自分が悩んでいたり、相手を心配するときによく使用するのが「心労」という言葉です。「心労」は「精神的に疲れていること」を表しています。「心労」を使用する際には、相手に対して失礼のないよう、しっかり気持ちが伝わるように使いたいものです。そこで今回は「心労」の意味や使い方を、例文を交えながら解説していきます。
「心労(しんろう)」の意味は、 ◯あれこれ心配して心を使うこと・思いわずらうこと・心遣い・心配 ◯また、それによる精神的な疲れ・心の疲れ になります。 「心」は音読みだと「シン」、訓読みだと「こころ」と読みます。 「心」は「人間の理性・知識・感情・意志などの働きのもとになるもの」を意味しています。 「労」は音読みだと「ロウ」、訓読みだと「ねぎらう」「いたわる」「つかれる」と読みます。 「労」は「心やからだを使ってそのことに努めること」「ほねおり」「苦労」を意味しています。 つまり「心労」は、気に病んでいる様子・精神的に苦労している様子・心配や悩みが多い状態を表しています。 「心労」は、ただの悩みや心配ではなく、精神的な心配事・気がかりなどを意味しているので、重い印象の言葉になります。
「心労」は基本的に他人に対して使用する言葉です。 「心労」は、少々堅い言葉のため、自分に状態に対して使用すると大袈裟な、仰々しい印象を与えてしまうため、他人に対して使用することが一般的になります。 「心労」は、「心配」「悩み」といった言葉よりも重い症状を表す言葉です。 「心労」は苦悩していたり、精神的に苦労している状態の人に対して使うため、使用する場合は相手の胸中を考え慎重に使う必要があります。 「心労」を目上の人に使用する場合は、尊敬を表す接頭語「ご」をつけて「ご心労」とします。 「ご心労」は、他人の心労を推察して使用する言葉です。 例えば「ご心労をお察しします」と言った場合は、「その人の精神的な疲れを思いやること・同情する」といった意味合いになります。 「ご心労」は、基本的には手紙やメールなど書き言葉として使用することが多いですが、日常会話でも、思いやりの気持ちを表すために使用することが多いです。
「気苦労(きぐろう)」は、「あれこれと気を使って、精神的に疲れること」を意味しています。 「気」は音読みだと「キ」、訓読みだと「イキ」と読みます。 「気」は「生命・意識・心などの状態や働き」を意味しています。 「苦」は音読みだと「ク」、訓読みだと「くるしむ」と読みます。 「苦」は「心身に辛く感じること」「くるしみ」を意味しています。 「労」は音読みだと「ロウ」、訓読みだと「ねぎらう」「いたわる」「つかれる」と読みます。 「労」は「心やからだを使ってそのことに努めること」「ほねおり」「苦労」を意味しています。 また「苦労」は、「精神的・肉体的に力を尽くし、苦しい思いをすること」を意味しています。 「気苦労」は「心労」とほぼ同じ意味で、「気苦労が絶えない」「気苦労をかける」といったように使います。「気苦労」は、ビジネスシーンでも日常会話でもよく使われます。
「気疲れ」は、「心遣いや緊張などのため、精神的に疲れること」を意味しています。 「気」は音読みだと「キ」、訓読みだと「イキ」と読みます。 「気」は「生命・意識・心などの状態や働き」を意味しています。 「疲」は音読みだと「ヒ」、訓読みだと「つかれる」と読みます。 「疲」は「体力や気力がなくなりぐったりすること」を意味しています。 「気疲れ」は、肉体的・体力的な疲労ではなく、あくまでも精神的に疲れや負担を感じたときに使用する言葉です。「気疲れ」は「心労」よりも軽い症状を表しています。
「心痛」は、「心配して深く思い苦しむこと」「胸が痛くなること」を意味しています。 「心」は音読みだと「シン」、訓読みだと「こころ」と読みます。 「心」は「人間の理性・知識・感情・意志などの働きのもとになるもの」を意味しています。 「痛」は音読みだと「ツウ」、訓読みだと「いたい」と読みます。 「痛」は「体がいたむ」「心がいたむ」「悲しみこと」を意味しています。 「心痛」は「ご心痛の深さお察しいたします」といったように、お悔やみの言葉として使用することが多いです。「心痛」に尊敬を表す接頭語「ご」を付けて「ご心痛」とすると、敬語表現になります。
