「欺瞞」という言葉は聞いたことがあるでしょうか。また「自己欺瞞」という言葉は知っていますか?「自己欺瞞」に陥って抜け出せなくなると治療が必要になる場合もあります。政治の話などでもよく出てくる「欺瞞」の正しい意味や使い方と英語表現、そして「自己欺瞞」の特徴や対処法を正しく理解しましょう!
○読み方 <ぎまん> ○意味 あざむきだますこと 「欺」の訓読みは「欺く(あざむく)」です。 「欺く」の意味は
となります。 「瞞」の訓読みは「瞞す(だます)」です。 「騙す」と同じ「だます」の意味になりますが、「瞞」は常用漢字ではないため一般的には使われていません。 「瞞」の字義は、
となります。 要するに、「欺瞞」はどちらの感じにも「人を騙す」といった意味がありちょっとした嘘や冗談ではないほどであることが分かります。
意味のところでも少し説明しましたが、「欺瞞」のどちらの漢字にも「だます、あざむく」といった意味があります。 日常生活において「欺瞞」と言う言葉を使うと、「犯罪や会社にとって重大な騙しや嘘をついたこと」といったようにとても重く罪深いようなことだと解釈されます。 そのため、「政府が欺瞞する」「国会議員の発言は欺瞞に満ちている」など国会や国際問題などの大きなことでよく使われます。 「欺瞞」はそのまま名詞として用いられる場合と、「欺瞞する」と動詞として用いられる場合があります。 どちらもよく使われています。 また「欺瞞に満ちる」とは「欺瞞だらけの」「欺瞞ばかりの」といった意味で使われています。「満ちる」には「十分にあること、限界まであふれるばかりになること」といった意味があります。 他の言葉とくっついた時にもその意味が適用されるので、「欺瞞に満ちる」は「欺瞞が十分にあること」となり「欺瞞だらけ」「欺瞞ばかり」といった解釈ができます。 そして軍事では「欺瞞作戦」といった言葉が使われています。それは敵軍に誤った認識を与えることを目的とした作戦のことです。 作戦の内容は、
などです。 軍隊は「欺瞞作戦」を使って攻撃しやすいように相手を騙し、有利に戦いをすすめます。 それから「自己欺瞞」といった言葉があります。 これは心理的防衛のひとつであり、ほとんどの人が経験したことがあると思います。 しかし「自己欺瞞」がひどくなると、精神病として治療が必要になることもあります。 それらについては下記にて詳しく説明します。 このように、「欺瞞」とは国会や国際問題のほかに軍事や心理的などの場面でも多く用いられています。 家族や友人などをだましてあざむくことに対しても「欺瞞」は使われますが、日常的に話し言葉などではあまり使われません。 ちょっと人から嘘をつかれたり冗談を言われたときに「欺瞞された!」「欺瞞だ!」などと言うと大袈裟だと思われてしまうので注意しましょう。
「自己欺瞞」とは漢字の通り自己を欺瞞すること、要するに自分で自分の心をあざむくことです。その言行が自分の良心や本心に反しているのを知りながら、それを自分に対して正当化してしまうことです。 またそれを、無意識に行う場合も意識しながら強いて行う場合も当てはまります。 ※正当化…自分の言行が正当であり道理にかなっているように見せること 自己欺瞞には大きくわけて2つあります。 1.本来の自分の気持ちや考えに反した選択をしたときに、それをさまざまな理由で正当化すること 2.選択したいことが様々な理由から出来ずにそれと違った選択をしたとき、その違った選択こそが正しいのだと思い込むこと です。 自分の良心や希望には自覚がありますが、それができなかった際には無意識に正当化していることが多いです。 自分自身に嘘をつき騙すことを自然とやってしまっている状態です。 また、相手や場所によって無意識に自分を演じ分けてしまっている人も「自己欺瞞」であり、大きく2つにわけたうちの1に当てはまります。 そのため、人によって自分に対する印象がまばらです。ありのままの自分を出せずに相手がこうだから、こういった場所だからなどと無意識に正当化してキャラクターを演じてしまいます。 このように「自己欺瞞」の状態が悪化していくと、うつ状態や人格障害にまでなってしまうことがあります。そうなると治療が必要です。 では、なぜそのようなことをしてしまうのでしょうか。
