「自意識過剰」という言葉は良く使われていますが、「自意識」の正しい意味を知っていますか?今回はその「自意識」の正しい意味と英語表現、また「自意識過剰」な人の特徴を解説します!
「自意識」とは、「自分自身についての意識、自分がどうであるかを考えたりする意識」という意味です。 外界や他人と区別された、自我としての意識です。 「自己意識」「自我意識」とも呼ばれています。 「自意識」は
などの形で使います。 自意識には2種類あります。 それについて説明していきます。
「自意識」には、「私的自己意識」と「公的自己意識」の2種類があります。 「私的自己意識」は、他者から観察できない自己の感覚・感情・思考など内面に向けられる自己意識のことです。 「私的自己意識」は自分らしさや自分の意見や信念を優先します。 また、「今イライラしている」などと自分の感情をひとつひとつ意識していることです。 「公的自己意識」は、他者が観察できる自己の容姿や振る舞いなど外面に向けられる自己意識のことです。 「公的自己意識」は、周りからどのように見られているのか、と鏡に映る自分の姿を観たりカメラを向けられたときにどう映るか強く働く意識です。 日本人は礼儀や作法にも厳しく、周りからどう見られているかを気にして自分の言動や態度を調整する「公的自己意識」の強い人が多いと言われています。 また、ヒトは2歳前後に自己意識を獲得すると推測されています。 これは公的自己意識に相当するもの考えられ、私的自己意識が発達し自分の内的状態を表現できるのはもう少し後の時期と考えられています。
●自我 意味:自分自身に対する、各個人の意識・観念 「自我」は「じが」と読みます。 「自我」とは「自分に対する意識」という意味で、「自意識」と同義語です。 「自我」の対義語は「非我(ひが)」です。 例文
●自覚 意味:自分の状態・地位・任務・価値などをわきまえること、知ること 「自覚」は「じかく」と読みます 「自覚」とは「自分自身について、はっきりと知ること」を指します。 例文
●自己顕示 意味:自分の存在を目立たせ、他人の注意をひくこと 「自己顕示」は「じこけんじ」と読みます。 「自己顕示」は「自己顕示欲」という言葉でよく用いられます。 「自己顕示欲」とは「他人から注目されたい」という欲求のことです。 「自己顕示欲」と似た言葉に「承認欲求」があります。 「承認欲求」とは「他人から認められたい」という欲求を指します。 「自己顕示欲」は認められなくても注目さえしてもらえればよい欲求なので、「自己顕示欲」の方が低次な欲求といえます。 例文
●アイデンティティ 意味:他とはっきり区別される、ひとりの人間の個性 「アイデンティティ」は日本語では「自己同一性」といいます。 「アイデンティティ」とは「ある個体が別の個体から区別され、それ自身として一貫性を保持すること」を指します。
「自意識」は英語で「self-consciousness」といいます。 形容詞だと「self-conscious」になります。 「自意識過剰だ」という表現は、そのまま「too self-conscious」と言います。 「お前自意識過剰なんだよ」という感じで「うぬぼれるなよ」というニュアンスならば、「Don't flatter yourself」という表現を使います。「flatter」は「__を褒める」という他動詞です。 例文を見ていきましょう。
It is a sign that you're too self-conscious.
それはあなたが自意識過剰であるサインだね。
Don't flatter to think that I've been watching you. No way!
