「是正」と「訂正」の意味の違いはわかりますか?どちらも「正す」という意味では共通していますが、正す対象が異なります。ビジネスシーンでも使うことの多い言葉なので、正しい意味と使い方をマスターしましょう!
「是正」・・・社会的な問題、規律、人の考え、行動を正す 「訂正」・・・文字や文章、発言内容を正す
「是正」と「訂正」は「誤りを正しく直す」と同じ意味ですが、 「訂正」は文字や文章、発言内容の誤りなどを正すこと 「是正」は仕組みやルール、状態、人の考えや行動などの誤りを正すこと といったように正しくする「対象」に違いがあります。
「是正」は「ぜせい」と読みます。
「悪い点や不都合な点を改め正すこと」「誤りを直して正しくすること」という意味です。 「是正」という漢字を一つずつ見ていくと、 「是」は、「道理にかなっていること。正しいこと」 「正」は、「正しいこと。正式なもの。主となるもの」などといった意味があります。
「是正」は「仕組みや規律の悪い点を正すこと」という意味で、「不公平なことを正す」というニュアンスも含んでいます。 主に政治やビジネスシーンで使われることが多くなっています。 「是正」のつく熟語がいくつかあります。 「格差是正」は生じた格差を改めて正すことです。 「是正勧告」は労働基準監督署による調査で労働基準法などの違反があった場合に是正を勧告することです。 主な言い回しは
などです。 その他詳しくは例文を参考にしてください。
「政治家の汚職を是正する」 「この講義は劣悪な労働環境の是正を目的とする」 「所得における格差是正をする」 「地域格差是正対策をする」 「ようやくあのブラック企業に労働基準監督署の調査が入り、是正勧告を受けた」
「訂正」は「ていせい」と読みます。 「訂正」は「訂」と「正」の2つの漢字から成り立っています。 「訂」は「言葉や文字の誤りを正すこと」を意味します。 「正」も「正しいこと」を意味します。
「訂正」は「誤りを正しく直すこと」という意味です。 特に言葉や文章の誤っている部分を正しくすることという意味で使われています。
「訂正」は「文章・発言の誤りを正すこと」と言う意味で、「明確なミスを指摘する」というニュアンスも含んでいます。 「訂正」は一般的にも書類などでよく使われています。 報道番組などでも、放送内容に間違いがあった場合に「訂正します」と言っているのを聞くことがあるかと思います。 また、新聞や雑誌など書面でも間違いがあった場合に次号で「前号の訂正」などと記載されていることがあるかと思います。 ビジネスシーンでもメールなどで間違いがあった場合、相手に「先ほど送信したメール内容に不備がありました。訂正させていただきます」などと送り正しい情報を一緒に送ることもあります。
「会議資料に不備があったため、訂正したものを配布いたします」 「私が作成した資料に誤りがありました。すぐに訂正いたします」 「先日の内容を訂正いたしましたので、ご確認のほどお願いいたします」 「申し訳ありません。先ほどお伝えした内容が間違っていたので、訂正させていただきます」 「先ほどご紹介した○○の漢字に誤りがありました。お詫びして訂正いたします」
「是正」と「訂正」の類義語はたくさんあります。 そのなかでもよく耳にすることの多い「修正」「改善」「添削」を紹介したいと思います。
「修正」とは「よくないところや不十分な部分を直して正しくする」という意味です。 例えば「修正」はもう少しアレンジが必要とした場合に、補足を加えたり表現を変えるといった意味で使うことができます。 「訂正」とよく似た言葉ですが、大きな違いがあります。 「訂正」は明らかに間違いであり、正しく直すことが必要、という意味に対して、 「修正」は決して間違いがあるとは限らず、より良くするために手を加えることが必要、という意味になります。 ビジネスシーンで、相手の間違いを指摘するときは「修正」を使うのが良いでしょう。 「訂正」は誤りがあることを前提として使う言葉であるため、「訂正してください」と言うと上から目線になってしまいます。 「修正して下さい」と言うときつい印象を与えず、相手にやんわりと間違いであることを伝えられます。 自分が誤っている場合などは、「修正いたします」よりも「訂正いたします」といったほうが、誤りを素直に認めている印象を与えるでしょう。
「会議の資料の修正をお願いします」 「修正に修正を重ね、ようやく台本が出来上がった」 「彼女の写真は修正しすぎだろ」
「改善」とは「悪いところを改めて良くすること」という意味です。基本的な意味は「是正」と同じですが、「改善」は「さらに良くしよう」といった前向きなイメージで使うことが多いです。 「是正」は正しくする対象が必ず「間違っていること」なのに対して、「改善」は正しくする対象が「正しいこと」の場合もあります。 間違いや良くない部分を改めるといった意味でも用いられますが「より良くする」といった意味でも用いられます。
「残業を削減したことによって、社員の健康状態が改善された」 「会議で訴え続けたことがようやく改善された」 「生活習慣を見直し、食生活を改善するだけで仕事の効率が上がった気がする」
「添削」とは「他人の文章・答案などを書き加えたり、削ったりして改め直すこと」という意味です。 「訂正」は基本的に自分が書いたことや言ったことを直すときに使い、 「添削」は他人が書いたものを直すときに使います。 「(自分が)間違って言ってしまったことを、訂正した」とは表現できるが、「間違って言ってしまったことを、添削した」とは使えません。 「訂正」は誤りを直すという意味だけで使われるのに対して、「添削」は誤りがなくても、文を良くするという意味もあります。
「レポートを添削をしてもらったら、より良いものになった」 「部長に添削をしていただいた」 「英語が得意な彼に、英文の添削をお願いした」
「是正」「訂正」の英語はどちらも「correct」を使うことができます。 例文を見てみましょう。
The teacher corrected the students' pronunciation.
教師は生徒の発音を訂正しました。
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