「素養」という言葉をご存知でしょうか。「素養を高める」「素養を身につける」などと言いますが、聞き覚えあるでしょうか。比較的「素養」は日常会話でも多く使われています。意味を知っていないと、話の内容が理解できませんよね。どんな意味かはおおよそ知っているけれど、具体的に「素養」がどのようなことを表しているのかは疑問に思っているかもしれません。また、似た言葉に「素質」「教養」「資質」がありますが、それぞれ意味が異なるのでしっかりと使い分ける必要があります。そこで今回は「素養」の意味や使い方、類語との違いについて解説していきます。「素養」を正しく覚えて、上手く使えるようにしましょう!
「素養」は<そよう>と読みます。 「すよう」と読んでしまわないように注意しましょう。 「素」は音読みだと「ソ・ス」、訓読みだと「もと・もとより」と読みます。 「素」は「もとからの。ふだんの」を意味します。 「養」は音読みだと「ヨウ」、訓読みだと「やしなう」と読みます。 「養」は「精神的な糧を与えてりっぱに育てる」を意味します。 「素養」の意味は「平素の修養。かねてから学びおぼえたこと。かねて養った力」です。 普段の練習や学習によって身につけた知識や教養、たしなみ・後天的に学んだ技能を表します。 日頃の教育や自身の努力などから教養や技芸を一通り習得することなので、生まれ持ったものではなく、生まれた後に得たものということになります。
普段から心がけて身につけた知識や技能を表す場合に「素養」を使います。 例えば、「絵の素養がある」「音楽の素養を身につける」などと言います。これは、「常日頃の学習によって身につけた絵描きの技能」「常々の学びから音楽の知識を習得する」という意味になります。 このように、「茶道の素養」「漢文の素養」などと、芸事や勉学に関して使うことができます。 また、「◯◯的素養」という形でも使います。「文学的素養」「芸術的素養」「科学的素養」「哲学的素養」などと言います。 言い回しとしては、
などとなります。
例文
「素養」・・・日頃からの練習や努力によって身につけた知識やたしなみ 「素質」・・・生まれつき持っている性質で、将来的にそれを発揮することが期待できる能力 「教養」・・・社会人として必要な、幅広い文化に関する知識や常識 「資質」・・・生まれつき備わっている性質や才能
「素質」の意味は「個人が生まれつき持っていて、性格や能力などのもととなる心的傾向。特殊な能力などについていう」です。 持って生まれた性質・将来あるものになるのに必要な能力や性質を表します。 「素」は「もとからの。ふだんの」、「質」は「生まれつき。たち」を意味します。 「素質」は生まれつき備わって性質だけでなく、それが将来的に高いところに進むことが期待できる能力であるという場合に使います。 例えば、「彼女には芸術家としての素質がある」といった場合は「彼女は芸術家として、将来活躍することが期待できる能力を生まれつき持っている」という意味になります。
例文
「教養」の意味は「 社会人として必要な広い文化的な知識。それによって養われた品位」です。 社会生活を営む上で必要となる広い文化的な知識・生活をしていく中で学ぶ品位を表します。 「教」は「おしえる。おしえ」、「養」は「精神的な糧を与えてりっぱに育てる」を意味します。 基礎となる文化的内容・知識・振る舞い方などは、時代や民族の文化理念の変遷に応じて異なります。 「教養」は生まれつきではなく、後天的に身につくものです。 また、「教養」は「単なる知識でなく、人間が精神的全人的に発展させるために養われる学問や芸術」という意味で使うこともあります。 「教養」はある程度広い、様々な分野の知識や常識を表す場合に使います。主に、「教養を高める」「深い教養」「一般教養」「教養を積む」などと言います。
例文
「資質」の意味は「生まれつきの性質や才能。資性。天性」です。 その人が生まれつき備えている能力や性質・物事を巧みにこなすことができる生まれ持った性質を表します。 「資」は「もちまえ。たち」、「質」は「生まれつき。たち」を意味します。 例えば、「プロレスラーとしての資質がある」といった場合は「プロレスラーとしての天性の性質を持っている」ということを表します。 「資質」は「素質」とほぼ同じ意味ですが、意味合いが少々異なります。2つとも「生まれ持った才能」を表していますが、「素質」は「将来的に、その効果が期待できるような性質」というニュアンスを含みます。 このように、「資質」と違い「素質」は、将来的に活躍できるといったイメージを伴います。
例文
素地<そじ> (意味:さらに手を加えて仕上げるもととなるもの) 「素地があるからこそ上達が速い」 嗜み<たしなみ> (意味:たしなむこと。すき。このみ) 「いささか華道に嗜みがある」 心得 (意味:技術や技能などを身につけること) 「彼は武術の心得がある」 覚え (意味:技術上の手腕についての自信) 「私は腕に覚えがある」 基礎 (意味:それを前提として事物全体が成り立つような、もとい) 「基礎を固めてから実践する」 土台 (意味:物事の基本。もとい。基礎) 「人間関係が土台から崩れるような事件である」 根底 (意味:物事の土台となっているところや事柄) 「君の考えは根底から間違っているよ」 地盤<じばん> (意味:基礎となる土地。事をなす根拠地。勢力範囲) 「必ず成功させるためにも、確固たる地盤を築く」 下地 (意味:物事をなすための、また、ある状態になるための基礎となるもの) 「幼い頃から芸術の下地を養う」 基本 (意味:物事がそれに基づいて成り立つような根本) 「知識の基本を身につける」 根本 (意味:物事が成り立つ、そもそもの大本) 「その理論は根本から違う」
「素養」にぴったり合う英語表現はありません。 「知識」という意味の「knowledge」で代用することができます。
You don't have enough knowledge about engineering.
君はエンジニアとしての素養がないね。
「素質」を意味する英語は「talent」になります。 「be talented in...」で「...の素質がある」となります。
She is talented in math.
彼女は数学の素質がある。
科学的に正しい英語勉強法
こちらの本では、日本人が陥りがちな効果の薄い勉強方法を指摘し、科学的に正しい英語の学習方法を紹介しています。読んだらすぐ実践できるおすすめ書籍です。短期間で英語を会得したい人は一度は読んでおくべき本です!
正しいxxxxの使い方
授業では教わらないスラングワードの詳しい説明や使い方が紹介されています。タイトルにもされているスラングを始め、様々なスラング英語が網羅されているので読んでいて本当に面白いです。イラストや例文などが満載なので、この本を読んでスラングワードをマスターしちゃいましょう!
職場で英語が必須な方や海外留学を検討している方など、本気で英語を学びたい人にオススメの英会話教室、オンライン英会話、英語学習アプリを厳選した記事を書きました!興味のある方はぜひご覧ください。
「素養」について理解できたでしょうか? ✔︎「素養」は「そよう」と読む ✔︎「素養」は「普段の練習や学習によって身につけた知識や教養」を意味 ✔︎「素養を身につける」「素養を備える」「素養を高める」などと使う ✔︎「素養」の類語には、「素地」「土台」「根本」などがある