「元も子もない」「身も蓋もない」「本末転倒」という言葉をご存知でしょうか。「それでは元も子もない」「身も蓋もない言い方」「本末転倒だ」といったように使います。では、それぞれの意味についてしっかりと理解しているでしょうか。これらの言葉は日常会話においても、比較的見聞きすることが多いですよね。よく使われている言葉でも、意外と意味を知らなかったり使い方がわからないということがあります。正しく使うためには、意味についてきちんと知っておくことが必要です。そこで今回は「元も子もない」「身も蓋もない」「本末転倒」の使い分けについて解説していきます。適切に覚えて、上手く使えるようにしましょう!
「元も子もない」・・・欲張りすぎて、何もかも失ってしまうこと 「身も蓋もない」・・・表現が直接的で、含みや情緒がないこと 「本末転倒」・・・根本的で重要な事柄と、大したことのない事柄を取り違えること
「元も子もない」は行動や努力が全て無駄になる、「身も蓋もない」は表現が露骨で話の続けようがない、「本末転倒」は全く逆の結果になることを表します。 「元も子もない」「身も蓋もない」「本末転倒」の意味をどことなく混同している方がいますが、それぞれ全く違う意味を持つ言葉になります。 「元も子もない」「身も蓋もない」「本末転倒」は全て、マイナスな意味合いで使います。
「元も子もない」は<もともこもない>と読みます。 「元も子もない」の意味は「失敗をして利益どころか元手まで無くなる、何もかも失うこと」です。 「元」は「元金」、「子」は「利子」を表しています。 投資をして利子を得るはずだったのに、それどころか元金も全てなくなったことから「元も子もない」という言葉ができました。そこから、金銭だけでなく、何もかも失うことのたとえとして使われるようになりました。 欲張りすぎて、本来の目的だけではなくて失う必要のないものまで無くすことを表す場合に使います。 行動や努力が裏目に出て、全てを失ってしまうことを表すときは「元も子もない」が適します。 例えば、怪我をしているのに、無理矢理練習をして、怪我が治る時期が遅れてしまいます。こういったことを「元も子もない」と表現します。 「元も子もない」の類語には、「無駄になる」「無意味に終わる」「報われない」「意味がない」「損する」「無駄骨に終わる」などがあります。
例文
「身も蓋もない」は<みもふたもない>と読みます。 「身も蓋もない」の意味は「素直すぎて、何ともならないこと」です。 元々は「表現が露骨すぎて、含蓄も面白みもないこと」を意味していました。「身も蓋もない」は入れ物も蓋もないため、隠す部分がなくて中のものが丸見えであることからきています。 「身も蓋もない」は簡単に言うと、「素直に言ってしまうと」「言葉を選ばずそのまま言うと」ということです。 正しいことを言っているが、あからさまでその場の状況が悪くなってしまうという場合に使います。 例えば、新しい髪型になった友達がいたとして、それが全く似合っていない場合、本人を傷つけないためには「前よりも似合っている」「良いと思う」と言葉を選ぶことが多いです。 しかし、「その髪型似合っていないよ」とそのままのことを言ってしまうのが、「身も蓋もない」です。 「身も蓋もない」の類語には、「露骨な言い方」「オブラートに包まない」「率直」「ストレートな言い方」「あからさまな表現」「ありのままの表現」などがあります。
例文
「本末転倒」は<ほんまつてんとう>と読みます。 「本末転倒」の意味は「根本的で重要な事柄と、どうでも良い事柄を取り間違えること」です。 肝心なことを忘れ、つまらないことに熱中してしまうことを表します。 「本末」は「基本的な重要なものと、どうでも良いもの」「転倒」は「ひっくり返ること」を意味します。 重要な事柄を疎かにして大事ではない事柄を重視している場合や、良かれと思い行ったことが望まない結果となってしまった場合に使います。 例えば、仕事のストレスが溜まっているAさんがいて、ストレスを解消するために、夜ランニングやウォーキングといった運動を始めます。 最初の方はやる気に満ち溢れていましたが、だんだん「運動しなくては!」といった使命感が逆にストレスとなります。仕事のストレスを解消しようとする努力が、結果的に別のストレスを溜めていくことになりました。 このようなことを「本末転倒」と表します。 「本末転倒」の類語には、「主客転倒」「冠履転倒」「釈根灌枝」「舎本逐末」などがあります。
例文
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