私があなたのことずっと見てた、なんて自惚れてるんじゃないよ。んなわけないでしょ。
自意識過剰の意味は「自分のことを意識しすぎること」です。 自分自身についての「自意識」が「過剰」になっている状態を指します。 具体的には、他人が自分のことをどう思っているのかがを気にしすぎて緊張したり不安になったりします。 よって、自意識過剰はネガティブな側面が多いです。 自分自身のことを意識すること自体は誰でもあることですが、自意識過剰になるとその度合が過度になるため、落ち着きがなかったり神経質になったりします。
「自意識過剰」と「自信過剰」の違いは、「自意識」が強いのか「自信」を持ちすぎているのか、です。 「自信過剰」とは、自信を多く持ちすぎていることです。 「自分を過大評価をしており、本来の実力や地位を見誤って過信していること」です。 それに対して「自意識過剰」は「他人が自分をどう見ているのかを気にしすぎている状態」です。 似た言葉ですが、意味は全く異なりますので注意しましょう。
「自意識過剰」とは周りからの目を気にしすぎてることです。 要するに、「他人が見た自分」に対する関心が高いんです。 常に周りから見られている気になってしまい「自分をもっと良く見せたい」「人前で失敗をして恥ずかしい思いをしたくない」という気持ち強くなってしまいます。 その結果、自分がどう思っているかといった自分自身の気持ちよりも、他人からどう見られるかを優先してしまいます。 一方で「自意識が高い」にはポジティブな面が多いです。 「自意識」とは自分自身に対する意識であり、自分の気持ちや考えを持っています。 「自分はこうありたい」「自分をこうしていきたい」といった理想や信念を持ち続けている状態が「自意識が高い」です。 近場のコンビニに行くときも身だしなみを整えたり、毎日運動を欠かさずやったりと、常に自分を向上させているのが「自意識が高い人」です。
●横柄(おうへい) 意味:偉そうな態度で人を見下す様子 自分より下だと思っている相手に対して、威張ったり、無遠慮な態度をとるといった人を見下した様子を「横柄」と表現することができます。悪い意味で使用される言葉です。 例文 「彼女はいつも横柄な態度をとっているから苦手だ」 「店員に横柄な人を見ると本当に不快な気持ちになる」 ●傲慢(ごうまん) 意味:調子づいて人を馬鹿にすること、人を見くびって礼を欠くこと 「傲慢」は自分よりも下の人物を馬鹿にしたり、自分が優れていると思い上がっている人を表す場合に使います。偉そうにしていて、人を見下すような態度や行動をすることを表します。 例文 「あの人は自分より立場が上の人には媚を売り、下の人には傲慢な態度で振る舞う」 「彼は他人を見下すことに何も感じない傲慢な男なので、人の気持ちを理解することはできないだろう」 ●自己顕示欲(じこけんじよく) 意味:自分の存在を周りにアピールしたいという欲求 「自己顕示欲」は「とにかく自分の存在をアピールしたい」という強い気持ちを言い表している言葉です。自分の発信していることに共感してもらえたり、認めてもらえなかったりしても、注目さえされれば欲求は満たされると考えられます。 例文 「SNSをむやみやたらに投稿をする人は、自己顕示欲が旺盛であるといてるでしょう」 「今の職に付く前の私は、自分の自己顕示欲をYouTubeを投稿することで満たしていた」 ●自己承認欲求 意味:自分で自分を認めたいと思う気持ち 自己啓発本を読んで意識を高めたり、高い技術を身につけるなど、自分自身を高めて満たす欲求のことです。「他者承認欲求」という言葉もあり、こちらは他人に認められたいと思う欲求のことです。 例文 「自己承認欲求を満たすのは、なかなか困難である」 「彼女は毎日ジムに通い、自炊をして、バリバリのキャリアウーマンなのに自己承認欲求が満たされていない」
自意識過剰の人はかなり自分に自信があります。 容姿が整っている、頭が良い、お金があるなど自分の能力や価値に過度な自信を持っています。 そのため自信のあるような態度で生活をしています。 自信自体はとても素敵なことです。自分自身を信じる力ですからね。 しかしその自信が行き過ぎて驕り高ぶっている人は自意識過剰な人でしょう。 ただ、自信がなくて自意識過剰になってしまう人もいます。(それについては原因で解説しています。)
周りからどう見られているのかを気にしすぎているタイプの自意識過剰さんは、あがり症です。 どんな場面でも強く緊張し、うまく話したり立ち振る舞ったりすることが出来ません。 社内の会議で発言する時ですら、上がってしまいます。 そして緊張していることやうまく話せないことを、周りが良く見ていないだろうと思いさらに緊張が増して頭の中が真っ白になったりしてしまいます。 他人の目がとにかく気になるので、どんなに練習を重ねたりしても人前に立つと緊張してしまいます。
顔の印象を大きく左右する「前髪」を常に整えようと手で空いたり横に流したりしている人は、「自意識過剰」な人に多いです。 「公的自己意識」が強く、周りから少しでも良く見られたいという気持ちが強くあります。 実際、前髪が少し乱れていようが、その人には変わりないので人の気持ちとやらは変わることはありません。 そこまで前髪が少しずれていようと気にしたり気付いたりする人は少ないです。 やたらめったら触っていると、せっかく手を洗っても髪に付着している外気や菌が手につくので気をつけましょう!
