「痛み入ります」の正しい意味、使い方、それに対する返答は知っていますか?「痛み入ります」は「恐れ入ります」と同じようなニュアンスで、ビジネスシーンでもよく使われるフレーズですが、正しい意味を理解していない人も多いのではないでしょうか?また「痛み入ります」と「恐れ入ります」もニュアンスが微妙に違うので注意が必要です。今回は「痛み入ります」の正しい使い方を徹底解説したします。
「痛み入ります」は「いたみいります」と読みます。 「いたみはいります」と読むのは間違いですので注意しましょう。
「痛み入る」には相手の親切や好意に恐縮し、感謝することという意味があります。 「痛み入ります」は、他人からの好意や親切に感謝しつつも、自分には(その親切が)もったいないと思い、胸が痛くなるほど申し訳なくなるということを表しています。 「痛み入ります」は目上の相手に対しての敬語として使われる言葉で、「謝罪」の気持ちではなく、あくまでも「感謝」の気持ちを表します。
「痛み入ります」はかしこまった表現であり、取引先や上司など目上の相手に使うことができる言葉でビジネスシーンでは頻繁に使用されます。 「お心遣い痛み入ります」「ご厚情痛み入ります」「お気遣い痛み入ります」といったようにも使えます。 また葬儀や身内に不幸があった際などに、「この度はご愁傷様です」「お悔やみ申し上げます」と言われたときの返答として、「お悔やみ痛み入ります」「ご丁寧に痛み入ります」といったように用いることができます。 「ご忠告痛み入るよ」と嫌味を込めた表現もありますが、これは親しい仲間などに使うもので、本来の使い方とは違います。目上の相手に使わないように気をつけましょう。
「痛み入ります」はかしこまった場面で目上の相手に対して使う言葉なので、親しい友人や同僚に対して使うと皮肉だと受け取られてしまう可能性がありますので注意しましょう。 また、やや古い表現であり「痛み入ります」という言葉を知らない場合もあります。 かしこまった場面や文書などでは用いても良いですが、伝わらないこともあることは念頭に置いておきましょう。
「ご面倒をおかけすることになり、痛み入る思いです」 「◯◯様のお心遣い、誠に痛み入ります」 「わざわざ遠方からのご挨拶、痛み入ります」 「身に余る程お褒めのお言葉をいただき、痛み入ります」 「貴重なご意見、痛み入ります」 「この度の急な申し出を引き受けていただき、ありがとうございます。皆様のお気遣い痛み入ります」
「お心遣い痛み入ります」と「ご厚情痛み入ります」は、相手から気遣いをしてもらい感謝を伝えるときに使うことができる表現です。 「お心遣い」と「ご厚情」は、相手の配慮に対して敬意を払った言葉であり、お世話になっている目上の人に使うことが出来る言葉です。 「ご厚情に痛み入る」は相手のなさけに感謝しつつも、自分にはもったいないと感じ恐縮してしまうことを表します。
「大沢様のお心遣い、痛み入ります」 「この度はご足労いただいたにも関わらずお土産までいただいてしまい、お心遣い痛み入ります」 「渡辺様のご厚情に痛み入ります」 「寛大なるご理解いただきました上に温かい励ましのお言葉まで頂戴し、ご厚情に痛み入ります」
「ご高配」は「相手の配慮」に対して敬意を払った言葉になります。 相手が配慮してくれたり気を使ってくれたこと、また配慮してくれた相手を敬う言葉です。
「平素は格別のご高配をいただき、痛み入ります」 「皆様からのご高配痛み入ります」 「拝啓 時下益々ご盛栄のこととお慶び申し上げます。日頃より当社の事業に格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます」
目上の人がミスを事前に防ぐために忠告をしてくれた時に感謝を伝えることができます。 忠告は、真心をもって相手の欠点や過ちを指摘することです。 目上の人が自分のためを思ってしてくれた忠告に、敬意を払って感謝を伝えられる表現です。 ただ「ご忠告痛み入ります」はかしこまりすぎており、日頃から関わっている上司などに使うと皮肉に取られてしまうことがあります。 「ここ間違っているよ」「こうした方がいいよ」などと言われた場合は「すぐに直します」「ありがとうございます」などと使いましょう。
