「けしからん」という言葉をご存知でしょうか。「けしからん奴だ」「全くけしからん!」などと使います。日常会話でも時々使うことがありますよね。「けしからん」はほとんどの人が、見聞きした覚えがある言葉だと思います。では、「けしからん」の意味についてしっかりと理解しているでしょうか。「けしからん」は少々古い言葉ということもあって、正しく意味を知っている人は少ないです。いざという時に正しく使うためには、意味について適切に覚える必要があります。そこで今回は「けしからん」の意味や使い方、語源、類語、対義語について解説していきます。「けしからん」を上手く使えるようにしましょう!
「けしからん」の意味は、 1.理屈や礼儀に外れていて良くないこと 2.怒っている気持ちを表出する語 です。 「けしからん」は「物事の様子や人の行為が好ましくないこと」を表す語です。 「行為や態度が道理から外れていることに対して怒っている。腹が立っている様子」を表す語でもあります。 「けしからん」は漢字だと「怪しからん」もしくは「異しからん」と書きます。ただ、「けしからん」とひらがなで書くことが一般的です。
「けしからず」==>「けしからぬ」==>「けしからん」と変化しました。 「けしからず」は形容詞「怪し」の未然形「けしから」+打ち消しの助動詞「ず」で成り立っています。 「怪し」とは「怪しい。異様である。異常である」という意味です。 ただ「怪し」に打ち消しの助動詞「ず」を付けると、「怪しくない。普通である」という意味になってしまいます。 単に解釈すると「普通である」という意味になりますが。「けしからん」は「怪しい」ということを強めた表現で、これは「ず」の「◯◯どころではない」という意味が、否定にならずに強調に変わったと言われています。 「怪しいなんてものではないよ」と言うと、「怪しいと言うよりもさらにずっと怪しい」というニュアンスになります。 昔は「けしからん」は「怪しい」という意味であって、「腹が立っている」という気持ちは含まれていませんでした。 ただ、だんだんと意味が変化していって、今現在使われている「憤慨する。怒っている」という意味になりました。
「けしからん」は2つ意味があります。 1つめの「理屈や道理に外れている」という意味では、物事や言動が良くないということを表すときに使います。 例えば、「無礼でけしからん奴だ」「けしからんことを言うね」などと言います。 このように、相手が非常識であったり、考えが道理に外れているという場合に使うのが適します。 2つめの「怒りの気持ちを表す語」という意味では、主に「◯◯するとはけしからん!」という形で使います。 アニメ『サザエさん』でも、波平がカツオを叱るとき『けしからん!』と言っているシーンがありますよね。 「けしからん」は古めかしい表現ということもあって、軽くふざけている印象を与えてしまいます。 最近は「怒る・叱る」と本来の意味ではなく、「あんなに短いスカートを穿いているとは、けしからんね〜」「子犬は本当に可愛くてけしからん」などと、賞賛や感動した場合に使っていることが多いです。 このように、「けしからん」は違う意味で使われていることがあるので、使う際は注意が必要になります。
例文 「理屈や礼儀に外れていて良くない」という意味
「怒っている気持ちを表出する語」という意味
不埒極まる(ふらちきわまる) (意味:道理に外れていることに達する) 「不埒極まる考えだ」 不届き極まる (意味:法に背いていることに達する) 「あの人は不届き極まるから放っておこう」 不届き千万 (意味:甚だしく法に背いていること) 「君の意見は不届き千万だね」 不届きな (意味:あることに行き届いていないこと) 「なんて不届きな解釈だろう」 罰当たりな (意味:何かひどいことをして罰が当たること) 「ご飯を残すなんて罰当たりだ」 不道徳な (意味:道理に反していること) 「君の行為は不道徳だよ」 理不尽な (意味:道理から外れていること) 「理不尽な要求で困ってしまう」 邪念 (意味:正しくない思い) 「邪念を取り払わなくてはいけない」 邪な(よこしまな) (意味:道理から外れていること) 「邪な思いだから、早く忘れてしまいな」 裏のある (意味:表に現れない事柄) 「この事件には何か裏がある」 下心を持つ (意味:心の中で密かに考えていること) 「下心を持っているのがバレバレだ」 偽善的な (意味:本音ではなく、うわべだけの良い行い) 「なんとも偽善的な活動だ」
感服 (意味:深く心に感じ、敬いつきしたがうこと) 「素晴らしい演奏を聴くことができ感服の至りだ」 感心 (意味:心に大きく響くこと) 「あまりの優しさに感心した」 敬服 (意味:敬ってつきしたがうこと) 「彼の才能に敬服する」 脱帽 (意味:その人の足元にも及ばないと敬意を示すこと) 「実力以上の出来に脱帽した」 正念(しょうねん) (意味:本心。本音) 「常に正念で話さなければいけない」 善行 (意味:良い行い) 「善行を働く」 功徳 (意味:功績を上げて、徳行を立てること) 「日々功徳を重ねる」 篤行(とっこう) (意味:真心がこもっている忠実な行い) 「篤行ができる人になりたい」
「けしからん」の英語表現を見てみましょう。 「無礼」という意味合いならば、
などになります。 「無法・社会的に問題があり怒りに値する」という意味では、
などになります。
It's outrageous to say such a thing in public.
人前でそんなことを言うのはけしからん。
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「けしからん」=「怒り」なので、絵文字としては怒っている様子を表すものが良いでしょう。 よく使われている絵文字を紹介します。 「ヽ(#`Д´#)ノ」<== 怒っている顔と手がいかにも『コラッー!』って言ってそうですよね。 「( ̄へ ̄井)」「(-ε´-。)」<== 『イライラ』『ムカムカ』と怒って呆れている様子を表します。 「ヽ(*´Д`*)ノ」「ヽ( ̄▽ ̄)ノ」<== 『もうやっていられないよ』『お手上げさ』などと参った様子を表します。 代表的な絵文字を紹介しましたが、「怒っている様子」を表す絵文字はこの他にもたくさんあります。相手に自分が怒っている様子をさりげなく表現した場合は、このような絵文字を使ってアピールするのが良いでしょう。
「けしからん」について理解できたでしょうか? ✔︎「けしからん」は「理屈や礼儀に外れていて良くないこと」「怒っている気持ちを表出する語」を意味 ✔︎「けしからん奴だ」「けしからん行為だ」「◯◯するなんてけしからん!」などと使う ✔︎「けしからん」は本来の意味と違う意味で使われていることが多くなっているため、使用する際は注意が必要 ✔︎「けしからん」の類語には、「不埒極まる」「不届きな」「罰当たりな」などがある