周りからの目を気にするのは悪いことではありませんが、自意識過剰な人は気にしすぎた故に「○○だとこう思われる」「○○だからこう言われる」などと、思い込みが激しくなります。 たまたま目が合っただけなのに「何か変な風に思われている」「あの人に好かれている」などと、思い込みます。 さらに周りの目が気になり、自分自身の容姿や言動に注意を払いすぎて思うままに振る舞えなくなってしまいます。
自意識過剰な人は、自分が常に中心であり、自分のことをよく思ってもらいたいがためによく自慢をします。 「自分だけ」や「人よりも」という気持ちが周りよりとても強いです。 そのため、自分の武勇伝や功績などを語り出します。 周りは「鬱陶しいな」と思っていてもそれが分かりません。 また、自慢じゃないにしても自分の話しばかりしている人は「私的自己意識」が高い自意識過剰です。
自撮り(写りが良いもののみ)をよく載せる人は、自意識過剰です。 周りから見られている自分が良く思われたいがために、良い写りの写真のみを載せます。 また、集合写真などでも、友達の目がつむっていたりとぼけた顔になっていたとしても気にせず自分の写りが良い写真だけを載せます。 そして、ポエム調の文章や、何があったのかは分からないけど傷付いていることを匂わせる人は「私的自己意識」がとても強いです。 自分の感情にしか意識がいかずに、それをアピールします。 どちらにせよ、芸能人などではない限り「自意識過剰だな」としか思われずさらに印象が悪くなるのでやめましょう!
身だしなみを整えることはマナーでもありますよね。 しかし自意識過剰な人は、整える回数が異常に多いことが特徴です。 定期検査のような感覚で頭のてっぺんから指先まで丁寧に確認をしていきます。 そのためトイレや休憩室で過ごす時間が長いです。 仕事やデート中など相手を待たせることに悪気がないことも特徴でしょう。 トイレから「お待たせ〜!」と上機嫌に出てくる人はかなりの確率で自意識過剰です!
男性も女性も髪型が気になることが最初の特徴です。 鏡を見るたびに髪を触っている人は自意識過剰と言えるでしょう。
などを入念にチェックします。 いつでも手直しできるように櫛やワックスなどを持参していることも特徴です。 中にはドライヤーやヘアアイロンをも持ち歩いている人もいるようですよ。
幼少期に失敗してしまったことを両親にひどく怒られていたりすると、「失敗することは悪いこと」という意識が強くなってしまい、人前で失敗することを恐れるようになってしまいます。 幼少期に植え付けられた意識はとても根強く、大人になっても大きな影響を及ぼします。 例えば
など、自分を否定されるような言い方を両親にされていると、「自分はダメな人間なんだ」と思いこんでしまい、周りからも「駄目な人間だと思われてしまうかもしれない」と思うようになってしまいます。
「自意識過剰」な人は、失敗やミスをして、周りにどう思われるかが気になりすぎてしまいます。 それがゆえ、失敗やミスを認められなくなってしまいます。 失敗やミスをしないことよりも、失敗やミスを素直に受け止め次に繋げられる人の方が、成長も早く周りからの印象も良いです。 これは「公的自己意識」の高さと「私的自己意識」の高さの両方があります。 周りから失敗やミスをどう見られるのかが気になり、またその失敗やミスにより自分自身が傷付いたり落ち込んだりすることを考えすぎてしまうためです。
過去に、陰口を言われたことのある人は自意識過剰になってしまいます。 特に、職場の人や友人など、普段仲良く関わっていた人に陰口を言われていたことを知ってしまうと「いつの間にか他人に嫌われてたんだ」「周りから普段どう見られていたんだろう」と気になってしまいます。 この誰かに陰口を言われるというのは、予防できるものではなく、思いもよらないところで起きます。避けきれなかったりするので誰にでも起こりうることです。 こういった経験をしてしまうと、自分自身に原因があるわけでも人がみんなそういうわけでもないことを分かっていても、また傷付くのではないかと誰のことも信じられなくなってしまい、自意識過剰になってしまいます。
トラウマって、人の考え方や行動に大きな制限をかけてしまうことがありますよね。 例えば、幼少期に狭いところに閉じ込められて怖い思いをした、という経験が暗い場所や狭い場所に対して苦手意識を抱く原因になることがあります。 人前で大きな恥をかいたり、周りから批判をされたりしたことによって、「嫌だな」「辛い」といった気持ちがトラウマになってしまうと、「同じ経験をしたくない」といった恐怖心から周りからの目が気になるようになります。 対人関係のトラウマって、一度抱えるとなかなか消せないのが厄介です。
自己肯定感の低さが原因で自意識過剰になる人もいます。 自己肯定感とはありのままの自分を受け入れたり認めたりする気持ちのことです。 そのままの自分を受け入れられないと、人に気に入られようとして「良い」自分を演じることになります。 ありのままの自分の姿を認められると、周りの人の目が気になることはありません。 しかし自意識過剰な人は自分を認めることができずに周りの人の評価や声を頼りに生きています。 そのため常に他人が持つ意識を気にしすぎているのです。
周りからの目を気にしたり、常に自分を意識したりと「自意識過剰」な人は「自信がない人」が多いです。 「自意識過剰=ナルシスト」と、自信のある人をイメージする人も多いかと思いますが、実際は自信がなかったり常に不安を抱えている人が多いです。 正直、そこまで人は他人を気にしていません。 周りからの評価を気にしすぎて、本来の自分の良さを見失い自信がなくなってしまう人が多くいます。 人間は千差万別です。 自分らしさや個性を大切にしましょう。 自信過剰になる必要はありませんが、周りを気にしすぎて自己評価を下げるのはやめましょう!
