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「粛々(しゅくしゅく)」の意味は?「粛々と」の使い方、類語や対義語、英語も紹介!

「粛々」という言葉をご存知ですか?「粛々と〜をする」というような形で耳にすることがあるかもしれませんが、どんな様子か説明することができますか?今回は、「粛々」の正しい意味とよく使う言い回しを例文つきで解説します。また、「淡々」と「黙々」など類語の違いや英語豹変も紹介しますので参考にしてください。

「粛々」の読み方と意味

「粛々」の読み方は「しゅくしゅく」

 「粛々と」の読み方は「しゅくしゅくと」です。 「粛々」は、「粛」という感じを二つ重ねた言葉です。 「粛」は、音読みで「しゅく」訓読みで「つつしむ」と読みます。 「粛」には「つつしむ・おごそか・身をひきしめる」という意味があります。

「粛々」の意味は「静かでおごそこなさま」

「粛々」の意味は「静かでおごそかなさま」です。 「粛々」は、「つつしむ・おごそか・身をひきしめる」という意味のある漢字を重ねて意味を強調している言葉です。 「静かに物事をおこなう様子」や、「身を引き締めて厳しく」というニュアンスがあります。 また、そのような様子を「粛々と〜をする」というように言い表します。 例えば、お祭りのような騒がしい行事は「粛々を行う」ということは誤用になります。 「ひっそりと」「厳かにおこなうこと」を「しゅくしゅく」といいます。

「粛々」の使い方

「粛々」は場面や人の姿勢に対して使う

「粛々」は場面や人の姿勢に対して使う言葉です。 「粛々と」は例えば、お葬式や結婚式といった冠婚葬祭など、格式や礼法、作法に従って身を引き締めて執り行われる場面に使用されます。 つまり、わかりやすく表現すると、「とても真剣に厳しい姿勢で対応している」ということです。 そういった場面を「粛々としている」「粛々と~をする」というように言い表します。

「粛々」は上から目線に感じられることもあるため注意

本来は、「上から目線」という意味はありませんが、政党が世論の反対意見に耳を傾けずに政策を行っていくという場面で使用される言葉である為、マイナスな印象を与えてしまう可能性があります。 意図する意味合いと違う受け取り方をされない為にも、ビジネスシーンでは「粛々と」よりも「淡々と」を使うほうが良いでしょう

「粛々」を用いた四字熟語は「鞭声粛粛(べんせいしゅくしゅく)」

「粛々」を用いた四字熟語の「鞭声粛々」があります。 「鞭声粛々」は、「べんせいしゅくしゅく」と読みます。 「鞭声」は、「馬にむちを打つ音」つまり「むちの音」という意味があり、「粛々」は「静かに」という意味のある言葉です。 つまり、「鞭声粛々」は「相手に気づかれないように静かに馬に鞭を打つ様子」を表した言葉です。 武田信玄が敵に気づかれないように馬に鞭をあてて千曲川を渡った様子を「鞭声粛粛河を渡る」といった頼山陽の詩句が有名です。

「粛々」の例文

「粛々とした」は「ひっそりとした」

「粛々とした」は、「ひっそりとした」というニュアンスで使用される言い回しです。 静かにひっそりとしている様子や、静かに慎んだ様子を「粛々とした」という言葉を使用していい表すことができます。 例えば、「粛々とした対応」というのは、「静かに厳かな様子の対応」といった意味合いになります。

例文 「彼女は粛々とした声色で最後のお別れの言葉を述べました」 「粛々とした雰囲気の中、子供が騒ぎはじめてしまったので一時退席させてもらった」

「粛々と進める」は本来「身を引き締めて物事を進める」

「粛々を進める」は、本来「身を引き締めて物事を進める」という意味で使用される言葉です。 例えば、「彼は粛々と仕事をする」という使い方した場合、「彼は真摯に仕事をする」というような、真面目で熱心に仕事に取り組む様子を言い表した文章になります。 政治家の世界では、反対意見など意見がまとまらないという場面で、「厳かに進めさせていただきます」という意味で「今回の件は粛々と進ませていただきます」というように使用していたことにより、裏を返して「 意見は聞かずに事務的に進める」といった意味合いが含まれることもあります。 つまり、「反対意見は無視して推し進めます」というニュアンスです。 しかし、本来は「厳かに、真面目に物事を進める」という意味で使用される言葉です。

例文 「今回の件については、皆様の意見を真摯に受け止め粛々と進めさせていただきます」 「彼は昔からどんなことがあっても業務を粛々と進める人だ」 「医学の分野で新たな発見があり、その次代の学者たちは研究を粛々と進めていた」

