「安直」と「安易」という言葉をご存知でしょうか。「安直な考え」「安易な気持ち」などと使われます。日常会話でも比較的使うことが多い言葉です。二つとも、字面や音の響きが似ていますが、何か違いはあるのでしょうか。違いなど考えずに使っていた、という方も多いかと思います。実は「安直」と「安易」はそれぞれ意味が異なります。正しく使用するためには、意味をしっかりと理解しておく必要があります。そこで今回は「安直」と「安易」の意味の違いと使い分けについて解説していきます。違いを適切に覚えて、上手く使い分けできるようにしましょう!
▶︎「安直」
▶︎「安易」
「安直」と「安易」はともに、「考えや行動がいい加減なさま」を意味します。 ただ、「安易」には「安直」のように「根が安いこと。お金がかからない」という意味はありません。 「安直」にも「安易」のように、「わけなくできること。たやすい」と物事の程度が簡単であるという意味は含みません。 「安直」と「安易」は非常に似ていますが、含まれている意味に違いがあります。 それでは、それぞれの意味と使い方について解説していきます。
「安直」は<あんちょく>と読みます。 「安」は音読みで「アン」、訓読みで「やすい・いずくに」と読みます。 「安」は「たやすい」を意味します。 「直」は音読みで「チョク・ジキ」、訓読みで「ただちに・なおす・すぐ」と読みます。 「直」は「値段。あたい」を意味します。 「安直」の意味は、 1.値が安いこと。お金がかからないこと。安価 2.十分に考えたり、手間をかけたりしないこと。手軽なさま です。 1の「価格が安いこと」という意味では、「安直な居酒屋」「安直な料理店」「安直な趣味」「安直なゲーム」などと使います。 2の「気楽なさま。いい加減なさま」という意味では、「安直な方法」「安直な手段」「安直な考え」などと使います。 主に、「安直」は「深く考えずいい加減。手軽」という意味で使うことが多いです。 ちなみに、「安直」が変化してできた「あんちょこ」という言葉があります。 「あんちょこ」とは「教科書で学習する要点が記されていて、自分で調べたり考えたりする必要のない参考書」です。
例文 1の「金額が安い。お金がかからない」という意味
2の「手軽なさま」という意味
「安易」は<あんい>と読みます。 「安」は音読みで「アン」、訓読みで「やすい・いずくに」と読みます。 「安」は「たやすい」を意味します。 「易」は音読みで「エキ・イ」、訓読みで「やさしい・やすい・かえる」と読みます。 「易」は「やさしい。たやすい」を意味します。 「安易」の意味は、 1.たやすいこと。わけなくできること。困難がないこと 2.のんきなこと。いい加減なこと。特別な工夫や努力のないこと です。 1の「たやすいこと」という意味では、「安易な問題」「安易にできる」「安易に解ける」などと使います。 2の「いい加減なこと」という意味では、「安易な考え」「安易に答える」「安易な発想」などと使います。 例えば、「安易な気持ち」だったら「そんなに深く考えていないこと。いい加減な気持ち」を表します。 物事の程度が簡単な場合や、行動や発言が軽率だったり、軽薄であるということを表す場合は「安易」が適します。
例文 1の「たやすいこと」という意味
2の「いい加減なこと」という意味
「安直」と「安易」の違いについて理解できたでしょうか? 2つとも同じような感じがしますが、それぞれ含まれる意味が異なります。 違いを正しく知って、上手く使い分けできるようにしましょう!
元NHKアナウンサーの著者が教科書通りの敬語ではなく、様々なシーンで使うことができる生きた敬語表現を紹介しています。文法的に正しい敬語でも、言い回しや場面によっては相手に不快感を与えてしまう場合があります。こちらの本では ”気の利いた敬語” の使い方を、言葉のプロがコンパクトに解説しています。
同じ内容でも伝え方次第で結果が全く変わってしまう。そんな経験をしたことがある方もいるのではないでしょうか?実は言葉の選び方や順序には公式があり、それに気付きさえすれば、ビジネスシーンだけではなく人生全般でのコミュニケーションを円滑にすることができます。こちらの本では、相手の返事を「ノー」から「イエス」に変える具体的な方法が体系化されています。
偏差値35だった筆者が、二年間の浪人と東大合格の末にたどり着いた読書術を余すところなく大公開しています。文章を読み込む力や論理的に整理する力などが劇的に向上する実践的な読み方が分かりやすく解説されています。仕事・勉強の生産性を上げたい人にも読書嫌いにも効果テキメンの一冊です。