「ほっこり」という言葉はよく見聞きする機会が多いですよね。「心がほっこりする」「ほっこりする話を聞く」などと使われています。思わず顔がにやけてしまったり、可愛いものや癒されるものをみたときに用いますよね。ただ、頻繁に聞く言葉ではありますが、実際の意味をきちんと理解しているでしょうか。実は「ほっこり」の使い方を勘違いして使っているという人が多くいます。使うからにはしっかりと意味を押さえておく必要があります。そこで今回は「ほっこり」の意味や使い方、語源、類義語について解説していきます。「ほっこり」を正しく知って、上手く使いましょう!
「ほっこり」の意味は、 1.あたたかなさま。ほかほか 2.(上方方言)ふかし芋。焼き芋 3.ふくよかなさま 4.つやがあって鮮やかなさま となります。 ほかほかと暖かいさま・いかにも暖かそうなさま・ほっとした様子を表します。 「ほっこりとしたおしるこ」「ほっこりとしたおでん」といったように物理的に”暖かい様子”を表すだけでなく、「動物の赤ちゃんを見てほっこりした」「本を読んでほっこりした」というように”気持ちが暖かくなった様子”も表します。 気持ちが暖かくなった様子=癒される・胸が温まる、といったニュアンスです。 「ふくよかな・つやがあって鮮やかな」という意味では、古い書物では使われていますが今ではほとんど使われません。
「ほっこり」は元々京弁です。 京弁での「ほっこり」は「身体は疲れているけれど、心は満たされている様子」という意味で使います。 疲れて一息つく様子・何か忙しいことが終わって安堵する状態を「ほっこり」と言います。 きつい仕事を終え、一息ついたときに「あー、ほっこりした」などと言った場合は「あー、疲れた」というニュアンスです。 この「ほっこり」は「ほこる(物を焼く)」という言葉が元になっていると言われています。 体を動かすと体が温かくなる様子が、”ほこる” ==> ”ほっこり”となりました。
などと使います。 意味が異なるので、京都に行った際に「ほっこり」を使う場合は注意しましょう。 「ほっこり」が「癒される」「暖かい様子」という意味で使われるようになったのは、本来の「ほっとした様子」という意味に加えて「ほっ」という言葉の語感が”癒し”をイメージするからであると言われています。
「ほっこり」は主に「ほっこりする」という形で用います。 「心が落ち着く・ほっとする・心が温まる・癒される・心が落ち着く・まったりする・ほんわかする」といった”癒し”の感情を「ほっこり」と表すことができます。 「ほっこり」は暖かさを感じるものや情景を見たり、何かの映画や話を聞いて気持ちが和らいだという場合に使います。 例えば、
などと言います。 また、ほかほかとした温かい食べ物や可愛らしい子供や動物の仕草などを形容する場合にも使います。
などと言います。
例文
ほくほく (意味:うれしさを隠しきれずに顔がほころんでいるさま) 「あまりにも大豊作であったのでほくほくしてしまった」 あつあつ (意味:非常にあついこと。ある事に熱中するさま) 「あの二人はあつあつの仲である」 ほかほか (意味:食べ物や体などが具合良く温まっているさま) 「サツマイモをほかほかに蒸す」 和む<なごむ> (意味:気分がやわらいでいるさま。穏やかになる) 「自分の好きな音楽を聴くと和む」 ほのぼの (意味:ほんのりと心温まるさま) 「子供の話を聞くとほのぼのと心が温まる」 心温まる (意味:あたたかい人情を感じてなごやかな心になる) 「心温まる風景が広がっている」 癒される (意味:辛い思いなどが和らぎ、穏やかな気分になること) 「むしゃくしゃしていたが、映画を見ていたらだんだんと癒されてきた」 ぽかぽか (意味:体の芯から温かくて心地よく感ずるさま) 「思いっきりダッシュしたら体がぽかぽかしてきた」 気持ちが和らぐ (意味:気持ちがおだやかな状態になる。なごやかになる) 「少し休んだら気持ちが和らいできた」
「ほっこり」は本来は京弁で「疲れた・だるい」という意味でしたが、変わって「癒される」「ホッとする」という全く反対の意味で使われるようになりました。 「ほっこり」の他にも、本来の意味とは違う意味で使われるようになった言葉があります。 そこで、「ほっこり」のように意味合いが変わった言葉を紹介します。
「家でまったりする」「まったりと過ごす」などと、”ゆっくりとくつろいでいるさま”という意味で「まったり」は使われています。 「まったり」の本来の意味は「味わいがまろやかでコクのあるさま」です。 元々は近畿地方の方言で、主に味覚を表す言葉として使っていました。 ただ、1990年代から「まったり」は「人柄が落ち着いている・のんびりと落ち着いた様子」を表す言葉として用いられるようになりました。
「微妙」の本来の意味は「美しさや味わいが何ともいえず優れているさま」です。 趣深く、言葉では言い表せない・何ともいえない美しさや味わいがあるさまを表します。 ですので、「この絵はとても美しく微妙である」「彼女が着ている洋服のデザインが微妙である」などと言います。 しかし、現在の「微妙」は「あともう少し。もうちょっとのところ。あまり良くない」といったように「惜しい」という意味合いで使います。 例えば、「この料理の味付けは微妙である」「彼と私の考えには微妙に違いがある」などと言います。 一般的に、「微妙」は「惜しい」という意味が定着しているので使っても問題ありません。
「失笑」は「笑いを失う」と書くため、「笑いも出ないほど呆れる」「笑いを通り越して呆れてしまう」「あざわらうこと」を表していると思っている人が多いですが、間違いです。 「失笑」の本来の意味は「(笑ってはならないような場面で)おかしさに堪えきれず、吹き出して笑うこと」です。 「笑ってはいけないんだけど、こらえられない...」というニュアンスです。 「失笑」も”押さえるべき”笑いを、つい外へ出してしまうという意味で、「不意を突かれたとき、我慢しきれなかったときについ笑ってしまう様子」を表します。 「失笑」には相手を見下すといった、ネガティブな感情は含まれません。
「にやける」と言うと、「声を出さないで、薄笑いを浮かべる。ニタニタする」という意味をイメージしますが間違いです。 「にやける」の本来の意味は「男などが女々しく色めいた様子をする」です。 男がなよなよしている様子を表します。ですので、女性に対しては「にやける」は使うことができません。 「にやける」は漢字だと「若気る」と書きます。「若気」は「男色を売る若衆」を意味します。 ですので、「彼女のことを考えるとにやけてしまう」「あの人は終始にやけていて気持ち悪い」という使い方は本来は間違いになります。
「ほっこり」の英語表現を見ていきましょう。 「落ち着く」というニュアンスならば、
などと表現できます。 「あたたかい」というニュアンスならば、
などでよいでしょう。
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「ほっこり」について理解できたでしょうか? ✔︎「ほっこり」は「ほかほかと暖かいさま・ほっとした様子」を意味 ✔︎「ほっこり」は京弁で「身体は疲れているけれど、心は満たされている様子」という意味 ✔︎「心がほっこりする話」「ほっこりとした焼き芋を食べる」などと使う ✔︎「ほっこり」の類語には、「ほくほく」「ほかほか」「心温まる」などがある