「衒い」と「外連」の違いについて正しく知っているでしょうか?「衒いのない性格」「外連味がある」などと使います。聞いたことがない、使ったことがないという方も多いかもしれません。実はこの二つの言葉はそれぞれ異なります。そこで今回は「衒い」と「外連」の意味と使い方の違いについて解説していきます!
衒い(てらい)・・・自分の知識や能力を得意そうに見せる、必要以上に良く見せること 外連(けれん)・・・①演劇において、観客を楽しませるための奇抜な演出、②ごまかしやはったりをきかせること
「衒い」は「てらい」と読みます。 「衒い」の意味は「自分の知識や才能を誇って得意そうに見せること、実際よりも良く見せること」です。 「衒」は「見せびらかす、ひけらかす」という意味で、「衒学」「衒耀」などと使われています。 「衒う」という形でも使われることが多いです。「奇を衒う」「学識を衒う」などと言います。 「衒う」という動詞が活用によって「衒い」となっているだけで、「衒う」でも「衒い」でも意味は変わりません。 自分が持っている知識や才能を誇らしげにアピールすること、また、いかにも才能や知識があるように見せかけることも表します。
というような使い方もします。 これらは「良く見せようとせずに素直であること、気取っていないこと」を表します。「衒いのない」と否定形の場合は「衒い」と違い、ポジティブな意味合いで使うことができます。 「衒い」の類語には、「飾り」「気取り」「自己顕示」「器量自慢」「見栄っ張り」「格好つける」などがあります。
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「外連」は「けれん」と読みます。 「外連」の意味は、
です。 元々「外連」は歌舞伎や人形浄瑠璃などにおいて、観客を楽しませるために用いられた演出を表します。例えば、早替わり、宙乗り、大道具や小道具の仕掛けなどがあります。 見た目重視の演出であるため、正統派ではない、邪道であるとされていました。 現在では、「外連」は演劇だけでなく、一般的に使われるようになりました。 「外連味(けれんみ)」という表現がよく使われます。「外連味」とは「はったりやごまかしをすること」を意味します。 「外連味たっぷり」「外連味のある/ない」「外連味がきく」などと使います。 例えば、「外連味のある作品」ならば「粋な演出がされている作品」、「外連味のない作品」ならば「わざとらしい演出のない作品」といったニュアンスになります。「外連」は使い方によって、良い意味にも悪い意味にもなります。 「外連」の類語には、「はったり」「ごまかし」「ウケ狙い」「誇張する」「広言する」「風呂敷を広げる」「尾ひれをつける」などがあります。
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