「粛々と対応」は様々な意見や批判があっても冷静に対応をすること

「粛々と対応」は、「様々な意見や批判があっても冷静に対応すること」を意味している言い回しです。 「粛々と〜をする」というような使い方をした場合、「冷静に」「平常心で」「不動」というような意味合いが含んだ意味合いで使用されることがほとんどです。 つまり、「粛々と対応する」とはつまり、「ひっそりと厳かに対応する」というようりは、「冷静に対応する」というニュアンスが強いと言われています。 例えば、「クレームの対応を粛々をする」というように「冷静に対応すること」を「粛々と対応する」と言い表すことができます。

例文 「お客様からどんなクレームを言われても粛々と対応することを心がけてください」 「様々な意見をお聞かせいただきありがとうございます、この件に関しましては粛々を対応させていただき」 「彼は学級委員長として、クラスメイトに対し、常に粛々と対応をしていました」

「粛々と仕事をする」は冷静に最後まで仕事をする

「粛々と仕事をする」は冷静に最後まで仕事をするというような様子を言い表した言い回しです。 上述しているように、「粛々と〜をする」というような使い方をした場合、「冷静に」「平常心で」「不動」というような意味合いが含んだ意味合いで使用されることがほとんどである為、この場合の「粛々と」は、「冷静に」というニュアンスで使用されていることがわかります。 どんな状況下でも平常心で仕事をする姿勢を「粛々と」と言い表しています。

例文 「彼は、粛々と仕事をする姿勢が評価されています」 「イレギュラーなことが起きても粛々と仕事をすることを心がけている」

「粛々と」「淡々と」「黙々と」の違い

▶「粛々と」・・・「静かでおごそこなさま」 ▶「淡々と」・・・「あっさりして淡泊なさま」 ▶「黙々と」・・・「黙って何かをし続けるさま」

「粛々と」「淡々と」「黙々と」をそれぞれ使用した例文で比べてみると、 「作業は粛々と進められた」とすると、「身を引き締めて行わていく様子」 「作業が淡々と進められた」とすると、「感情の起伏なしにあっさりと行われていく様子」 「作業が黙々と進められた」とすると、「ただ黙って作業に精をだす様子」 となります。 「粛々と〜」が、真摯に向き合って身を引き締めて〜をする、冷静に〜をするというニュアンスがあるのに対して、感情の起伏関係なしにあっさりと〜をするという状態を言い表しているのが「淡々と」という言葉です。 「黙々と」は、ただひたすら黙ってなにかに打ちこむ姿を表現しています。

「淡々と」と「粛々と」の意味の違いと使い分け

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「淡々と」の意味は「あっさりして淡泊なさま」

「淡々と」は、「たんたんと」と読みます。 「淡」は、音読みで「たん」訓読みで「あわい」と読みます。 「淡」という漢字には「あわい・色味などが薄い」という意味の他に「気持ちがさっぱりしている・こだわらない」という意味があります。 「淡々と」の意味は「あっさりして淡泊なさま」です。 「淡」という漢字は上記でも説明した通り、「気持ちがさっぱりしている・こだわらない」という意味がある漢字で、「淡々と」は同じ漢字を二つ重ねることでその意味を強調している言葉です。 あっさりと、しつこさやこだわりのないような様を「淡々と」といいます。 「淡々と」は人の様子に対して使う言葉で、「冷静で無駄のない話し方・落ち着いている態度」という意味合いで使用されます。 例えば、「淡々と話す」は良く使われている言い回しですが、「淡々と話す」は「落ち着いていて、言葉に無駄がなく話す」というような意味合いになります。 感情の起伏があまり見えない様子ということです。 このように、「淡々と」は人の態度や様子に使用されます。

「黙々と」の意味は「黙って何かをし続けるさま」

「黙々と」は、「もくもくと」と読みます。 「黙」は、音読みで「モク」訓読みで「だまる」と読みます。 「黙」には「だまる」「口をつむぐ」という意味があります。 「黙々」は、「だまる」という同じ意味の言葉を重ねて使用し意味を強調している言葉で、黙って何かをし続ける様を表しています。 例えば、「黙々と箸を口に運んだ」とすると、「黙って集中して食事をする様子」を意味している文章になります。 このように、「黙々と」は「黙々と〜をする」というような人の態度や様子を言い表している言葉です。

例文 「彼には、工場のライン作業のような黙々を仕事をする業種が向いていると思います」 「黙々と仕事をし続け、気がつけば日付が変わろうとしていた」 「大量のタスクを黙々とこなしていき、1日の終わりに達成感を感じる」

「粛々」の類語

静粛

「静粛」は「せいしゅく」と読みます。 「静」は、音読みで「セイ・ジョウ」訓読みで「しずか」と読みます。 「静」には、「しずめる・しずまる・じっとして動かない」という意味があります。 「粛」は、音読みで「シュク」とよみます。 「粛」は「つつしむ・おごそか・身をひきしめる」という意味がある言葉です。 「静粛」は、「しずかに」という意味のある言葉と「つつしむ・おごそかに」という意味のある言葉を組み合わせた言葉で、「静かにして、慎んでいること」という意味になります。 「ひっそりと静まりかえっている」という様子を「静粛」といいます。