自意識過剰になる原因に自己肯定感が低いということをご紹介しました。 自意識過剰を克服するためには、まず自己肯定感を高めることがとても大切です。 自己肯定感を高める方法として、ありのままの自分を受けいれることから始めましょう。 例え自分で性格や外見に自信がなかったとしてもそれがあなたの本当の姿です。 いくら背を向けてもその事実が変わることはありません。 自分で好きな部分も嫌いな部分も全て「あなた」ですので優しく受け止める広い器を持ちましょう。
ひとまず、どんなこともいったん受け入れることが大切です。 例えば仕事など、相手の提案や意見が自分の意見や考えと違ったり、進めていた仕事が予想していなかった展開になってくると、だんだん怖くなってきてしまいますよね。そして周りから自分のせいだと思われたらどうしよう、と思ってしまいます。 しかし、そこでパニクってしまうのではなく、一度状況を受け入れて冷静になること。 必ず解決できるはずですし、他人と違うことでどうしようと焦る必要もありません。 また、傷付けられるようなことがあったり悲しいことがあっても、一度受け入れるようにしましょう。思ったままにです。傷付かないように、自分を守るようにアレコレ考えていてはいつまでも自分の素直な気持ちにフタをし続けてしまいます。まずは自分だけでも素直な気持ちのまま出来事を受け入れてみましょう。
意識で一番変えてほしいことが「他人を気にしない」という点です。 他人の思いなどは関係ないです。あなたはあなたの人生を好きなように生きればそれでいいのです。 そのため「他人がどう思うか」「嫌われたくない」なんて思う必要はありません。 あなたがどうしたいか、どうなりたいかだけに焦点を当てて見てください。 まずは自分の気持ちを第一に考えましょう。
「他人がどう思うか」と考えることを止めましょう。 「他人に良く思われたい」という考えであなたが行動しないと成長もできません。 実際、あなたが思っている以上に他人は気にしていないことがほとんどです。 「変人だと思われたらどうしよう」「失敗しているところを見られたらどうしよう」などの余計な考えは時間とエネルギーの無駄です。 いくらそのように考えたとしても、あなたのことを変人だと思う人は必ずいます。 そしてその変な部分を変えたら、その変わったあなたを今度は違う人が変だと思うかもしれません。 100%周りの人から認められることは、誰も出来ません。 そう思えば「じゃあ自分がいいと思える自分でいるのがいいな」と思えてくるでしょう。
自己肯定感を高めるもう一つの方法が比較をやめることです。 人と比べることで人間は優越感に浸ったり、逆に劣等感を味わったりするのです。 自意識過剰な人は「比較」を通して基本的に自分の存在を否定的に捉える傾向があります。 周りの人と比べることをやめましょう。そもそも比べる対象ではありません。 そして忘れてはいけないのが、過去の自分との比較も頻繁には行わないということです。 過去の自分と比べて「まったく成長していない」「痩せていない」などと否定的な考えを持つとさらに自己肯定感は低くなってしまうからです
物事が上手くいなかったり、周りから嫌なことを言われるとついつい感情が先走ってしまいますよね。 しかしその感情を一瞬ぐっと抑えることで感情を上手くコントロールできるようになります。 感情を上手くコントロールできるようになると、物事を冷静に見ることができます。 どのように感情をコントロールしているかは人によってそれぞれかと思いますが、まずあなたに実践していただきたいのが「3秒ルール」です。 感情が高まるようなことがあっても、心の中で3秒数えながらその感情をぐっとこらえます。 すると不思議なことに感情が落ち着くのです。声に出して数を数えても良いかもしれません!
「完璧」を目指すことは良いことであり、悪いことではありません。 しかし、時には「ま、いいか♪」と妥協してもいいんだということを知るべきです。 そうすることで、1000倍くらい生きやすくなるはず。 もちろん、妥協するべきではないという時もあります。 「ここは妥協してもいいな」という加減を知るということが大切であると言えるでしょう。 そうすることで、過剰に色々なことを心配して自意識過剰になってしまうことがなくなります。
「自意識」について理解できたでしょうか? ✔自分自身がどうであるか、どう思われているかについての意識のこと ✔公的自己意識と私的自己意識の2種類がある ✔自意識過剰には注意 程よい自意識を保ち素直に自分らしさを楽しみましょう!