「喜怒哀楽」という言葉をご存知でしょうか。「喜怒哀楽が激しい人」「基礎哀楽を表に出す」などと聞き覚えがあると思います。「喜怒哀楽」は日常会話でも比較的よく使う表現です。「喜怒哀楽」の意味は字面からイメージできますよね。文字通り、人間の感情を表しています。ただ、意味はわかるが、使い方がいまいち分からないという方が多いはずです。言葉を適切に使うためにも、今一度確認しておく必要があります。そこで今回は「喜怒哀楽」の意味や使い方、語源、類語について解説していきます。「喜怒哀楽」を正しく知って、上手く使えるようにしましょう!
「喜怒哀楽」は<きどあいらく>と読みます。 「喜怒哀楽」のそれぞれの意味は、 「喜」==> よろこぶこと。嬉しく思うこと。また、その気持ち (例):宝くじを当てて喜ぶ。プレゼントをあげたら喜んだ 「怒」==> いかる。腹をたてる。しかる (例):忘れ物をしたら怒られた。勉強をしろと怒られる 「哀」==> 泣きたくなるほど辛い。心がいたんでたえられない (例):愛犬が亡くなって哀しむ。お金が盗まれて哀しむ 「楽」==> 満足で愉快な気分である。快い (例):休日は好きなことをして楽しむ。動物園を楽しむ といったようになります。 「喜怒哀楽」とすることで、「喜びと怒りと悲しみと楽しみ。様々な人間感情」を意味します。 人間が持っている色々な感情・たくさんある感情のうちの基本的な4つの感情を表します。 人間は怒ったり、笑ったり、泣いたり、楽しんだりと様々な感情を持っています。 これらの感情を分かりやすく表したのが、「喜怒哀楽」という四字熟語です。
「喜」は「よろこぶこと」、「楽」は「たのしむこと」です。2つとも同じ感じがしますが、何か違いはあるのでしょうか? 「喜」は自らが成し得た成果を嬉しく思うこと、「楽」は趣味や娯楽などをして満足で愉快な気分になることです。 例えば、「喜」はゲームを買ってもらえたこと、「楽」はゲームをすることとイメージできます。 喜んでいるときは、楽しいという感情も付いてくる訳ではありません。 例えば、試験で良い点取ったり、何かに合格したときなどに喜びはしますが、必ずしも楽しいとは思いませんよね。 大学に合格したときは「喜び」、大学に通っているときは「楽しみ」などと当てはめてみると、なんとなく「喜」と「楽」は全くの感情であるということが分かります。 他人のために苦労してまで尽くすことで喜びを見出す場合などと「喜」だけがあり、「楽」はないというパターンもあります。「喜」は「達成感」で、「楽」は「満足感・快楽」などと覚えておきましょう。
「喜怒哀楽」という言葉は『礼記』の「中庸」に由来します。 「喜怒哀樂之未發、謂之中」という一文が出てきます。 これは「喜怒哀楽の感情が生じないことを中という」を意味します。 また、「悲」という字ではなく「哀」が使われている理由としては、 「哀」は「口」と「衣」にふたをしてしまうことで、感情をあまり表に出さないで泣く様子を表します。 「悲」は「非」+「心」で成り立っていて、心が引きちぎられて人が互いに背を向ける様子を表します。 このように、「悲」よりも「哀」の方が人の感情を強く表しているため「哀」が使われています。 中国では「喜・怒・哀・楽・怨」の五つの感情をまとめた「五情」という言葉があります。 書物『三字経』では、「喜・怒・哀・懼・愛・悪」の七つの感情を人は持っていると言っています。
「喜怒哀楽」は、人のいろいろな感情を表す場合に使います。 例えば、「彼女はサバサバした性格なだけに、喜怒哀楽もなかなか激しい」などと言います。これは「彼女はさっぱりした性格ということもあって、喜んだり怒ったりと、相手を考えず、自分の思うままの感情を出してしまう」という意味になります。 「喜怒哀楽が激しい」などは「相手のことを考えず、感情を露わにする」というニュアンスが含まれているため、少々マイナスな印象を表します。 感情豊かな相手を褒める場合は「君は喜怒哀楽が激しいね」などではなく、「表情が豊かだね」「感受性が豊かだね」などと他の言葉に言い換えるのが良いでしょう。 実は、「喜怒哀楽」は漢字の並び方には意味があります。 「喜」の反対は「怒」、「哀」の反対は「楽」です。「喜怒」と「哀楽」とそれぞれ反対の意味を表す漢字を組み合わせています。ですので、「怒喜楽哀」「哀喜怒楽」といったように並び順を変えて使うことはできないので注意してください。 言い回しとしては、
などとなります。
例文
感情 (意味:喜怒哀楽や好悪など、物事に感じて怒る気持ち) 「だんだんと感情が高ぶってくる」 私情 (意味:個人としての情。個人的感情) 「あまり私情ははさまない方がいいよ」 情操<じょうそう> (意味:感情のうち、道徳的や芸術的などと社会的価値をそなえた複雑で高次なもの) 「芸術に関しての情操を養う」 情緒<じょうちょ> (意味:折に触れて起こる様々の感情。そのような感情を誘い起こす気分や雰囲気) 「あの人は情緒不安定だから、あまり近づかない方がいいよ」 嬉笑怒罵<きしょうどば> (意味:人間が持っている感情) 「彼は嬉笑怒罵が激しい」 機嫌気褄<きげんきづま> (意味:人間の機嫌) 「彼女の機嫌気褄を取らなくてはいけない」 酸いも甘いも (意味:経験豊富で、甘い経験も苦い経験も知っているさま) 「彼の素晴らしさは、酸いも甘いも知っている人にだけ分かる」 哀歓<あいかん> (意味:かなしみとよろこび) 「彼女は哀歓を共にした仲だ」 苦楽 (意味:くるしみとたのしみ) 「苦楽を共にして協力する」
「喜怒哀楽」は、4つの漢字が単独で意味を成しています。この他にも、同じ成り立ちの四字熟語があるので紹介します。
「春夏秋冬」:春と夏と秋と冬。四時。四季 「東西南北」:四方。諸方。方向。方角 「起承転結」:物事や文章の順序や組立 「花鳥風月」:天地自然の美しい景色。風流な遊び 「冠婚葬祭」:古来の四大礼式。元服と婚礼と葬儀と祖先の祭祀のこと 「生老病死」:生まれること・老いること・病むこと・死ぬことの人生における四つの苦 「風林火山」:疾如風・徐如林・侵掠如火・不動如山、と戦いにおける四つの心構え 「老若男女」:年齢や性別に関わらない、あらゆる人たち 「聡明叡智」:生まれたときから賢くて才能があり、先のことを見通すことができるさま 「士農工商」:士と農と工と商。江戸時代の封建社会の身分観念に従って、上位から順に並べたもの
「喜怒哀楽」は英語で、
などになります。
My feeling is always written all over my face.
私は喜怒哀楽がよく顔に出る。
He is a person of moods.
彼は喜怒哀楽が激しい。
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「喜怒哀楽」について理解できたでしょうか? ✔︎「喜怒哀楽」は「喜びと怒りと悲しみと楽しみ。様々な人間感情」を意味 ✔︎「喜ぶ」と「楽しむ」は似ているが、全く別の感情 ✔︎「喜怒哀楽が激しい」「喜怒哀楽を表に出す」などと使う ✔︎「喜怒哀楽」の類語には、「感情」「酸いも甘いも」「哀歓」などがある