「そいつは重畳だ!」なんて言葉を聞いたことがありませんか? 時代劇などで使われている言葉です。 今回はそんな「重畳」の正しい意味と使い方を、例文つきで解説します。 また、類語や英語表現も紹介します。
「重畳」は<ちょうじょう>と読みます。 意味は、2つあります。 意味①幾重にも重なること、ますます重なること、重ね重ね 意味②この上もなく満足なこと、大変喜ばしいこと(感動詞的にも用いる) です。 まずは語源から説明していきます。
まず①の「重ね重ね」といった意味になったのは、「重」にも「畳」にも「かさねる」といった意味があることから、重複表現で「重ね重ね」となりました。 そして、「重畳」が②の意味の「大変喜ばしいこと」となったのかというと、畳は昔とても高級品であったことから来ています。 高級品(=めでたい)ことが重なる(=たくさんある)ことは喜ばしいことです。 高級品が重なることが転じて「大変喜ばしいこと」といった意味になりました。
「重畳」はあまり日常生活では使われていません。 意味①はかしこまった文章や厳粛な場面などでは用いられています。 意味②はよく時代小説や、時代劇などで見聞きする言葉です。 ですが、最近ではあまり使われていません。 そんな「重畳」にはいくつかの言い回しがあります。 それらを紹介していきます。
「重畳たる」は、①の意味が使われている言葉です。 「重畳」に、断定を意味する「たり」の連体形である「たる」を付けています。 そうすることで「重畳」の意味を強めた言い回しになります。 現代では日常的にはあまり使われていない言い回しですが、小説や雑誌などかしこまった文章で用いられています。 主に、景色など壮大なものに使われることが多く「重畳たる山岳」「重畳たる岩石」などと使われます。
「重畳」は時代劇ではよく耳にする言葉で、殿様にいいことがあるときに使う言葉です。 例えば藩の繁栄であったり後継者となる世継ぎ生まれるときなどです。 その際に部下が言うお祝いの言葉は「重畳の至りに存じ奉(たてまつ)ります」です これは「この上なく喜ばしく思います」といった意味です。 これに対して殿様は「重畳、重畳!」と返します。 この「重畳、重畳!」は「いいね、いいね!」「上出来、上出来!」といったようなニュアンスです。 この会話は「重畳」②の意味が使われており、殿様の「重畳、重畳!」は感動詞的に用いられています。 今度時代劇など見る機会があれば「重畳」と言うか注目してみてください。
これも「それは上出来だ!」「結構なことだ!」といったようなニュアンスで使われています。 最近では時代モノのゲームのキャラクターなどが、「そいつは重畳だ」と使っているようです! ここでいう「そいつ」は人を指しているではなく、状況を指しています。 これも「重畳」意味②で使われています。
これは、電気回路で使われている言葉です。 電気回路計算に利用される手法のひとつで、「重ね合わせの理」とも呼ばれているようです。 詳しいことは、電気回路のサイトを見るのが早いのですが、、、 「重畳の理」は、複数の電源要素をひとつに着目し、回路計算を単純にする定理のようです!
それではいくつか「重畳」の例文を意味①と意味②に分けて紹介します。
「岩石が重畳する風景が素晴らしかった」 「本日の資料の一部の内容は、前回配布した資料と一部重畳する」 「池には蓮の葉が青々として重畳している」 「地震の背景には、地球の外郭を構成する多様な地層の重畳したものがある」 「重畳たる山岳の頂が雪をかぶっている」
「なかなか因縁の多い仕事だったが、めでたく終わって重畳じゃ」 「無事だったことが何よりも重畳」 (会話) 「ここ最近雨が続いて億劫だね」 「明日からは晴れるみたいだよ」 「そいつは重畳!」 (会話) 「最近の売上はどうかね?」 「我々の店舗では毎月100万以上の売上を出しています」 「ほぉ〜重畳、重畳!」
○重ね重ね 意味:同じ事態や行為が繰り返されるさま、念を入れるさま …主に、ビジネスメールなどで謝意を伝えれる際に使われている言葉です。 (例文) 「重ね重ねお祝い申し上げます」 「重ね重ねのお願いで大変恐縮ですがご検討くださいますようお願いいたします」 ○度々 意味:同じ物事が何回も繰り返されるさま (例文)「最近は度々会議が行われいてるが、何かあったのだろうか」 ○再三 意味:二度も三度も、しばしば (例文)「再三に渡り交渉した結果、ようやく認められた」 ○幾重にも 意味:何度も重ねて、かさねがさね (例文)「幾重にも保険をかけ、いくつかの案と資料を用意した」
○めでたい 意味:祝うべきこと、喜ばしい …「めで」は賞賛するという意味の「めづ」の連用形から来ています。それに程度の甚だしいさまを表す形容詞の「いたし」が付き、賞賛する以外に素晴らしい」が原義です。 (例文) 「めでたい席に呼ばれ、感無量である」 「なんともめでたい!」 ○慶事 意味:祝い事、めでたいこと …結婚や出産などのお祝い事を指す言葉です (例文)「身内の慶事が続いていて祖父母も嬉しそうだ」 ○吉事(きちじ) 意味:めでたいこと、縁起がいいこと (例文)「新年早々に吉事があり、幸先良さそうだ」 ○上出来 意味:物事がうまく運ぶこと、仕上がりが良いこと、優れていること (例文) 「入社一年目でここまでこなすとは上出来だ」 「今回のプレゼンは我ながら上出来だ」
「重畳」の英語表現の英語表現を見ていきましょう。 「重なる」という意味の英語は「superpose」、「重畳」という名詞は「superposition」と表現します。どちらも難しい言葉です。 「満足」を意味する「重畳」は「happy, glad, satisfied」などを使えばOKです。
I'm happy about that.
そいつは重畳だ。
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「重畳」について理解できたでしょうか? ✔「ちょうじょう」と読む ✔「重ね重ね」と「喜ばしいこと」の2つの意味を持つ ✔現代ではあまり使われていない言葉 時代劇を見る時や時代小説を読む際に、意味がわかっているとより面白くなります。 また、何か良いことが会った時に「そいつは重畳!」などというと、なんだか楽しくなりそうですよね。(?) ぜひ使ってみて下さいね!