「座して待つ(ざしてまつ)」は「何もせずにただ静かに待つ」という意味です。「座して」とは「座って」の意で「静かにじっとしていること」の比喩です。「座して待つ」の語源は、三国志で有名な諸葛孔明の言葉「座して死を待つよりは、出て活路を見出さん」です。同じく「座」という漢字を使った類語に「座視する」があります。
「座して待つ」の読み方は「ざしてまつ」です。 「座って待つ=すわってまつ」の間違えかな?と思うこともあるかもしれませんが、「ざして」と読みます。
「座して待つ」の意味は、漢字のまま「座って待つ」です。 「何もせずじっと」といった意味合いが強くなっています。 そこから「見てるだけで放置する」といった意味や「危険を恐れ、行動に移さない」といった意味もあります。
「座して待つ」の語源は、三国志で有名な諸葛孔明の言葉です。 元々は「座して死を待つよりは、出て活路を見出さん」という言葉で、意味は「ただ座って何もせず死ぬのを待つくらいなら、危険な場に出てでも生き延びる方法を探す」となります。 諸葛孔明は漫画『キングダム』でも出てくるキャラクターです。
「座して待つ」の「座して」の原形は「座す」です。 「座す」は古語ですので現代では使われていません。 現代語だと「座する」となります。 「座する」の1つ目の意味は「すわる」です。 「じっとしている」といった意味合いが強く、ただ椅子にすわる場合は「座する」ではなく「座る(すわる)」と使われるのが一般的です。 2つ目は「事件などの掛かり合いになる、巻き添えを食らう」です。 他人の犯罪に関して連帯責任を問われて罰せられることを指します。
「すわる」という意の漢字は本来「坐」でした。 実は「坐」と「座」に元々は意味の違いがありました。 「坐」は「すわる動作」を表しており 「座」は「すわる場所」を表していました。 そのため、「正座」は「正坐」と使われており、「座」は「座席」など場所を表す場合にのみ使われていました。 しかし「当用漢字表」を制定する際に、同音で似た意味を持つ漢字は一方を省くことになり、現代では「座」のみが使われるようになりました。
「座して〜」という慣用句にはもう一つあります。 「座して食らえば山も空し」で「ざしてくらえばやまもむなし」と読みます。 意味は「働かず食べていれば、山のように会った財産も消えてしまう」です。 この「座して」も「座して待つ」の「座して」と同じ意味で「じっと座っている」「何もしないでいる」といった意味となります。
「座して待つ」は、「座して待つのみ」などの形で「今は行動すべきではない」「じっと我慢すべきだ」という文脈で使います。 今出来るのは待つことだけである場合や、待つことが最善策である場合に「座して待つのみ」と言います。 ネット用語としても使われており、例えば新しい漫画の発売日やドラマの新エピソードの公開日まで「何もしないでひたすら待つ」という意味合いで「発売まで座して待つのみ」と使われます。 この場合は「あとは座って待つだけだ」といった意味合いが強く、何よりも楽しみに待っている様子を表します。
例文
「座して待つより〜」など、「じっとしている場合ではない」という意味合いでも使います。 この場合は「待つより」の後にするべき行動を繋げます。 例えば「座して待つより挑戦だ」や「座して待つより特訓する」などと使います。 また「座して待つのか」などの反語表現もある。 「じっとすべきか、いいや、行動すべきだ」といった意味です。 「座して待つのか」だけで反語として使ったり、「座して待つのか、いや、行動する」といった使い方もします。 さらに「座して待つか、働きかけるか」など二者択一を迫る表現もあります。
例文
「〜を座して待つ」といった形で目的語をとることも出来ます。 「成功を座して待つ」や「朗報を座して待つ」などと使います。 また「〜を座して待つのではなく」と否定形で使うことも出来ます。
例文
同じ「待つ」が使われることから誤用されることが多いのですが、「座して天命を待つ」といった言葉はありません。 正しくは「人事を尽くして天命を待つ」です。 意味は「出来る限りのことをして、あとは天の運命に任せる」です。 自分の力の限りやり尽くしたり努力をしたのなら結果はどうであれ後悔しないといった心境を表す言葉です。
「座して待つ」の言い換えとなる、「何もしないでいる」といった意味の言葉を紹介します。
「見てるだけで放置する」という意味の反対語には
などがあります。 また「危険を恐れ、行動しない」という意味の反対語には
などがあります。
「座して待つ」を英語に直訳すると、「wait without doing anything」です。 「傍観する」という意味の英語なら、
などがあります。 「無視する」という意味の英語なら、
などがあります。
Waiting without doing anything does not make any difference.
座して待っているだけでは何も変わらない。
She couldn't do anything but just look on as flames rose from her house.
彼女は自分の家から炎が上がるのをただ座して見ることしかできなかった。
「座して待つ」を意味する慣用句(スラング)に、「sit on my behind」があります。 この「behind」は「おしり」という意味で、
などに置き換え可能です。
Don't sit on your ass all day! Move on!
一日中何もしないでどうするんだ!もう行動を起こせよ!
いかがでしたか? 「座して待つ」の意味と使い方はご理解いただけたでしょうか? 最後に「座して待つ」のまとめを書きたいと思います。 ✔「座して待つ」の意味は「何もせず座って待つ」 ✔「座する」には「すわる」以外にも「巻き添えを食らう」の意味も ✔「座して待つのみ」なら行動すべきではないの意 ✔「座して待つ」の類語は「座視する」 ✔「座して待つ」の英語は「wait without doing anything」