「相違」という言葉をご存知でしょうか。字面から「異なっている」「間違っていない」といった意味だとイメージしますよね。では、正確にはどのような意味となるのでしょうか。意味はいくらか推測できても、使い方に疑問を抱く方が多いと思います。そこで今回は「相違」「相違ない」の意味や使い方、類語との違いについて解説していきます。また、ビジネスシーンでの使い方に関しても紹介します。誤用を避けるためにも、この機会に「相違」を正しく理解して上手く使えるようにしましょう!
「相違」の意味は「互いに違っていること。一致しないこと。違い」です。読み方は「そうい」となります。 「相」は「互いに」、「違」は「食いちがう」を意味するので、二つのものの間に違いがあることを表します。 「相違」が表す”違いがある”とは、「なんとなく違っていそう」という意味の「違い」とは異なり、「しっかりと確認されている違い」となります。 例えば、「証言と相違する」「案に相違する」などと言います。 他にも、「友達との意見の相違」といった場合は、私の意見と友達の意見の二つを比べて違いがあるとなり、考えが合わないことを表します。
「相違」を用いた言葉でよく使われる表現が「相違ない」です。 「相違ない」は「判断と事態とに違いがない。確実であること」を意味します。 簡単に言うと、「相違ない」は「違いない」ということです。 「相違ない」は、ある物事が間違いない事実であることを伝える場面で使います。 主に、「◯◯に相違ない」という形で用います。これは「〜に違いない」「きっと〜だろう」という意味です。 他にも、「AとBは相違ない」としたら「AとBの間には違いがない」という意味になります。 例えば、「彼は断るに相違ない」は「彼は断るに違いない」、「あの人が犯人に相違ない」は「あの人がきっと犯人だろう」を表します。
例文
ビジネスシーンでは、お客様や取引先から何かしらの質問を受けたときに、問われたことについて”間違いない”ということを伝える場面が多々あります。 商品についての問い合わせを受ける・事実の確認のため質問を受ける、といったように物事を進めていく上で必要不可欠なことですよね。 ”間違いない”ということを伝える場合に、すでに「相違ありません」と言っている方もいると思います。ただ、「相違ありません」という表現は誤りとなります。 「相違ない」の正しい敬語表現は、「相違ございません」です。 敬語が必要ビジネスシーンでは、「相違ない」の丁寧語が「相違ありません」ではなく「相違ございません」とするのが適します。 「相違ありません」でも十分丁寧な言い方ですが、敬語を聞き慣れている方や敬語の使い方に厳しい人などには、違和感や不信感を抱かれてしまう可能性があります。 ですので、「事実から、これは本物で相違ありません」ではなく「事実から、これは本物で相違ございません」と言えるように意識しておきましょう。
「違いない」は「きっと〜である。〜に決まっている」という意味です。 「◯◯に違いない」という形で、「今日は雨が降るに違いない」「犯人はあの男に違いない」などと使います。 また、「違いない」は「その通りだ」という意味の応答の言葉として、肯定の返事を表します。 『お互いにもうおばさんだね』『そう違いない』などと使えます。 「合格するに相違ない」と「合格するに違いない」、どちらも同じように感じますよね。 違いとしては、 「相違ない」は”間違いない”と、事実がすでに判明している際に使う言葉です。 「違いない」は事実であることが確実でなくても、”間違いない”と独断的に断言する際に使います。 ですので、合格しているという充分な確信・証拠がある場合は「相違ない」、合格しているという充分な証拠がない場合は「違いない」と言います。
「相違ない」の類似表現は以下のようになります。
一般的には、「間違いない」だったり「違いない」を使うことが多いですよね。 ただ、この他にも上記のように、”違いはない”ということを表す表現はたくさんあります。 状況などに合わせて、上手く使いこなせるようにしましょう!
