「過分」という言葉をご存知でしょうか?「過分」はビジネスシーンでは目上の人に対して謙遜してお礼を言う言葉をして使用される言葉です。今回は「過分」の正しい意味と使い方を場面別の例文つきで解説します。また、「過分」の類語や英語表現も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
「過分」は「かぶん」と読みます。
「過分」の同訓異字には「可分」という言葉があります。 「同訓異字」とは、別の漢字で表記されるのにもかかわらず似ている意味の語が、訓で読む場合に同じ読み方をする言葉のことを言います。 「可分」は、「過分」と意味自体は異なりますが、似ている意味の言葉でできていて、更に訓読みすると「かぶん」となるため同訓異字であるといえます。 ちなみに、「可分」の意味は「分割ができること」です。
「過分」の元の意味は「分にすぎる」です。 「分」は「分け前」のように、「分けられた部分」といった意味や、「こちらがあなたの分です」というように、「ある範囲の分量」という意味で使用されることが多い言葉ですが、「その人の持っている身分や能力」「分際」という意味としても使用されます。 例えば「分(ぶん)をわきまえる」とすると、「身分をわきまえる」といった意味合いになります。 したがって、「過ぎる」という意味のある「過」と重さねることにより、「身分や能力を過ぎた」というニュアンスになることがわかります。
「過分」は中国語では「过分」と表記されます。 中国語での「过分」の意味は「いきすぎる・度を越している」「ひどすぎる」という意味で使われる言葉です。
「過分」という言葉はビジネスでは、相手からの身に余る扱いに謙遜して感謝する場面で使用されます。 「過分」は、「私なんかにもったいないです」「身に余る」と相手に対してへりくだりお礼気持ちを伝える表現で、贈り物など心遣いをいただいたときはもちろん、自分の能力を評価してもらった・称賛されたという場面で使用されます。 少々固くるしい表現であり主にメールやお礼状といった書面でも使用する言葉です。
「過分」は、主に「過分な○○」「過分なる○○」といった形で使用されます。 「過分な○○」「過分なる○○」で、「私のような者にはもったいない程の〜」といったニュアンスで自分をへりくだり、相手に感謝の気持ちを伝える表現になり、例えば
といった言い回しがあります。
お中元やお歳暮などを目上の方にいただいた場合は、お礼のメールや手紙といったお礼状を送付するのがマナーです。 その場合に、「身に余る程の贈り物をいただきありがとうございます」という意味合いで「過分」を使用してお礼の気持ちを伝えることがでいます。
お祝いなどで、金品をいただいたときは「過分なるお心遣いをいただき〜」というような言い回しでお礼の気持ちを伝えます。 「お心遣い」とは、相手からの気遣いを意味している場合と「お金」を表す場合があります。 「お金」というストレートに表現することで下品なイメージを与えてしまわないように「お心遣い」と言い換えているのです。 どちらの意味で使用されているかは、状況によって判断することができると言えます。
パーティーへのお誘いなど、おもてなしへのお礼に対しても「過分」という言葉を使用することができます。 まず招待状の返信に、「過分」という言葉を使ってパーティーといった催しものに「私のようなものご招待いただきありがとうございます」というへりくだった表現でお礼の気持ちを述べることができます。 目上の方からの招待に対する返信では、招待してもらったことに対するお礼を述べてから「参加・不参加の返信を述べるのが一般的です。 そして、参加後にはおもてなしをしてもらったことに対するお礼の気持ちを「過分な」を用いて表現し、感謝状などで感謝の気持ちを伝えます。
「過分」を謙遜して感謝するときの表現として使用する場合の類語には、「身に余る」「僭越」「分不相応」などが上げられます。
「身に余る」は「処遇が自分の身分や業績を超えている」というニュアンスで使用する言葉です。 例文
「僭越」は、「自分の身分・地位をこえて出過ぎたことをすること」「そういう態度」「でしゃばり」という意味があります。 「僭越ながら」といった言い回しで多く使用され、出過ぎた行動をするときや、意見を伝える場合に「申し訳ありませんが」といった意味合いで使います。 例文
「余分」という意味合いでの類語には「過剰」「剰余」「余計」などがあります。
「過剰」の意味は「必要な程度や数量を超えて多いこと」です。 例文
「剰余」は「じょうよ」と読みます。 「剰余」の意味は「あまり」です。余分に余っているものを「剰余」といいます。 例文
「余計」の意味は「必要な度を超えてむだなこと」です。 例文
「過分」の対義語は「応分」です。 「応分」は「おうぶん」と読みます。 「応分」の意味は「身分や能力にふさわしいこと」です。 例文
「過分」の英語表現を見ていきましょう。 「過度な」の英語は、
となります。 「身分不相応」の英語は「undeserved」となります。
ビジネスで謙遜して使う「惜しみのない」という意味の英語は「generous」「lavish」となります。
She praised me generously.
彼女は過分に私をほめた。
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「過分」について理解していただけましたか? ✓「過分」の読み方は「かぶん」 ✓「過分」は「身に余るほどの」といったニュアンスで使用される ✓「過分」はビジネスで謙遜して感謝の気持ちを伝える言葉として使用される ✓「過分な◯◯」「過分なる◯◯」の形で使う