「提言」「意見」「提案」「進言」の違いについて正しく認識しているでしょうか?それぞれ同じように使うことが多いため、しっかりと使い分けできている人が少ないのではないでしょうか?実はこれらの言葉にはそれぞれ違いがあります。そこで本記事では「提言」「意見」「提案」「進言」の意味と使い方の違いについて解説していきます!
「提言」・・・自分の意見をたくさんの人の前に出すこと 「意見」・・・物事、問題、判断などに対してもつ自分の考え 「提案」・・・案を提出すること 「進言」・・・目上の人に意見を申し上げること
「提言」「意見」「提案」「進言」はどれも意味が似ていて類語にあたりますが、微妙にニュアンスが違います。 「意見」は「自分の考え」という意味で、今回紹介する4つの熟語の中で最も意味が広くさまざまな場面で使用することができます。 「意見する」だと、「考えを述べて相手の過ちをいさめること」という意味になります。「意見される」の形で使うことが多いです。 例えば、「減量するように医者に意見された」などと使います。 よって、一つ目の意味で「意見」を使う場合は、「意見する」ではなく「意見を述べる」「意見を言う」などの形で使います。 「意見をする」という言い回しはどちらの意味でも使いません。 「提言」とは「自分の意見を出すこと」または「出された意見」を指します。 意味的には、「提言」ならばすべて「意見」ですが、「意見」だからといって必ずしも「提言」にはあたりません。 例えば、自分の頭の中に留めている「意見」は人前には出されていないので「提言」にはありません。 「提言」と「提案」も非常に意味が似ています。 「提案」は「案」つまり「物事を具体化するために考えた内容」を出すことなので、ただ意見を出す「提言」よりも、当事者意識が強いといえます。 よって、「提言」は外部の人間や関係が深くない人が、「提案」は内部の人間や関係の深い人が、組織や人に意見を出す場合に使われることが多いです。 例えば、自分が勤めている会社の社長になにか意見を述べる場合は「提案」の方が自然です。 「進言」は「目上の人に意見を申し上げること」なので、「意見」の謙譲語です。 「進言いたす」「進言させていただく」などと謙譲語の言葉と組み合わせると二重敬語になってしまうので、「進言する」の形で使います。 「進言」は謙譲語なので、「社長に進言した」などと使っても文法的には失礼にあたりませんが、「目上の人に意見を述べることが生意気だ」と思われてしまう可能性があるので注意です。
「意見」は「いけん」と読みます。 「意見」の意味は、
です。 一つ目の意味では、ある物事や問題に対して持っている自分の考えを表します。 しっかりと考えた上で思いついたものも、その場で思いついた一時的な考えも「意見」と言います。 二つ目の意味での「意見」は、間違いを正すために注意する、説教をすることを表します。 例えば、「禁酒と禁煙を妻に意見される」などと使います。これは「お酒とタバコを断つやめるように注意される」という意味です。
というような使い方をします。
例文 ①の意味
②の意味
「提言」は「ていげん」と読みます。 「提言」の意味は「自分が思っていることや考えを、多くの人の前に示すこと」です。 ある物事に対して持った自分の考えを人前で発言すること、また、その考えや意見を表します。発言する場所については、議会・会議・会合などが挙げられます。 主に「提言する」という形で用います。 例えば、「改善策を提言する」ならば「自分が考えた改善策を、会議などで多くの人の前で発表する」という意味になります。 政府の機関、会社など組織に対して「提言」することが多いです。
というような使い方をします。
例文
「提案」は「ていあん」と読みます。 「提案」の意味は「物事に対してのある考えや議案を出すこと」です。 主に「提案する」という形で、「計画の提案をする」「夜遊びをやめるよう提案する」などと用います。 「提案」はビジネスシーンでも日常会話でも使用することができます。 「提案」は文字通り「案を提出すること」で、「案」とは「計画」という意味なので、「提案」は「ただ意見を出す」だけではなく「色々と計画を練る」ことも含まれています。 そのため、「提案」の方が「提言」と比べてより具体的で実用的です。
というような使い方をします。
例文
「進言」は「しんげん」と読みます。 「進言」の意味は「自分よりも上の人に意見を申し述べること」です。 主に「進言する」という形で、「部長にシステムの変更を進言する」などと使います。 他にも、上司に対して意見を述べる場合のクッション言葉として「大変恐縮ですが、進言します」と使うことも可能です。 「進言」は「意見」の謙譲語なので、「進言いたす」「進言させていただく」「進言申し上げる」などは二重敬語になってしまうので、「進言する」「進言します」という形で使うことが多いです。 ※「進言します」の「ます」も敬語だが、「ます」は丁寧語で謙譲語の「進言」とは違う種類なので、二重敬語にあたらない。 逆に自分より目下の立場の者に意見をいうときには「進言する」と使うことはできないので注意してください。
例文