「立つ鳥跡を濁さず」という言葉をご存知ですか?「立つ鳥跡を濁さず」の意味は「跡始末は見苦しくないようにきちんとすべきである」です。なんとなく聞いたことはあっても意味までは詳しく知らないという方も多いのではないでしょうか。今回は、「立つ鳥跡を濁さず」の意味と使い方を例文付きで紹介します。また、語源や類語、英語表現も紹介しますので参考にしてください。
「立つ鳥跡を濁さず」の読み方は「たつとりあとをにごさず」です。
「立つ鳥跡を濁さず」の意味は「跡始末は見苦しくないようにきちんとすべきである」です。 「立つ鳥」は、「飛び立つ鳥」を指していて、「立ち去る者」を意味しています。 「跡始末」とは、「事が済んだあと、その処理をすること・事後処理」の事です。 つまり、「立つ鳥跡を濁さず」は「立ち去る者は見苦しくないよう、跡始末をしてくべき」という意味になります。
「立つ鳥」は、「飛び立つ鳥」を指しているということは、上記で説明しましたが、この「鳥」とは「水鳥」のことです。 「水鳥」は季節の変化に合わせて、居住地を転々を移動する習性がありますが、「水鳥」が飛び立った後の池や湖は、大変綺麗であると言われています。 このことから、「鳥が飛び立った跡の池は濁りもなく綺麗である」という様子を、「立つ鳥跡を濁さず」と例えて、「去る者は、跡始末をきちんとして、見苦しくないようにしよう」といった意味で使用されるようになったと言われています。 また、「後に引きずることなく、さっと引き際良く去るべきだ」というような意味も含まれています。
上記で説明したように、「立つ鳥跡を濁さず」は飛んで去る鳥の様子が語源と言われている言葉です。 しかし、飛ぶ鳥をイメージしすぎて「飛ぶ鳥跡を濁さず」と使用してしまうのはよくある誤用ので気を付けましょう。 「飛び立つ鳥」の意味である「立つ鳥」で「立つ鳥跡を濁さず」と覚えましょう。
「立つ鳥跡を濁さず」は、その場所に戻ってこない場合に使用します。 新たな出発に向けて、あとが見苦しくないように元居た場所を綺麗にすることを「立つ鳥跡を濁さず」といいます。 つまり、「きっぱりと潔い引き際であるということ」です。
「新しい道に進むと決めた彼女は、綺麗に荷物をまとめ、まさに立つ鳥跡を濁さず状態だった」 「社長はあっさりと辞職し、立つ鳥跡を濁さずだった」 「新たな道に進むことを決意したので、立つ鳥跡を濁さずである為にきちんと整理をすることにした」
異動や転勤など、今いる職場を去るといった場面でも、「立つ鳥跡を濁さず」ということを意識しましょう。 水鳥が、自分のいた場所を綺麗にしてから飛び立つように、自分の使っていた机の荷物を全て持ち帰り、綺麗にしたり、自分の任されていた仕事の引継ぎなど、迷惑のかからないようにしていくように意識するのが「立つ鳥跡を濁さず」です。
転職や退職など仕事が変わるときは、「立つ鳥跡を濁さず」を意識して、準備していくことが必要です。 例えば、「転職や退職の意志を上司や周りの人に伝える」という場面では、「余裕をもって数か月前に伝え、引継ぎをきちんとする」といったことや、退職や転職ど理由が何であれ「一身上の都合」とし、務めている会社を悪くいったりしないということも「立つ鳥跡を濁さず」に繋がります。 退職する前はデスクにある物を全て持ち返って掃除をし、制服などがあればきちんと返却をして「立つ鳥跡残さず」で退職するのがベストといえるでしょう。
恋愛で別れる時というのは、相手への好意が残っているときは勿論、情が沸いてズルズルとしてしまうという状況はよくあることだと思います。 しかし、それでも「別れる」という決断をした以上はきっぱりと、潔くお別れをしたほうがいいと言えるでしょう。 このように、恋愛で別れるときも「立つ鳥跡を濁さず」という言葉を意識する場面があります。
「原状復帰」は、「げんじょうふっき」と読みます。 「原状」とは「元のままのありさま・以前の形」という意味で、「復帰」は「元の場所・地位・状態などに戻ること」という意味の言葉です。 この二つの言葉を組み合わせた「原状復帰」は、「変化・劣化する前の状況にもどすこと」という意味になります。
「原状回復」は「げんじょうかいふく」と読みます。 「原状」とは「元のままのありさま・以前の形」という意味で、「回復」は「一度失ったものをとりもどすこと・元のとおりにもどること」という意味です。 つまり「原状回復」とは、「ある事情によってもたらされた状態を、本来の状態にもどすこと」ということになります。 例えば、契約していたことを、契約解除するといった場合も「原状回復」といいます。
「立つ鳥跡を濁さず」の反対の意味を持つことわざを紹介します。
「後足で砂をかける」は、「あとあしですなをかける」と読みます。 「うしろあしですなをかける」ではないので注意しましょう。 「後足で砂をかける」とは、「犬や馬が後足で砂をまき散らしながら掛けている様子」を表しています。 「後足で砂をかける」は、「去り際に、迷惑をかけたり、恩知らずなことをしたりする」 「立つ鳥は跡濁さず」の反対で、「去り際の迷惑や存在・裏切り」を表した言葉です。
「後は野となれ山となれ」は、「あとはのとなれやまとなれ」と読みます。 「後は野となれ山となれ」の意味は「目先のことさえすんでしまえば、あとはどうなってもかまわない」です。 「後は野となれ山となれ」は、「収穫のおわった畑は、後は野になろうが山になろうが関係ない」ということが由来であると言われています。 「後のことは知ったことではない」という投げやりな気持ちや開き直っている気持ちを表しています。
「旅の恥は掻き捨て」は「たびのはじはかきすて」と読みます。 「旅の恥は掻き捨て」の意味は、「旅先では知人もいないので、普段なら恥ずかしくてできないような行いも平気でするものだ」です。 「その場限りのことだと思えば普段できないこともできる」というような意味合いで使用される言葉です。
「立つ鳥跡を濁さず」は英語で「Cast no dirt into the well that gives you water. 」です。 直訳すると「あなたに水を与える井戸にゴミを入れるな」になります。
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「立つ鳥跡を濁さず」について理解していただけましたか? ✓「立つ鳥跡を濁さず」は「たつとりあとをにごさず」と読む ✓「立つ鳥跡を濁さず」の意味は、「跡始末は見苦しくないようにきちんとすべきである」 ✓「飛ぶ鳥跡を濁さず」は誤用 ✓「立つ鳥跡を濁さず」の類語は「鳥は立てども跡を濁さず」など
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