親切にしてもらったことを示します。 「ご厚情」は堅くフォーマルな言葉なので、日常生活で使用することはほとんどありません。 結婚式、就任セレモニー、祝賀会、葬儀などのフォーマルな式典やビジネスシーンにおける歓送迎会、送別会、納会、宴会など行事で使用します。 また、ビジネスでの顧客や取引先に対する年賀状、暑中お見舞い状、感謝状などでも使用します。 「お引き立て」は「ひいきにすること」を、「ご厚情」は「厚い情け。心からの思いやり」を意味します。
例文
「厚誼」の意味は「心からの親しい付き合い」「手厚い親切」「深い親しみの気持ち」です。 「厚誼」は「厚い交わりである」というニュアンスになります。 敬語表現にするには「厚誼」に”尊敬”を表す接頭語「ご」をつけて、「ご厚誼」とします。 「ご厚誼」には、日頃からお世話になっている目上の相手に対しての感謝を示す気持ちが込められています。 「ご厚誼」は、ビジネス文書やスピーチの際の挨拶や結びの言葉として使われることが多いです。 年末年始の挨拶、訃報や葬儀の際にも使うことができます。 「ご厚誼」の使い方としては、
などとなります。 「お引き立て」は「ひいきにすること」を、「ご厚誼」は「親しいお付き合い」を意味します。
例文
「贔屓」の意味は「気に入った者に特別に目をかけ、力を添えて助けること」です。 「気に入った人やものを可愛がったり、世話をしたりする」というニュアンスになります。 「ご贔屓」は「相手が力を添えて助けてくれる」を意味します。 「毎度、ご贔屓に!」などと聞いたことがあると思います。 自分が相手をひいきする場合は、「妹を贔屓する」「贔屓にしている彼」などと言います。 相手が自分をひいきにしてくれる場合は、「贔屓にしてもらう」「ご贔屓にあずかる」などと言います。 「ご贔屓」は「お引き立て」と同義語です。 「お引き立て」はややフォーマルな言い方ですが、「ご贔屓」は少々親しみやすい印象を持ちます。
例文
「お引き立て」を英語変換するのはなかなか難しいのですが、ビジネスシーンで使う「お引き立て」のニュアンに一番近いのは「support」でしょう。
Thank you very much for your continuous support.
平素は格別のお引き立てを賜り、厚くお礼申し上げます。
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正しいxxxxの使い方
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「お引き立て」について理解できたでしょうか? ✔︎「お引き立て」は「ひいきにすること」「力を添えて助けること」を意味 ✔︎「お引き立て」は正しい敬語で、取引先や顧客に対して使うのが適している ✔︎「お引き立て」は感謝を述べるときや、結びの言葉として使う ✔︎「お引き立て」の類語には、「ご愛顧」や「ご贔屓」などがある