「併せて」という言葉をご存知でしょうか。「併せてお願いいたします」「併せてご確認ください」などと使われています。では、「併せて」の意味についてしっかりと理解しているでしょうか。「併せて」はビジネスメールなどにおいて使われることが多い言葉です。また「合わせて」と混同されることが多いですが、何か違いはあるのでしょうか。そこで今回は「併せて」の意味や使い方、「合わせて」との違い、類語について解説していきます。正しく覚えて、上手く使えるようにしましょう!
「併せて」は「あわせて」と読みます。 「併」は音読みで「ヘイ」、訓読みで「あわせる・ならぶ・しかし」と読みます。 「併」は「ならぶこと、一つにすること」を意味します。 「併せて」は常用漢字です。
「併せて」の意味は「同時に」です。 「それと一緒に、それと並んで」という意味で、ある物事に加えて何かを行うことを表します。 「〜と併せて...」という形ではなく、「併せて◯◯申し上げます」の形で接続詞的に使います。
公用文での「併せて」の意味は「並列して」です。 並行してある物事とある物事を進めることを表しています。 例えば、「資料の作成と確認を併せてお願いします」ならば「資料の作成と確認を同時に進めてほしい」という意味になります。このように、異なるもの同士を並行するという際は「併せて」を使います。
「併せてお願い申し上げます」は「同時に、お願いをさせていただきます」という意味です。 「併せて」は、ビジネスメールである要件に追加で別の要件を述べるときに使います。 例えば、お礼を述べた後に、依頼を付け足したい場合は、「先日はどうもありがとうございました。◯◯の件のご検討を併せてお願い申し上げます」と言えます。 これは先日のお礼を述べた後に、追加である物事をお願いしています。このように何かお願いを付け足したい場合は「併せてお願い申し上げます」を使います。
例文
「併せて御礼申し上げます」は「同時に、お礼を言わさせていただきます」という意味です。 「申し上げる」は「言う」の謙譲語です。 相手に対して感謝の気持ちを表す表現となります。「併せて御礼申し上げます」は、ビジネスメールである要件に追加で別の物事についてのお礼を述べたい場合に使います。 例えば、関係ないことを話題にしておきながら、別のお礼を付け足す場合に「併せて御礼申し上げます」を用います。
例文
「併せてお詫び申し上げます」は「同時に、お詫びを言わさせていただきます」という意味になります。 「相手に対して申し訳なく思っている」という気持ちが含まれているので、謝罪の表現として使います。 「併せてお詫び申し上げます」を使う場合は、前に謝罪する内容について述べます。例えば、「先日は私の不手際により、ご迷惑をおかけいたしました。深く反省しております。併せてお詫び申し上げます」などと言います。 また、要件を述べた後で、全く別のことをお詫びする場合にも使います。
例文
「併せてご確認ください」は「同時に、確認してください」という意味です。 例えば、「資料をお送りしました。併せてご確認ください」と言えます。これは「資料を送ったこと」と「確認してほしいこと」を表しています。 このように、ある物事と同時に確認をしてほしいということを表す場合に「併せてご確認ください」を使います。
例文
「併せてご連絡いたします」は「同時に、連絡します」という意味です。 例えば、「検査の結果がわかりました。併せてご連絡いたします」と言えます。これは「検査の結果がわかったこと」と「そのことについて連絡すること」を相手に伝えています。 このように、ある物事と同時にこちらから連絡をするということを表す場合に「併せてご連絡いたします」を使います。
例文
「併せてご利用ください」は「同時に、利用してください」という意味です。 例えば、あるサービスを利用している人に向けて「新しいサービスも利用可能です。併せてご利用ください」と言えます。これは「今利用しているサービス以外にも、新しいサービスを使うことができます」という意味になります。 ある物事に加えて、他のことも利用してもらいたいことを表す場合に「併せてご利用ください」を使います。
例文
「合わせて」は「複数あるものを一つにまとめること、二つ以上のものをくっつけること」を意味します。 いくつかあるものを一つにまとめたり、基準となる物事と一致することを表す場合に「合わせて」を使います。 例えば、「私が買ったものと妹が買ったものは合わせて一万円だった」と使います。これは「私が買ったものと妹が買ったものを一つにまとめると、一万円になる」という意味になります。 他にも、「シャツとスカートを合わせる」「スケジュールを合わせる」「時間を合わせる」などと使うことができます。
例文
「併せて」か「合わせて」か迷ったときには、ひらがな表記「あわせて」を使いましょう。 公式な文章でない限り、ひらがな表記で書いたからといって、問題はありません。
「併せて」は常用漢字ではありますが、訓読みで使われることは少なく、読みにくいと感じる人もいます。 意味的には「合わせて」ではなく「併せて」のみが正しい場合でも、分かりやすくするために「あわせて」と記入される場合もあります。
「重ねて」は「かさねて」と読みます。 「重ねて」は「同じことを繰り返すさま」という意味です。 同じ行いや状態をもう一度繰り返すことを表します。 「重ねてお願い」ならば「もう一度お願いをすること」を意味します。一度メールなどでお願いしたことを再度お願いする場合に用います。 「併せてお願い」ならば「あることに追加してお願いをすること」を意味します。ある要件を伝えた後で、全く関係のないことをお願いする場合に用います。
例文
「それとともに」は「その物事と一緒に、同時に」という意味です。 「とともに」は「ある物事と同時である物事を行うこと」を表します。 例えば、「お店のメニューを少なくした。それとともにお客さんが減ってしまった」と言えます。これは「お店のメニューを少なくなったと同時に、お客さんが減ってしまったこと」を意味します。 このように、「それとともに」はある物事と同時に何かが起きたことを表す場合に使うのが適します。
例文
「ついでに」は「ある物事を行う機会を利用して、それには関係のない物事をすること」を意味します。 「ついで」は「ある物事をする上でよい機会」を意味します。「ついでに」は漢字で表すと「序でに」となります。 例えば、「犬の散歩に行くついでに、家の近くにある酒屋に寄ってお酒を買おう」と言えます。これは「散歩に行く時に、酒屋でお酒を買う」という意味になります。 「ついでに」は「よい機会だから他のことも済ませよう」という意味合いになります。
例文
「傍ら」は「かたわら」と読みます。 「傍ら」の意味は「ある物事を行いながら、ある物事をする一方で」です。 例えば、「学校に通っている、傍ら芸能活動をしている」と言えます。これは「学校に通っている一方で、芸能活動をしている」という意味になります。 このように、「ある物事と並行してそれとは別の物事を行うこと」を表す場合に「傍ら」を使います。 「傍ら」には「傍のソファでくつろぐ」などと使われているように、「あるもののそば、近くに」という意味も含まれます。
例文
「併せて」の英語は「and」「at the same time」になります。
I'm going to pay a visit and ask you a favor.
ご挨拶かたがた併せてお願いに上がるつもりです。
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「併せて」について理解できたでしょうか? ✔︎「併せて」は「あわせて」と読む ✔︎「併せて」は「ある物事に加えて何か別の物事をすること」を意味する ✔︎「併せてお願い申し上げます」「併せてご確認ください」などと使う ✔︎「併せて」の類語には、「それとともに」「ついでに」「傍ら」などがある