「机上の空論」という言葉をご存知でしょうか。「あなたの計画は机上の空論だ!」「その考えは机上の空論に過ぎないよ」などと聞いたことがあると思います。「机上の空論」と言うと、なんだかかしこまった印象を受けますが、どのような意味なのでしょうか。また、何の場面で使うことができるのでしょうか。疑問に思うことがたくさんありますよね。正しく使うためには、意味をしっかりと理解しておく必要があります。そこで今回は「机上の空論」の意味や使い方、語源、「絵に描いた餅・絵空事」との違いについて解説していきます。「机上の空論」を正しく知って、上手く使えるようにしましょう!
「机上の空論」は<きじょうのくうろん>と読みます。 「つくえじょうのくうろん」「つくえうえのくうろん」と読んでしまわないように注意しましょう。 「机上の空論」の意味は「机上で考えただけで、実際には役に立たない案や意見」です。 頭の中だけで考えられた、実際には役に立っていない理論や計画・使えない案や意見を表します。 「机上」は「机のうえ」で、「空論」は「実際とはかけはなれた無益な議論」を意味します。 実戦や現場を知らないものが、頭の中で考えただけの現実には似つかわしくない理論や考えを指します。
「机の上」を表す「机上」と「役立たない理論」を表す「空論」を足すことによって、「頭の中だけで生み出された計画」を意味する「机上の空論」という言葉ができました。 元々は「机の上という小さな空間だけで生み出しただけの空しい理論」という意味でしたが、だんだんと「実際においては何にも役に立たない薄っぺらい理論。現実性を伴っていない計画や議論」という意味になりました。
現実から離れていて、実際には何も役立たない議論や計画を表す場合に「机上の空論」を使います。 例えば、宝くじで5億円当たったとした場合。そのお金をマイホーム建設に当てるか、それとも新しいお店を開くための資金とするかなどと考えることを「机上の空論」と言います。 「机上の空論」は、生み出した理論や考え方に実体がないものを対象とする場合に用います。 内容が壮大過ぎたり、実現することが不可能である計画に関して使うことが多いです。 主に、理想ばっかりで現実を見ていない人に対して『君の考えは綺麗事である!』という意味合いで使います。 「砂上の楼閣(さじょうのろうかく)」と混同して「机上の楼閣」「砂上の空論」と使われることがありますが、間違いです。 「机上の空論」を略して「机上論」と使われることがありますが、これは使っても問題ありません。 言い回しとしては、
などとなります。
例文
「絵に描いた餅」の意味は「役に立たない物事。計画だけは立派だが実行が伴わないこと」です。 ものすごく美味しそうな餅であっても、絵に描いてあるものでは食べることができないという意味合いからきています。 「絵に描いた餅」は「何の役にも立たないこと。計画は優れているが、実際には実現する可能性のないこと」 「机上の空論」は「頭の中だけで考えられた、実際には役に立っていない理論や計画」 「絵に描いた餅」も「机上の空論」も「実際には役立たない」という意味ですが、使い方が異なります。 「絵に描いた餅」の対象は”形のあるもの”かということです。 「机上の空論」は考えや案などと目に見えないものですが、「絵に描いた餅」は計画などの目に見えないものから実体のある目に見えるものを対象としています。 「机上の空論」の方が表す範囲が狭いということになります。
例文
「絵空事」は<えそらごと>と読みます。 「絵空事」の意味は「絵は画家の作意が加わって、実物そのものではないということ。物事に虚偽や誇張の多いこと」です。 「空事」は「事実にもとづかないこと。つくりごと」を意味します。 「絵空事」は「実際にはありもしないこと。誇張し過ぎていて、現実にはありえない大袈裟なこと」 「机上の空論」は「頭の中だけで考えられた、実際には役に立っていない理論や計画」 このように、「絵空事」と「机上の空論」では意味が異なります。 「絵空事」は「物事に偽りがあったり、大袈裟で誇張した表現が多いこと」を表します。 「机上の空論」とは違い、理想や夢といったものが大きく含まれています。
