皆さんは「時期尚早」という言葉をご存知でしょうか。ビジネスシーンでも日常会話でもよく使われる表現ですが、意味を正確に答えられるでしょうか。実は「時期尚早」は間違いの多い言葉なのです。知っているようで知らないという方も多いかと思います。しっかりと意味を押さえておけば、誤って使うことも無くなります。そこで今回は「時期尚早」の意味と正しい使い方、語源、類語、反対語について解説していきます。「時期尚早」をきちんと覚えて、言葉の知識を深めましょう!
「時期尚早」は<じきしょうそう>と読みます。 「時期尚早」の意味は「それを行う時期にはまだなってないこと」です。 まだそのときが来ていない様子・ある事を行うにはまだ早すぎるさまを表します。 単に「時期が早過ぎる」ではなく、「〜するのがまだ早いため、今実行しても上手くいかない」といったマイナスな意味合いも同時に暗示します。 「時期」は「何かをするとき、期間、季節」 「尚早」は、「なお、まだ」を意味する「尚」と、「早い」を意味する「早」が組み合わさって、「そのことをするのにまだ早すぎる」という意味の熟語になります。 厳密には「尚早」の意味の中に「時期」が含まれており、重語ということもできますが、「時期尚早」で1つの四字熟語として定着しています。 厳密には重語なので、「時期尚早」は、単に「尚早」とだけ言っても、同じ意味になります。
「時期早尚(じきそうしょう)」と「時期早々(じきそうそう)」は誤りです。 「早尚」と言う言葉はそもそも存在しません。 「早々」は「急ぐさま、はやばや、間も無く」を意味しています。 「今日は早々と仕事を切り上げる」「仕事に復活して早々風邪を引く」などと使います。 「まだ早い」を意味する「尚早」+「時期」で成り立っている1つの四字熟語なので、「早々」や「早尚」といった違う言葉と組み合わせることはありません。「時期尚早(じきしょうそう)」と非常に似ていて間違いやすいため、注意が必要です。 また、「時期」を「時機」「時季」「次期」と書くのも誤りです。 「時機尚早」と書くのも本来は間違いですが、「チャンスとしてはまだ早いこと」という意味で使われているそうです。
その事を実行するには、まだ時が早過ぎるということを表したい場合に「時期尚早」を使います。 何かを行うのに焦っている人を説得して、落ち着かせるような場合に「時期尚早」を使うことが多いです。 ”様々なことを考慮して、それを行う機会がおとずれたらやるべきである”というイメージになります。 例えば、「◯◯さんを昇進させるにはまだ早過ぎる。まだその時期には来ていない」と言いたいときには、「◯◯さんを昇進させるにはまだ時期尚早だ」といった言い回しをします。 他にも、プロジェクトを実施するというときに、まだ色々な面で準備ができていない場合は「そのプロジェクトを実施するには時期尚早である」と表すことができます。 このように言い回しは、
などと使います。 また、目上の人に対して使う場合は、
などの表現を使います。
例文
早計 (意味:早まった計画。軽率な考え) 「まだ始まってもいないのに、不可能と決めつけるのは早計である」 拙速(せっそく)に過ぎる (意味:ある物事を行うにあたって、まだその時期に達していないこと) 「彼をエースにさせるなんて拙速に過ぎるよ」 まだ機が熟していない (意味:まだ、ある物事をするのにちょうどよい時機ではないこと) 「彼女がキャプテンを務めるにはまだ機が熟していない」 性急に過ぎる (意味:物事の進み方が気短で落ち着きがないこと) 「もう結論を出してしまうなんて性急に過ぎるよ」 早過ぎる (意味:まだその時期ではない。その時がまだきていない) 「ここで諦めてしまうなんて早過ぎるよ」 速断に過ぎる (意味:ある事を行うにあたって早まって決断してしまうこと。速やかに判断すること) 「君が立候補するんなて速断に過ぎるよ」 急ぎすぎ (意味:適当な時期よりも早く行動してしまった状態) 「実施を予定より急ぎすぎて、ろくな結果がでなかった」 見切り発車 (意味:議論が十分尽くされないまま、実行に移すこと) 「全員の意見がまとまっていないが、見切り発車の状態で計画を実行に移す」
時機到来 (意味:ある事を行うのに良い機会がやって来ること) 「たくさんの桜が咲いて、いよいよお花見の時機到来である」 好機到来 (意味:またとない、よい機会がめぐってくること) 「たまたま近くを通りかかった車がいたことは、ある意味好機到来である」 チャンス到来 (意味:物事をするのによい機会・好機がやって来ること) 「めったにないチャンス到来である」 時は来たり (意味:物事を行うにあたって適当な時機であること) 「計画を実施する時は来たり」 機は熟した (意味:ある物事をするのに、ちょうどよい時機になる) 「政策の機が熟する」 絶好のチャンス (意味:物事をするのに、きわめてよい好機) 「山登りをするには絶好のチャンスだ」 後の祭り (意味:時機に遅れてどうにも仕様のないこと) 「今更言われても後の祭りである」 覆水盆(ふくすいぼん)に返らず (意味:一度してしまったことは取り返しがつかないこと) 「ダイエット中なのにお菓子を食べてしまい、覆水盆に返らずの状態だ」
「時期尚早」の英語表現を見ていきましょう。 「時期尚早だ」は英語で、
になります。 「too early」は分かりやすいですよね。単純に「早すぎる」という意味になります。「fast」は「速い」になりますので意味の違いを注意してください。 「premature」は「未熟」という意味です。「mature」で「成熟」という意味になり、「前」を意味する接頭語「pre」と組み合わせて「成熟する前」=「未熟」という意味になります。 「...するのは時期尚早だ」と言いたい場合は、不定詞「to」を使い、
となります。
It is too early for us to make the next step decision now.
我々がまだ次の段階の意思決定をするのは時期尚早だ。
「rush into a premature decision」で「早期の決定を急ぐ」という意味にもなります。
I don't think we should rush into a premature decision right now.
早期の決定を今急ぐ必要はないと私は思います。
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「時期尚早」について理解できたでしょうか? ✔︎「時期尚早」は<じきしょうそう>と読む ✔︎「時期尚早」は「それを行う時期にはまだなってないこと」を意味 ✔︎「時期尚早」は焦っている人を説得して、落ち着かせるような場合に使うことが多い ✔︎「時期尚早」の類語には、「早計」「拙速に過ぎる」「早過ぎる」などがある