例文 「校長先生は騒ぐ生徒たちを前に、静粛に!と呼びかけ黙らせた」 「受験会場の静粛な空気に緊張し、実力を発揮することができなかった」 「批判の声が飛び交うなか、社長は静粛を求めて今回の件に関する事情を説明しはじめた」

密やか

「密やか」は「ひそやか」と読みます。 「密」は音読みで「ヒ」訓読みで「ひめる」と読みます。 「密」には「ひめる・かくす」「ひとに見せない」という意味があります。 「密やかに」の意味は「ひっそりと物静かなさま」です。 「人に知られないようにそっと行うさま」を「密やかに」といいます。

例文 「彼の幸せを遠くから密やかに祈りながら生活している」 「結婚記念日を密やかに二人だけで祝った」 「実は密やかに新しいプロジェクトがスタートしていることはまだほとんどの社員には知られていない」

ひっそり

「ひっそり」の意味は「物音や人声がしない静かなさま」です。 「物音がしないような場所」や「あまり目立たない」というような様子を「ひっそりとした〜」と表現することができます。 「こっそり」という言葉ととてもよく似ている表現ですが、「こっそり」は「人に知られないようにひそかに物事をするさま」を言い表した言葉となる為、「あえて人の知られないようにしている」という点で「ひっそり」とは若干ニュアンスが違うものになります。

例文 「ひっそりとした夜道を女性1人で歩くのは危険です」 「あの家はいつしかひっそりとしていて人の住んでいる気配がなくなった」 「ひっそりと生活すると決めてから遊びに出歩かなくなった」

おごそか

「おごそか」は漢字で「厳か」と表記します。 「厳」は、音読みで「ゲン・ゴン」訓読みで「おごそか」と読みます。 「厳」には「きびしい・はげしい」「おごそか・いかめしい」という意味があります。 「厳か」の意味は「重々しくいかめしい様」です。 「いかめしい」とは、「人に怖い感じを与えるような、威圧的な様子」を言い表した言葉です。

例文 「厳かに審査結果が行われた結果、3名の合格者が決定いたしました!」 「披露宴は厳かに行われました」 「部長の厳かな雰囲気に近寄りがたさを感じできるだけ避けて仕事をしていた」

「粛々」の反対語

騒々しい

「騒々しい」は「そうぞうしい」と読みます。 「騒」は、音読みで「ソウ」訓読みで「さわぐ」と読みます。 「騒」には「さわぐ・さわがしい」という意味があります。 「騒がしい」という意味の言葉を重ねて意味を強調している言葉だということがわかります。 「騒々しい」とは「声や音が大きくざわざわしている様子」のことです。

例文 「外が騒々しいので窓を除くと、家の前で事故が起きていたようだった」 「我が家は子供が多く騒々しい毎日を送っています」 「家族の騒々しい物音で勉強ができる状況ではなかったのでいつも図書館へ行っていました」

賑やか

「賑やか」は、「にぎやか」と読みます。 「賑」は音読みで「シン」訓読みで「にぎわう・にぎやか」と読みます。 「賑」には「にぎわう・にぎわい」という意味があります。 「賑やか」は「人などが多く集まって活気のある様」を言い表した言葉です。 物音や人声などが盛んに聞こえるさまを「賑やか」といいます。

例文 「公園からは賑やかな子供たちの声が聞こえてきいた」 「田舎とは違う東京の人で溢れ賑やかな町並みにはまだ慣れない」 「新しい建物がどんどん建設されはじめ、だんだん賑やかになってきた」

軽々しい

「軽々しい」は「かるがるしい」と読みます。 「軽」は、音読みで「ケイ」訓読みで「かるい・かろやか」と読みます。 「軽」には「かるい」「かろやか」という意味のある言葉です。 「軽々しい」は「かるい」という意味の言葉をの重ねて使用し、意味を強調しています。 「軽々しい」の意味は、「よく考えずに物事をするさま」を言い表した言葉です。

例文 「他人の個人情報は軽々しく第三者に伝えていいものではありません」 「他の誰もができなかったことを、彼は軽々しくやってもけた」 「守れない約束は軽々しくするものではないよ」

「粛々」の英語

「silently」「solemnly」

「粛々」の英語は「silently」「solemnly」などになります。 「in solemn silence」で「厳かに、静粛に」になります。

A funeral procession took place in solemn silence.

粛々と葬送が行われた。

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まとめ

「粛々」の意味を理解していただけたでしょうか? ✓「粛々」は「しゅくしゅく」と読む ✓「粛々」の意味は「静かでおごそこなさま」 ✓「粛々」は場面や人の姿勢に対して使う言葉である ✓「粛々」は上から目線に感じられることもあるため注意が必要 など

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