「憂慮(ゆうりょ)」は、「心配すること」「不安に思うこと」を意味しています。 「憂」は音読みだと「ユウ」、訓読みだと「うれい」と読みます。 「憂」は「物思いに沈む」「心配事」を意味しています。 「慮」は音読みだと「リョ」、訓読みだと「おもんぱかる」と読みます。 「慮」は「あれこれと思い巡らす」「考え」を意味しています。 「憂慮」は、「あれこれと思い巡らして不安になる」というニュアンスになるので、少しの不安という程度ではなく、十分な危機感があり不安に思うことを表します。
「ストレス」は、「寒冷・外傷・精神的ショックなどによって起こる精神的緊張や生体内の非特異的な防衛反応。また、その要因となる刺激や状況」「精神的緊張」を意味しています。 「ストレス」は、「ストレスを感じる」「ストレスを解消する」といったように日常会話で使われることが多い言葉です。 「ストレス」と「心労」は非常に似ている言葉です。 「ストレス」は、「何らかの刺激による心や体の状態」を表していて、すぐ立ち直れる軽度のものから重度のものまで幅広く存在します。一方で「心労」は「症状が重く、精神的に影響が出るほどの疲れ」を表しています。 「ストレスで心労」といった場合は、何らかの刺激が原因で「精神的な疲れ」が溜まってしまったことを意味しています。
「気に病む」は、「心にかけて気をもむ」「心配すること」を意味しています。 「気」は音読みだと「キ」、訓読みだと「イキ」と読みます。 「気」は「生命・意識・心などの状態や働き」を意味しています。 「病」は音読みだと「ビョウ」、訓読みだと「やまい」「やむ」と読みます。 「病」は「患い」「気がかり」「心配」を意味しています。 「心が病む」「精神的に病む」という言葉あるように、「病む」は、心を悩ますことを表しています。 「気に病む」は、特に心配する必要がないのに、考えすぎてしまう場合などに使用します。
「心を痛める」は、「あれこれと心配をする」「心を悩ます」を意味しています。 主に「心を痛める」は、「心配する」というニュアンスが強い言葉になります。 上記で紹介した「心痛」と似ていますが、「心痛」と違い「心を痛める」は日常会話でもよく使われます。
「思い煩う(おもいわずらう)」は、「あれこれと考えて悩むこと」を意味しています。 「煩」は音読みだと「ハン」「ボン」、訓読みだと「わずらう」と読みます。 「煩」は「事が多くてうるさい」「思い悩む」を意味しています。 「煩う」は、「あれこれと心をいためること」「うまくいかないで苦労すること」を意味しています。 つまり「思い煩う」は、「あれこれと悩んでいること苦労すること」を表しています。
「心配・心遣い」は英語で「worry」「anxiety」を使います。 「心配で精神的に疲れる」は「be overcome with worry」と表現できます。「overcome」は「(感情・疲労などが)打ちのめす」の受け身である過去分詞形の「overcome」になります。overcome-overcame-overcome と活用します。 もっとシンプルに「be tired from anxiety」と表現しても通じます。
I was overcome with worry and finally ended up being hospitalized.
私は心労がたたり、最終的に入院することになった。
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「心労」について理解できたでしょうか? ✔︎「心労」は、「あれこれ心配して心を使うこと。また、それによる精神的な疲れ」を意味している ✔︎ 目上の人に対して使用する場合は、尊敬を表す接頭語「ご」を付けて「ご心労」とする ✔︎「心労」は、「心労が重なる」「心労が募る」などと使う ✔︎「心労」の類語には、「気疲れ」「気苦労」などがある