「ご忠告いただき、痛み入ります」 「○○の件、ご忠告痛み入ります。今後このようなことがないよう努めて参ります」
「痛み入ります」と言われた場合、なんて答えたら良いのでしょうか? 例えば「お心遣い痛み入ります」など相手が自分の気遣いに感謝をしてくれた場合は、こちらもいつもお世話になっている感謝を伝えると良いでしょう。 「こちらこそ、いつもお気遣いいただきありがとうございます」などと使いましょう。 「痛み入ります」に対して同じように「痛み入ります」で返すよりは、「ありがとうございます」などと使うと良いでしょう。 また目下の人に「痛み入ります」と言われた場合は「役に立てたならよかった」などと、相手からの感謝と恐縮の気持ちを素直に受け取りながらも、協力できて良かった旨を伝えましょう。
▶「痛み入ります」・・・「相手の親切や好意が自分には勿体無いと感じ、心が痛くなるほど申し訳ない」 ▶「恐れ入ります」・・・「相手の好意や親切に対して感謝の気持ちよりも申し訳ないという気持ちが勝って、恐縮してしまう」
「恐れ入る」には5つもの意味があります。
「痛み入る」と同じ意味なのは「相手の行為をありがたく思う」のみになります。 「痛み入る」と「恐れ入る」は共に心情を表現する言葉ですが、全く同じ意味を表すわけではありません。 相手の好意に感謝の意を表すときに、「痛み入る」か「恐れ入る」、どちらを使った方がいいのか混乱します。 「痛み入ります」の方が感謝の度合いが強くなります。
「恐れ入ります」の例文を紹介します。
◯「相手の行為をありがたく思う」という意味の「恐れ入ります」 「あたたかい励ましの言葉をいただき、恐れ入ります」 「いつもこのようなお気遣い、恐れ入ります」 ◯他の意味での「恐れ入ります」 「またお世話になると思います。そのときは恐れ入りますがお願いしてもよろしいでしょうか」 「恐れ入りますが、出口はあちらでございます」
「恐縮」の意味は「身もちぢまるほどに恐れ入ること」です。 「恐縮です」は、相手に感謝する気持ちや、相手に迷惑をかけて申し訳ない気持ちを表現するときに使う言葉です。 心からの有り難い気持ちを示すこともあれば、形式的に言ってるだけでかなり軽いニュアンスの場合、また相手に対する感謝の気持ちから派生する照れくささを表現している場合などもあります。 「恐縮です」には謝罪の意味が含まれていますが、「恐れ入ります」には含まれていません。
「恐縮です」の例文を紹介します。
「本日はお忙しい中ご足労いただき大変恐縮です」 「わざわざお忙しい中お時間を割いていただき恐縮です」 「お取り計らいをいただき、恐縮です。ありがとうございます」
「お心遣いに感謝いたします」は「お(御)」+「心遣い」+「感謝」+「する」の謙譲語「いたす」で成り立っています。 「心遣い」の意味は「気を配る」「思いやる」です。 「お心遣い」は相手が自分のためにしてくれた好意に対して、思いやりや気配りを感じたときに、それに対しての気持ちを表すときに使用します。 「お心遣い感謝いたします」は、主に取引先や目上の相手や上司などに対して使います。
「お心遣いに感謝いたします」の例文を紹介します。
「皆様のあたたかいお心遣いに感謝いたします」 「毎度のことながら、ご親切なお心遣い感謝いたします」 「わざわざ控え室まで設けてくださり、お心遣いに感謝いたします」
「痛み入る」は「相手の親切・好意に恐縮する」という意味ですが、英語圏の人々に「好意に対して申し訳なく思う」という感覚はありません。相手の好意に対する感情は「感謝」になります。 よって、「痛み入ります」は Thank you for...:...痛み入いります。 となります。 例文を見てみましょう。
Thank you so much for your kindness.
心遣い痛み入ります。
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「痛み入ります」について理解できたでしょうか? ✔︎「痛み入ります」は「相手の好意に恐縮する」という意味で感謝の気持ちを表す ✔︎「痛み入ります」は目上の相手に使う表現 ✔︎「痛み入ります」の返しは「とんでもないです」が良い ✔︎「恐れ入ります」よりも「痛み入ります」の方が感謝の気持ちが強い