例文
砂上の楼閣<さじょうのろうかく> (意味:永続きしない物事。または、実現不可能な計画) 「完璧な企画を考えたんだけど、結局砂上の楼閣だった」 紙上兵を談ず<しじょうへいをだんず> (意味:実践を伴っていなくて、役に立たないこと) 「君の考えは紙上兵を談ずだよ。もっと現実味あることを考えてくれ」 畳水練<たたみすいれん> (意味:理屈はわかっていても、実地には何の役にも立たないこと) 「畳水練でもいけないので、次回は実際に実践に移る」 畳の上の水練 (意味:理屈はわかっていても、実地には何の役にも立たないこと) 「人の話を聞いただけでは畳の上の水連なので、実際にやってみよう」 捕らぬ狸の皮算用 (意味:不確実な事柄に期待をかけて、それをもとにした計画をあれこれと考えること) 「捕らぬ狸の皮算用、ボーナスに期待して計画を立てても上手く行くとは限らないよ」 机上の計算 (意味:現実性を伴わない単なる目論見での計算) 「そんなのは君の机上の計算だから、しっかり現実を見ないと」
空理空論 (意味:現実味がなく意味のない理論) 「空理空論ばっかり言っていても、仕方がない」 夢物語 (意味:夢に見たことを、覚めてから後に物語ること) 「彼女が語っているのは夢物語だから信じない方がいい」 画餅<がべい> (意味:実際の役に立たないもの) 「計画が壮大過ぎるから、画餅に帰すよ」 空想 (意味:現実にはありえないはずのないことを色々と思い巡らすこと) 「彼はあれこれと空想にふけている」 妄想 (意味:根拠のない主観的な考えや想像) 「あの人は被害妄想が激しい」 幻想 (意味:現実にないことをあるように感ずる想念) 「起こるはずもないが幻想を抱く」 理想 (意味:未だに現実には存在していないが、実現可能なものとして行為の目的であり、その意味で行為の起動力であること) 「理想は高く持った方がいい」
言い勝ち功名<いいがちこうみょう> (意味:少々筋が通らない考えでも、言葉数が多い方が勝つこと) 「言い勝ち功名というし、言い負かせばいいんだよ」 現場主義 (意味:実際に業務の行われている場所で問題点を捉え、それを改善し能率と業務の質の向上を計ること) 不言実行 (意味:あれこれと言わずに善いと信ずるところを黙って実行すること) 「物事を成功させるためには、不言実行する必要がある」 訥言敏行<とつげんびんこう> (意味:徳のある人は、口数は少ないけれど行動が敏速であること) 「訥言敏行を目標として、ものごとに取り組む」 現実論 (意味:建前より、現実に即して考えてゆこうとする立場) 没理想 (意味:理想や主観を捨てて、現実を客観的に観察し描写しようとする立場)
結論から言うと、「卓上の空論」という言葉は存在しません。 「机上の空論」と同じような意味で使われていますが、実際には「卓上の空論」という言葉はないのです。 「机の上」と「卓の上」では違いはないように思いますが、「卓上」とは「食事をするための机。食卓の上」になります。 ですので、「卓上の空論」と言ってしまうと違和感があります。 「机上」は仕事や勉強などに関連しているものごとに関して使われるので、「机上の空論」が正しいとされます。
「机上の空論」は英語で「It looks good on paper.」になります。 直訳すると「紙の上でよく見える」になります。 「実践的ではない」という意味ではない「impractical」という単語もあります。
It looks good on paper, but it won't work actually.
それは机上の空論で、実際には機能しないよ。
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「机上の空論」について理解できたでしょうか? ✔︎「机上の空論」は「きじょうのくうろん」と読む ✔︎「机上の空論」は「頭の中だけで考えられた、実際には役に立っていない理論や計画」を意味 ✔︎「君の考えは机上の空論だ」「それは机上の空論に過ぎない」などと使う ✔︎「机上の空論」の類語には、「砂上の楼閣」「畳の上の水練」「画餅」などがある