「羨望」という言葉をご存知でしょうか。「羨望の眼差しを向ける」「羨望の的となる」などと聞いたことがあると思います。使われ方から、良い意味で使うことがイメージできますが、正しい意味をきちんと理解しているでしょうか。なんとなく使われている文脈から意味を推測しているという方も多いのではないでしょうか。また、類語に「憧れ」や「嫉妬」といった言葉もありますが、しっかりと使い分けたいですよね。そこで今回は「羨望」の意味や使い方、「憧れ・嫉妬」との違い、類語について解説していきます。「羨望」を適切に覚えて、上手く使えるようにしましょう!
「羨望」は<せんぼう>と読みます。 「羨」は音読みで「セン・エン」、訓読みで「うらやむ・うらやましい」と読みます。 「羨」は「うらやむ。うらやましがる」を意味します。 「望」は音読みで「ボウ・モウ」、訓読みで「のぞむ・もち」と読みます。 「望」は「まちのぞむ。願う。のぞみ」を意味します。 「羨望」の意味は「うらやましく思うこと」です。 自分よりも優れている他人の様子や境遇といったものを見て、自分も『そうなりたい!』と思うことを表します。 勉強ができる、運動神経が良いなどと自分よりも優れている他人を見て『うらやましい!』『自分もそうなりたい!』と思うことってありますよね。そういった感情を「羨望」と言います。
人が優れていたり、恵まれているのを見て『自分もそうなりたい!』と思う場合に「羨望」を使います。 お金持ちや成功者などといったように、自分より勝るものを持っている人や恵まれている人に対して使う言葉です。 また、貴重な物やめったにお目にかかることができないものに対しても使えます。 例えば、「彼の成功を羨望する」「お金持ちの優雅な生活に羨望する」などと言うことができます。 「羨望」の使い方を紹介します。 羨望の的(せんぼうのまと)・・・羨むまなざしを受ける対象。人々からしきりに羨ましがられるさま。 羨望の眼差し・・・相手への憧れや羨む気持ちが目線や目の表情に現れるさま 羨望の念・羨望の気持ち・羨望心・・・羨ましいという思い。気持ち 羨望に堪えない・・・羨ましいと思う気持ちを抑えることができないさま 一般的には「羨む」を使うことが多いですが、文章語としては「羨望」を使うことがほとんどです。
例文
「憧れ」は<あこがれ>と読みます。 「憧れ」の意味は「あこがれること。憧憬(しょうけい)」です。 「あこがれる」とは、”思い焦がれる・理想として思いを寄せること”になります。 理想とする人や物事に強く惹かれて、『自分もそうなりたい!』『そうしたい!』と思うことを表します。 例えば、「未知の世界への憧れ」「憧れの俳優」などと言います。 まだ実現していないが理想としている事に強く心が惹かれたり、理想としている人物に心を惹かれ思い焦がれることです。 「憧れ」と「羨望」は非常に似ていますが、ニュアンスが少々異なります。 「憧れ」は「自分が理想としているものに心を奪われたり、『そうなりたい』と思うこと」 「羨望」は「単に人の境遇や自分よりも優れているのを見て、『そうなりたい』と思うこと」 2つとも「(自分も)そうなりたい!」という気持ちが含まれていますが、”自分よりも恵まれている境遇にある人”に対して思うのか、”自分の理想としている人”に対して思うのかという違いがあります。
例文
「嫉妬」は<しっと>と読みます。 「嫉」は「ねたむ。そねむ」、「妬」は「やきもちをやく。ねたむ」を表します。 「嫉妬」の意味は、 1.自分よりすぐれた者をねたみそねむこと 2.自分の愛するものの愛情が他に向くのをうらみ憎むこと。また、その感情。やきもち です。 例えば、会社でものすごく綺麗な人が社内の男性からちやほやされているのを見て、他の女性社員が綺麗な人に対して抱く感情を「嫉妬」と言います。不安や恐れといった自分のネガティブな感情から「嫉妬」は生まれるものだとされています。 「嫉妬」を用いた言葉を紹介します。 「嫉妬深い」・・・嫉妬心が強い。また、嫉妬しやすい 「嫉妬妄想」・・・自分の配偶者や愛人が、他人と性的関係や愛情関係を持つと信じる妄想。 「羨望」は「その人が持っているものを自分も欲しいと思うこと」 「嫉妬」は「自分よりも優れている人をうらやましくも憎むこと」 「嫉妬」は自分のネガティブな感情が生み出したものですが、「羨望」は自分の純粋な憧れから生まれるものです。 ”羨望”がやがて”嫉妬”に変わっていく可能性もあります。
例文 1の意味
2の意味
嫉み<そねみ> (意味:自分より勝っているものをうらみ憎むこと) 「人の嫉みを受ける」 羨ましい (意味:人が恵まれていたり、物事が優れていたりするのを見て、自分もそのようになりたいと思うさま) 「彼女は羨ましいほどの美貌を持っている」 妬み<ねたみ> (意味:他人の優れた点に引け目を感じたり、人に先を越されたりしてうらやみ憎むこと) 「彼は大成功をおさめたが、多くの妬みを買った」 嫉視<しっし> (意味:ねたみ憎む気持ちで見ること) 「栄達した同僚を嫉視する」 艶羨<えんせん> (意味:うらやましく思うこと) 「若くして成功を手に入れた彼女を艶羨する」 羨慕<せんぼ> (意味:うらやみ、したうこと) 「仕事ができる上司を羨慕する」 やっかむ (意味:(主に関東地方で)うらやむ。ねたむ) 「人の成功をやっかむ」 物羨み<ものうらやみ> (意味:なんとなくうらやましく思うこと) 「何もかも上手くいく彼を物羨ましく思ってしまう」
「羨望」は英語で「envy(動詞)」「envious(形容詞)」を使います。 「嫉妬」は「jealous(形容詞)」を使います。 「I'm jealous of you!」とすると「いいなー!」という意味になります。「jealous」にはシリアスな嫉妬とライトな羨ましさの2つのニュアンスがあるので注意しましょう。ちなみにネイティブは「envy」という単語はあまり使いません。「羨ましい」の英語表現に関しては別記事で詳しく書きましたので、書きの記事を参考にしてみてください。
What? You ran across Lady Gaga in Tokyo? I'm so jealous!
え?東京でレディー・ガガと偶然会ったの?ちょー羨ましい!
He is always jealous of the rich.
彼はいつも金持ちに嫉妬している。
People envy him for his wealth.
人々は彼の富を羨ましがった。
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「羨望」について理解できたでしょうか? ✔︎「羨望」は<せんぼう>と読む ✔︎「羨望」は自分よりも優れている他人を見て、自分も『そうなりたい!』と思うこと ✔︎「羨望の眼差しを向ける」「羨望の的となる」などと使う ✔︎「羨望」の類語には、「嫉み」「嫉視」「やっかむ」などがある