「昨今」という言葉をご存知でしょうか。「昨今の国際状況は.....」「昨今の日本では....」などとニュースや新聞記事などでも見聞きしたことがあると思います。日常的に使う言葉ではないですが、ビジネスシーンでは頻繁に使われます。どんな意味であるかは分かっている、という方も多いかもしれませんが、「昨今」は正しく使わないと相手に誤解を与えてしまいます。ですので、今一度意味について確認するのも大切です。そこで今回は「昨今」の意味や使い方、「最近・今日」との違い、類語について解説していきます。「昨今」を適切に覚えて、上手く使うようにしましょう!
「昨今」は<さっこん>と読みます。 「さくこん」「さくいま」とは読まないので注意しましょう。 「昨」は音読みで「サク」と読みます。 「昨」は「むかし。以前」を意味します。 「今」は音読みで「コン・キン」、訓読みで「いま」と読みます。 「今」は「いま。現在」を意味します。 「昨今」の意味は「きのうきょう。この頃。近頃」です。 現在に近い過去から現在までを含めた、漠然としたものが「昨今」となります。 具体的にどのくらいの期間を「昨今」と言うかは特に決まっていないため曖昧ですが、”だいたい思い出せる範囲(そこまで昔ではない)〜現在”といったイメージです。 例えば、「昨今の医療技術は著しい」と言ったら「だいたい数年程度」、「お店が開店したばかりで昨今は忙しい」としたら「約1ヶ月程度」のことになります。
「昨今」は、現在に近い過去〜現在までを含めて表すときに使います。 「ここ最近は」「このところは」「近頃は」と言いたい場合は、「昨今」とします。 例えば、「昨今の情勢」といった場合は「この頃・近頃の情勢」という意味になります。 他にも、「昨今の日本」「昨今の若者」「昨今の経済状況」などと使うことができます。 ただ、「昨今」はなかなか期間がはっきりとしていないため、できるだけ「一ヶ月前は」「この間お会いした日は〜」などと具体的に書くことが望まれます。 「昨今」は少々堅い表現なので、日常会話ではほとんど使われません。 主に、スピーチや文章などで使われます。 ですので、例えば、友人との会話で「昨今は色々と忙しくて本当に疲れる」といったような使い方は適しません。この場合は「この頃・近頃」などと言い換えるのが良いでしょう。
例文
「今日」は「(現在の)この日。本日。こんにち」を表します。 「今」は「いま。現在」、「日」は「 一昼夜。ひ」を表します。 基本的に、「今日はテストだ」といったように「今過ごしている。この日」という意味で使います。 他に、「今日」は「来年の今日お会いしましょう」といったように「その日と同じ日付や曜日の日」という意味で用いることもできます。 一般的に「今日」は<きょう>という読みで使いますが、<こんにち>と読むこともできます。 「今日(こんにち)」とした場合は、「今の時代。現在」という意味になります。 「今日(こんにち)の世界情勢」「私が今日(こんにち)のあるのは....」などと言います。 「今日」と「昨今」の違いとしては、 「今日(こんにち)の世界情勢」==>「今の時代の世界情勢は...」 「昨今の世界情勢」==>「この頃の世界情勢は.....」 このように、「今日」の方が「昨今」よりもニュアンスとしては少々広く、大まかな意味であると言えます。
例文
「近年」は「最近の数年。この年頃。近ごろ」を表します。 「近」は「現在にちかい。ちかごろ」、「年」は「一二か月を単位とする時間」を表します。 「近年」は近い過去である”数年間”を指しています。 例えば、「彼は近年大きな病気にかかったことはない」といった場合は「彼はここ数年間大きな病気にかかったことがない」という意味になります。 「昨今」は「きのうきょう。この頃。近頃」 「近年」は「最近の数年間。ここ数年」を表します。 「昨今」は”思い出せる程・数年程度”を指しています。ですので、過去3年ほどを振り返る場合には「昨今」ではなく「近年」を使うのが良いでしょう。
例文
「最近」は「基準とする時日・位置にもっとも近いこと」「近ごろ。近来」を表します。 「最」は「もっとも。いちばん」、「近」は「現在にちかい。ちかごろ」を表します。 例えば、「最近何もかも順調なんだよ」といった場合は「近頃は何もかも順調なんだ」という意味になります。 「昨今」と「最近」はどちらも「近い過去から現在」を表していて、ほぼ同じ意味になります。 ただ、「昨今」は少々堅い表現なので、一般的に「最近」が使われることが多いです。 例えば、「最近仕事が忙しく毎日クタクタだよ」とは言いますが、「昨今仕事が忙しくて毎日クタクタだよ」とは言いませんよね。
例文
「今般」は「このたび。こんど。今回」を表します。 「今」は「このたび。この」、「般」は「ある局面。回」を意味します。 最近決定した事や行われたばかりの事を表す場合に「今般」を使います。 例えば、「今般、左記へ転居いたしましたことをお知らせいたします」といった場合は「今回、左に書いてある通りの場所に転居しましたのでお知らせします」という意味になります。 「昨今」は「きのうきょう。この頃。近頃」 「今般」は「このたび。今回。今度」を表します。 「今般」は”最近行われたばかりの物事”について言及する場合に使うので、「今般の国際情勢は全く不安定である」などとは使うことができません。 意味が異なるので、しっかりと区別しましょう。
例文
「直近」に関しては別の記事で詳しく説明しているので、ぜひ参考にしてみてください!
このところ (意味:ちかごろ。最近。ここのところ) 「このところ、雨が降る日が続いている」 以前 (意味:今より前の時点。現在から見て近い過去) 「彼とは以前会ったことがある」 この間 (意味:この前。以前。ちょっと前に) 「この間は突然お邪魔したにも関わらず、ありがとうございました」 先ごろ (意味:今日から少し前のころ。このあいだ。せんだって) 「先ごろ、彼女に関する変な噂を聞く」 前々 (意味:以前。かねて。ずっと前) 「前々から、あなたの髪型は変だと思っていたよ」 現下<げんか> (意味:現在。今。目下) 「現下の世界経済情勢のなか、こうした投資は大事である」 刻下<こっか> (意味:ただいま。目下) 「刻下の急に応じた策をとる」 当座 (意味:さしあたっての、その場。目下のところ) 「とりあえず借金をして当座をしのぐ」 当節 (意味:この時節。このごろ。当今。現今) 「このような商売は当節、全然儲かりません」
「昨今」を意味する英語は、
があります。 これらの使い方は文法的に大きな違いがあるので注意が必要です。 これらの言い回しの使い分けについては別記事で詳しく説明していますので、ぜひ参考にしてください。
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「昨今」について理解できたでしょうか? ✔︎「昨今」は<さっこん>と読む ✔︎「昨今」は、現在に近い過去から現在までを含めて表している ✔︎「昨今」は少々堅い表現なので、日常会話で使うことはほとんどない ✔︎「昨今」の類語には、「このところ」「先ごろ」「現下」などがある