「相違がある」は「相違」+肯定の「ある」なので、「違いがある」という意味です。 「相違がある」は、ある物事が間違っていて事実でないことを伝える場面で使います。 「AとBは相違がある」としたら「AとBの間には違いがある」という意味になります。 例えば、「確認いたしましたところ、先方の提示した金額と相違があります」といった場合は「確認いたしましたところ、先方の提示した金額と違いました」を表します。 「相違がある」を敬語表現にすると、「相違があります」「相違がございます」となります。 相手に問いかける場合は、「相違ありませんか」「相違がございましたら」とします。
例文
「差異」は「他と比較してのちがい」を表します。 複数のものを相互に比較したときの異なる部分を表します。 例えば、「品質の差異」「差異がない」などと使います。 「相違」は「違いがある」、「差異」は「差がある」というニュアンスになります。 「両者の差異を調べる」「両者の相違を調べる」ということはできます。ただ、「性格に相違がある」と言うことはできますが、「性格に差異がある」とは言いません。 「相違」と「差異」はそれぞれ意味合いが異なるので、間違えないように気をつけましょう。
例文
「齟齬」は「(上下の歯がくいちがう意)くいちがい。ゆきちがい」を表します。 物事がうまくかみ合わないこと・意見や事柄が食い違って合わないことを表します。 「両者の意見には齟齬がある」「齟齬をきたすことがないようによく話し合おう」などと使います。 「相違」は「互いに違っていること。一致しないこと。違い」 「齟齬」は「噛み合っていないこと。論点などがずれていて話がうまく進まないこと」を表します。 例えば、「意見の相違がある」としたら「意見が不一致である、両者で違った意見となる」、「意見に齟齬がある」としたら「意見が噛み合わない、論点がずれていて話がうまく進まない」となります。 「齟齬」と「相違」は意味が異なるので、間違わないように注意しましょう。
例文
「乖離」は「そむき離れること。はなればなれになること」を意味します。 元々近い関係のものが離れること・そむきはなれること・結びつきがはなれることを表しています。 「人心の乖離」「理想と現実との乖離」などと言います。 ”離れている”というニュアンスのため、主にマイナスなイメージで使うことが多い言葉です。 「相違」は「互いに違っていること。一致しないこと。違い」 「乖離」は「本来密接に結びつくべきのものが、離れてしまうこと」を表します。 「相違」と「乖離」では、全く意味が異なるのでしっかりと使い分けましょう。
例文
「相異」は「たがいに異なっていること」を表します。 「相異」は「相違」と同じ意味を表す言葉であると考えて問題ありません。 ただ、「そういではありません」と表記するときは「相異」ではなく「相違」とするのが一般的です。
例文
「違う」は「互いに行き外れること。すれちがう。ゆきちがう」を表します。 基準となるもの、正しいものと一致しない状態である・間違っていることを意味します。 例えば、 「この件に関しましては、我々と先方の認識が違うようです。今後も粘り強く交渉を続けていきます」 『もしもし、お蕎麦屋さんですか』『いいえ、違います』 などと使うことができます。
「異なる」は「あるものが他のものと同じでない。ちがうこと」を表します。 「親子でも性格は異なる」「真実と異なる」などと、一般的にも使うことが多い言葉です。 例えば、 「事実と異なります。もう一度、調査をお願いいたします」 「前回打ち合わせた内容と大幅に異なっています」 などと使うことができます。
「間違い」は「あやまり。まちがうこと。しくじり・過失」を表します。 「間違いを訂正する」「間違いがないかよく確認しておく」などと使いますよね。 例えば、 「お問い合わせの件に関しましては、おっしゃった通りで間違いありません」 「私の犯行で間違いありません。誠に申し訳ありませんでした」 などと使うことができます。
「食い違う」は「(歯がうまく噛み合わない意から)物事がゆきちがう」を表します。 物事や意見などがうまく一致しないことを意味しています。 例えば、 「彼の意見はいつも私の意見と食い違っている。彼の考えていることはよく分からない」 「申し訳ありません。認識が食い違っていました。すぐに内容を修正して再交渉に臨みます」 などと使います。
「相違ない」は英語で「true and correct」といいます。 「true」の意味は「真実の、本当の、偽りのない」 「correct」の意味は「(欠点、誤りがなく)正しい、正確な」 になります。この2つの単語を「and」で繋ぐことで。「真実であり、かつ、正確である」というニュアンスを表現することができます。 その他にも「正しい」を意味する単語は「right」「accurate」などもあります。それらの違いに関しては、下記の記事を参考にしてみてください。
「truen and correct」の例文を見てみましょう。
I'm totally sure that what you've just said is true and correct.
あなたがただ今おっしゃったことは相違ないと確信しております。
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「相違」について理解できたでしょうか? ✔︎「相違」は「互いに違っていること。一致しないこと。ちがい」を意味 ✔︎「相違ない」は「判断と事態とに違いがない。確実であること」を意味 ✔︎「相違ない」は、”間違いない”と事実がすでに判明している際に使う ✔︎「相違」の類語には、「齟齬」「差異」「相異」などがある