サザンの「希望の轍」やコブクロの「轍」など、曲名にも使われている「轍」という言葉を知っていますか? これは「わだち」と読みます。 また、「轍を踏む」といった言い方もされますが、、、どんな意味かご存知ですか? 今回はそんな「轍」について説明します! 正しい意味、使い方、例文を用いて分かりやすく解説します。 また、類語や英語表現など使える言葉も紹介します。 しっかりと覚えて、正しい言葉を使いましょう。
「轍」は<わだち>と読みます。 意味は、「車が通り過ぎたあとに残る車輪の跡」「車輪」です。 舗装されていない道路を通ると、タイヤの跡が残りますよね。 そのタイヤの跡を「轍」と言います。 また、その意味が転じ「先例」といった意味で比喩的に使われています。 その場合は<てつ>と読みます。 この意味では「轍を踏む」という慣用句が主に使われてます。 これについては後ほど説明していきます。
「轍とは「車輪の跡」を指す言葉です。 足跡や物が置いてあった跡などには使われません。 車や自転車、リヤカーなどの車輪の跡として使われています。 比喩的な使い方は「轍を踏む」の使い方で解説します。
また、「とてつもなく眠い」などと言う言葉がありますよね? この「とてつもなく」、漢字で書くと「途轍もなく」と書きます。 「途」は「道」といった意味があります。 「轍」は「車が通った後に残る車輪の跡」のことでした。 それらの意味が転じて、「途轍(とてつ)」は「筋道」「道理」の意味となり、「途轍もない」は「筋道から外れている」ことを表します。 そこから「常識では考えられない」「並外れている」という意味になりました。
○「車輪の跡」といった意味の「轍」を用いた例文 「雪道は轍の上を歩くようにしましょう」 「ぬかるんだ道に轍がたくさん残っている」 「轍がついたまま土がかたまっていたために、車輪をとられて転んだ」 「校庭にはリヤカーの轍が残っていた」
「轍を踏む」は<てつをふむ>と読みます。 「わだちをふむ」とは言いませんので注意してください。 ここでの「轍(てつ)」は「通り過ぎた車輪の跡」の意味が転じて、「先人の通った道・先例」といった意味となります。 そして「轍を踏む」は「先人が失敗したことと同じ失敗を繰り返すこと」を表します。 これは、「出来ていた轍(車輪の跡)にはまり込んで、転倒する」という状況に喩えられた表現です。
上記でも説明した通り、「轍を踏む」単体でも「先人と同じ失敗を繰り返す」を意味しますが、「同じ轍を踏む」と表現することもあります。 また「◯◯の轍を踏む」と表現し、◯◯の箇所に「前任者、先人、先輩」などの言葉を入れることもあります。 「轍を踏む」とは「すでにある過ちと同じ過ちを犯すこと」というニュアンスで使うこともできます。 これは、大きなことから小さなことまで指します。 国際的なことや政治的なこと、仕事におけること、さらにはプライベートにおけることまでさまざまなシーンで用いることができます。 また、「先人と」同じ失敗を繰り返すことなので、「自分が以前犯した失敗と同じ失敗を繰り返す」といった意味では使われません。 詳しくは例文を参考にしてください。
○「轍を踏む」を用いた例文 「改革をすると豪語していたが、結局前任者の轍を踏んで終わる」 「先輩が失敗した理由も知っていたが同じ轍を踏んでしまった」 「母は私に轍を踏ませぬよう、愛だけではなくお金も大切だといつも言っていた」 「同じ轍を踏むわけにはいかない、我が社には後がないのだ」 「さすがの彼でも、轍を踏むはめになるとしか思えないが」
「轍を踏む」と似た意味のことわざをいくつか紹介します。 ▶ 二の舞を演じる 意味:前の人と同じような失策をすること、他の人の失敗を見ておきながら自分を同じ失敗を繰り返すこと …これは、わざと失敗しながら演じる「二の舞」といった舞から由来しています。 「二の舞を踏む」と言われることがありますが誤用です。 しかし、最近では「二の舞いを踏む」と使う人が多く慣用扱いされるようにもなっています。 「二の足を踏む」も似ている表現で混同している人がいますが、意味が全く異なります。 「二の足を踏む」は「物事を進めるのに思い切ってできないこと」という意味です。 (例文) 「自分こそはと挑戦したが、彼の二の舞いを演じてしまった」 「彼女の才能に期待はかかっていたが、結局先輩の二の舞いを演じておわった」 ▶ 前車の覆轍(ふくてつ)を踏む 意味:「轍を踏む」と全くの同じ意味 (例文) 「何度も予行したが、前車の覆轍を踏む結果となった」 ▶ 前車の覆るは後車の戒め 意味:先人の失敗は後人の教訓になること (例文) 「前車の覆るは後車の戒めというのに、なぜ前例から学びもせずに突っ走ってしまったのだろうか」
「轍」の英語表現を考えていきましょう。 一般的な「車の通った跡」という意味の英語は、「tire trace」といいます。 車が急ブレーキしたりスピンしたりして付き、犯罪調査などに役立つ跡は「skid mark」と言います。 土手など柔らかい土地にできて車の跡は「rut」と言います。 「同じ過ちを繰り返す」を意味する「轍を踏む」の英語表現は「make the same mistake」と言うのが自然です。「前者の轍を踏む」は「make the same mistake as the predecessor(s)」と言います。「predecessor」は「前任者、先輩、先人」などと言う意味です。
He was talking big, but he ended up making the same mistake as the predecessor.
彼は得意げに話していたが、前者の轍を踏んでしまった。
科学的に正しい英語勉強法
こちらの本では、日本人が陥りがちな効果の薄い勉強方法を指摘し、科学的に正しい英語の学習方法を紹介しています。読んだらすぐ実践できるおすすめ書籍です。短期間で英語を会得したい人は一度は読んでおくべき本です!
正しいxxxxの使い方
授業では教わらないスラングワードの詳しい説明や使い方が紹介されています。タイトルにもされているスラングを始め、様々なスラング英語が網羅されているので読んでいて本当に面白いです。イラストや例文などが満載なので、この本を読んでスラングワードをマスターしちゃいましょう!
ビジネスシーンで英語が必須な方など、本気で英語を学びたい人にオススメの英会話教室、オンライン英会話、英語学習アプリを厳選した記事を書きました。興味のある方はぜひご覧ください。
「轍」について理解できたでしょうか? ✔「わだち」「てつ」と読む ✔「車輪の跡」といった意味 ✔それが転じて「先例」という意味も持つ ✔「轍を踏む」は「先人と同じ失敗を繰り返すこと」 普段あまり使わない言葉ですが、文書などでは使われている表現です。 しっかりと覚えておきましょう!