「自己欺瞞」の心理にはさまざまな理由があります。 ○責任転嫁 自分が仕事などで成果をあげることができなかった時、その理由が本来は自分自身に欠如やミスがあったにも関わらず「あの人が助けてくれなかった」「時間が足りなかった」「本当は違うことをやりたかった」などと思い、それが理由だと思ってしまいます。 また、例えば誰かをサポートするべきだと思っていたり、相手のためにこうした方がいいと思うことがあるとします。 しかし、それをすることで相手だけが成功してしまうことを恐れて出来なかったり、また会社では「こうするべきだ」と言われており相手のために出来なかったりして自分自身の良心や信条と反してしまうことがあります。 そういった時に「わたしはサポートしてもらっていない」「わたしは忙しいから」などとサポートしなかったことを正当化するためにそう思い込みます。 そうすることで良心などに反していることを自覚していながらも自分の正しさを探し、いつしか無意識にそれが本当であると思ってしまいます。 ○欲求不満の回避 本当は旅行がしたいのに、「お金がないから」「時間がないから」と行きたい気持ちを抑制し旅行したい気持ちよりも「お金も時間もなく何もできない」ことを正当化してしまいます。 また、旅行に行きたいけど一緒に行く人がいない場合や言語が話せない場合に「仕事が忙しいから」などといった理由で「旅行に行かないこと」を正当化してしまいます。 ○周りに評価されたい 承認欲求が強く、見栄をはってしまいます。 そのため、無意識のうちに「自分は完ぺきである」「自分はなんでもできる」と思い込みそれを他人にもアピールします。できないことを認められずにできると自分自身を騙してしまいます。
こういった心理から「自己欺瞞」は起きています。 その中でも自分自身の欲求を抑えるために嘘をついている人は、自分に対して欺瞞していることの自覚がある人が多いです。 そのため、「自己欺瞞」していることに対して苦しくなったり虚無感を抱いたりします。そしてまた、そのマイナスな感情を隠すために自分自身に嘘をついて「自己欺瞞」の繰り返しになります。 そうして「自己欺瞞」に陥り、抜け出せなくなってしまいます。 そして、自分の欠如やミスを人に原因があると責任転嫁している人は、自分自身に問題があることに対して無自覚になっている人が多いです。 実際には自分に否があると分かっていたはずなのに、言い訳をしたり相手を責めてるうちにそれが本当であると信じ込んでしまいます。 それでも、どこか腑に落ちなかったり、無性にイライラしたりもやもやしたりしているはずです。 それでも無自覚であるために「自己欺瞞」していることに気付かず、ずっと自分を騙し続けてしまいます。 そうして「自己欺瞞」に陥り、抜け出せなくなってしまいます。
「自己欺瞞」に自覚のある人は自己嫌悪や虚無感、罪悪感にも苛まれてしまい、また「自己欺瞞」を繰り返してしまいます。そういった負のループから抜け出すためにも、克服するための対処法が必要となります。 また、無自覚で「自己欺瞞」をしてしまっていることもあるかもしれません。「自己欺瞞」に気付くキッカケとして自分を振り返るためにも、ぜひ一度対処法を行ってみてください。 「自己欺瞞」の対処法 ○自分を客観視する 今の自分をちょっと遠くから、もしくは隣にいるとして見てみてください。 今の自分は他人にどう映っているか、隣で過ごしていたらどんな風に思うかを考えてみましょう。 なんでそんな言動をしてるのか疑問が出て来るかもしれません。本当はこう思ってるんじゃないの?こう認めたいんじゃないの?と思うことがあるかもしれません。 それが気付きの第一歩です。 ○自分自身の短所や弱いところを受け入れる 誰にでもできないことや短所はあります。それを受け入れた上で行動をしましょう。 しかしそれは不本意かもしれません。リーダーになりたいのにリーダーシップがない自分がいるかもしれません。 ですがそれを受け入れることで、「じゃあリーダーになるためには何をしたらいいだろう?」とかんがえられるかもしれません。 また、他に自分の才能に気付き、その自分を好きになれるかもしれません。 ○固定観念を捨てる 「こうでなきゃいけない」「こうしないといけない」といった考えをいったん捨てましょう。会社にいる以上従わなきゃいけないことや、そうしないと上司に見捨てられ居場所がなくなるかもしれません。 ですが、本当に自分のしたいことと完全に反していたり良心が痛むような状況では、いつまでも成功をしたり幸せになることはありません。 すぐに違う行動をするわけじゃないにしても、いったん固定観念を捨てることで自分自身に対する新しい発見があると思います。 ○信念を持つ やりたいことやしたいことがある場合は、それを信じることです。 もしかしたら認められないかもしれない、間違っているかもしれない、とは思わずに自分を信じましょう。 そして、それが実際に認められなかったり間違っていた場合は、そこからまた考えればいいです。 しかしその間違いが、他人に多大な迷惑をかけたり会社が損失を負うことは良くありません。その判断はちゃんとしなくてはなりません。 ですが、夢や相手のためを思ってやっていることであれば、まずは自分が信じて応援してあげましょう!
○視野を広げる 固定観念に縛られている人は視野が狭くなっています。 本を読んだり人と会ったり、価値観の違う人の話しを聞いてみたりしてください。 そうすると「こんな考えもあるんだなあ」「こういうのいいな」「これは間違ってるな」などと思うことがたくさんあります。 そういうことをたくさん感じるほど、自分自身を評価したり判断する力がついてきます。 他人に指摘されることを恐れずに、成長するために外界を知ることも大切です。 今すぐにでも始められることばかりです! 「自己欺瞞」は相手に迷惑をかけたり人間関係のトラブルを引き寄せる以上に、自分自身が苦しむ大きな原因となります。 現代の日本社会では、「自己欺瞞」を余儀なくされることが多々あります。しかし、自分から変わって行かなければ誰もその状況から救い出してはくれません。 楽しく生活していくためにも、「自己欺瞞」を克服して自分に素直でいられるようにしましょう!
○詐欺<さぎ> (意味:故意にうそを言って他人をだまし損をさせること) ○虚偽<きょぎ> (意味:真実ではないことを知りながら真実であるように装い見せかけること) ○ごまかす (意味:本心が見破られないように表面上は取り繕う、騙して不正をする) ○瞞着<まんちゃく> (意味:ごまかすこと、だますこと)
○信頼<しんらい> (意味:頼りにできると信じること、信用してまかせること) ○忠実<ちゅうじつ> (意味:まごころをもってつとめること、心からまじめに尽くすこと) ○誠実<せいじつ> (意味:他人や仕事に対してまじめであること、真心があること) ○正直 (意味:心が正しく素直であること、偽りのないこと)
「欺瞞」の英語表現「deception」といいます。動詞は「deceive」です。 「自己欺瞞」は「self-deception」といいます。難しい言葉はフランス語が語源の「mauvaise foi」と言います。
The company deceived customers by selling old products as new ones.
会社は古い商品を新しい商品と売り、顧客を欺瞞した。
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「欺瞞」について理解できたでしょうか? ✔「ぎまん」と読み「あざむきだますこと」といった意味 ✔国会や国際的なこと、軍事や心理的なことなど重く堅い場面で用いられることが多い ✔日常的に使うことは間違いではないが大袈裟だと思われる ✔「自己欺瞞」は自分の良心などにそむいたことを正当化して自分自身を騙すことであり、意識している場合でも無意識の場合でも用いられる ✔悪化すると治療が必要にもなるため、自分で克服して対処することが必要 いかがだったでしょうか。 「自己欺瞞」について読み進めていると、「あれ?もしかして、、、」と思った人が多くいたと思います。 ですが、他人の中で生きていく上ではそうせざるを得ない場面に遭遇します。 ただそれらをきちんと理解して対処していくことや、常に「自己欺瞞」にならないように意識することが大切です。