「彼女の一言が、琴線(きんせん)に触れる」などと使いますが、正しい意味をご存知ですか? 「怒りを買う」と解釈するのは、間違いです。 今回はそんな「琴線に触れる」について説明します。 正しい意味と使い方、また誤用について解説します。 また類語、対義語、英語表現も紹介します。 しっかりと正しい意味を覚えましょう!
「琴線に触れる」は「きんせんにふれる」と読みます。 「ことせん」と読むのは間違いですので注意しましょう。 意味は、「人間の心の奥深くにある感じやすい心情に触れて感動すること、感動を与えること」です。 大きな感動をしたり、強く感銘を受けたり、日々の小さな驚きや喜びではなく心の奥から感動し共鳴するといった意味です。
「琴線に触れる」の語源について説明します。 「琴線」とは触れると音が鳴ります。 そのことから、「物事に感動したり共鳴しやすい心情」を「琴の糸(=琴線)が触れて鳴るさま」に喩えた表現です。 また、「琴線に触れるだけで人々を感動させるような美しい音色を発する」ことから「心の奥深くにある物事に感動し共鳴しやすい感情」の喩えとして使われるようになっています。 美しい比喩表現ですね。
最近では、「琴線に触れる」は「怒りを買うこと」の意味で誤用されています。 文化庁の世論調査でも、「琴線に触れる」の意味を「怒りを買うこと」だと思っている人は「感動すること」だと理解している人とほぼ同じ割合でした。 誤用の原因としては、「逆鱗に触れる」と「触れる」が同じことから混同してると考えられています。 「逆鱗に触れる」とは「目上の人などの気持ちにさからって怒りを買うこと」です。 しかし「琴線に触れる」に「怒りを買うこと」といった意味はありません! 間違った意味で解釈したり使ってしまわないように、正しい意味を覚えましょう。
「琴線に触れる」は何に対しても使われています。 感動や共鳴をすることであれば、例えば映画や芸術、また人の言葉や行動など、どんなことに対しても使うことができます。 しかし、ただ良いと思ったことなどで使うのは不自然です。 「琴線」とは「人間の心の奥深くにある感じやすい心情」のことです。 心の奥が震えるような、心の底から感動が溢れるような、そういったシーンに使うことが適しています。 詳しい使い方は、例文をいくつか紹介しますので参考にしてください。
「オーケストラを鑑賞し、その素晴らしい生演奏が琴線に触れて涙が溢れた」 「彼のふとした一言がわたしの心の琴線に触れた」 「彼女はその絵が琴線に触れたようで、長い間その絵の前から動かなかった」 「わたしがピアノを弾いてみせるだけで、彼の心の琴線に触れることができるだなんて、考えてもいなかった」 「著者自身の壮絶な半生を書き記したその本は、読者の心の琴線に触れた」 「彼らの表現力豊かな演奏は観客の心の琴線に触れた」 「役者たちの熱量がすごく、この舞台を観た人のすべての琴線に触れる」
○感動する 意味:強い感銘を受けて深く心を動かすこと ○感銘を受ける 意味:しっかりと心に刻み込んで忘れないこと、また忘れないほど深く感動すること ○心に響く 意味:心に感ずること、感覚に訴えること、感動すること ○胸を打つ 意味:つよく感動させる、感嘆する ○心を揺さぶられる 意味:強く感銘を受け印象に残ること ○ときめく 意味:胸がどきどきすること、心がおどること
○無感動 意味:感動しないこと、そのさま ○無関心 意味:気にかけないこと、興味がないこと ○飽きる 意味:十分になってもうたくさんだと思うこと、物事が長く続き嫌になること ○心に響かない 意味:心に何も響くものがないこと、何とも思わないこと ○馬鹿馬鹿しい 意味:無意味でくだらなく見えること、ばかげていること
琴線に触れる」は英語で、
などを使います。
Their music touched my heart.
彼らの音楽が琴線に触れて感動した。
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「琴線に触れる」について理解できたでしょうか? ✔「きんせんにふれる」と読む ✔意味は「人間の心の奥深くにある感じやすい心情に触れて感動すること」 ✔「怒りを買うこと」といった意味で使うのは誤用! 間違って使い恥をかかないよう、正しい意味をしっかりと覚えておきましょう!