「殊勝な心がけだ」とは、「健気な様子」を表していることはご存知ですか? 「勝つ」といった字が入っていますが、「勝利」を意味する言葉ではありません。 今回はそんな「殊勝」について詳しく説明していきます。 意味や語源を解説し、例文つきで使い方を説明します! さらに、類語や英語表現も紹介します。 ぜひ、正しい日本語を覚えておきましょう!
「殊勝」は<しゅしょう>と読みます。 意味は ①「特に優れていること、非常に立派なこと、格別」 ②「神々しいこと、おごそかであること、心打たれること、そのさま」 ③「心がけがしっかりしていること、健気なさま、感心なさま」 ④「もっともらしいさま、とってつけたような様子」 と、広くあります。 どの意味もよく似ており、主に人の様子や態度が良いことを指します。
「殊勝」の漢字それぞれの意味と語源を説明していきます。 「殊」という字、実は「殺す、断つ、死ぬ」といった意味を持ちます。 字源はなんと「死体」と「株」の組み合わせで、「真っ二つに切り殺す(死罪)」といった漢字なのです。びっくりするような意味の漢字ですね。 しかし、その意味から「異なるものになる」といった意味に転じました。 その「異なる」といったところから「普通と異なる」「特別な、優れている」といった意味にもなりました。 「勝」は「勝つ、まさる、耐える」といった意味を持つ漢字です。 字源が「大きな器に物を入れる」と「両手で支える」と「農具」の漢字の組み合わせで「大きな器に入れた奉げ物を両手で支え、農具を祀る(まつる)」といった意味があります。 それが転じ「耐える、力がある」といった意味になりました。 そして、「神意にかなう」という意味があることから「利を得る=勝つ」という意味になりました。 二つを合わせると、「人とは異なり勝る」といった意味になり、「他よりも優れ勝っている」ことを表す漢字になりました。 そして、「殊勝」は「行いが優れている」といった意味で仏教用語として使われていました。 仏教の意味する「特に優れている」とは、「謙虚」を根底に置いた、現行の「心がけ・行いなどが、けなげで感心なこと」になります。 そのことから「心がけがしっかりしていること、けなげなさま、関心なさま」の意味も持つようになりました。
「殊勝」にはさまざまな意味がありますが、同じように使われています。 また、一言で表せられないような「優れている様子・健気な様子」を表す言葉としても用いられています。 漢字のイメージから、「強い・勝つ」といった意味ではないかと思いがちですが、語源からも分かるように謙虚で優れている様子ですので、「大和撫子」のような日本人らしさもニュアンスに含まれています。 その中でも、多くの人が「殊勝」の意味として把握しているのは「健気な様子、感心なこと」です。 そのため、「殊勝」といった言葉が文書や会話で出てきた場合は、文脈からはっきりと意味が読み取れなかった場合、「健気な様子、感心なこと」として使われていることが多いです。 主な言い回しは
などです。 周りから見て感心されるような言動や態度に対して使われます。 そのため、年上の人や目上の人に対して使うのは不適切です。 褒め言葉ではありますが、生意気かつ失礼にあたる場合がありますので注意しましょう。 また、
も度々使われています。 これは「殊勝な顔つき、神妙な表情」といった意味があります。 「事情などを理解していることを無言のうちに示す顔つき、もっともらしい様子で大人しくしている顔つき」のことを指します。 詳しい使い方は、例文をいくつか紹介しますので参考にしてください。
「この妖怪が、そのような殊勝な心を持ち合わせているとは思えなかった」 「妹がそんな殊勝な態度をする時は、決まって何かわがままを言う時だ」 「素直で殊勝げな風をしていながら、しらじらしくも彼を欺いている」 「成功の秘訣は、殊勝な心がけです」 「今回の起きた件で社長に呼び出された部長は殊勝顔だった」
○健気 意味:心掛けが良く、しっかりとしているさま ○優秀 意味:他のものより一段とまさっていること、そのさま ○天晴(あっぱれ) 意味:賞賛すべきさま、素晴らしく見事なこと ○秀逸 意味:他のものに比べて抜きん出て優れていること ○奇特 意味:非常に珍しく優れているさま、心掛けや行いが普通よりも優れていて褒めるべきなさま ○素敵 意味:非常に優れているさま、素晴らしいこと ○感心 意味:心が動かされるほど、行動・態度・状態などが立派なこと、褒め称えられるべきさま ○真面目 意味:誠実であること、誠意があるさま ○謙虚 意味:謙遜で心にわだかまりがないこと、控えめで慎ましやかなこと ○神妙 意味:けなげなこと、感心なこと、そのさま
「殊勝」という日本語は文脈によって様々なニュアンスがありますので、その場によって英訳も変化します。
などなど、色々な形容詞を使うのが可能です。
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「殊勝」という字について理解できたでしょうか? ✔「しゅしょう」と読む ✔意味は「他よりも優れ勝っている」「けなげなこと」「心打たれること」 ✔相手の言動や態度を褒める言葉として使われる ✔目上の人や年上の人に使うのは要注意 よく使われている言葉です。 また仏教用語でも使われていたこともあり、日本らしい意味を持つ言葉ですのでしっかりと覚えておきましょう!