「夭逝」という言葉をご存知でしょうか。「夭逝した画家」「天才作家が夭逝する」などと使います。初めて聞いた、何となく見覚えはあるという方が多いかと思います。「夭逝」と字面だけでも難しそうな感じがしますよね。漢字は複雑ですが、意味は単純です。意味さえしっかり知っておけば、すぐにでも使えるようになります。また、他にも「夭折」「早逝」「早世」などと似た言葉があります。4つとも非常に似ていますが、異なる部分があるので、しっかりと使い分ける必要があります。そこで今回は「夭逝」「夭折」「早逝」「早世」の意味の違いと使い分けについて解説していきます。それぞれの使い方を知って、上手く使い分けできるようにしましょう!
▶︎「夭逝」・・・才能があって将来を期待されていた人が、若くして死ぬこと ▶︎「夭折」・・・将来を渇望されていた才能ある人が、若くして死ぬこと ▶︎「早逝」・・・わりと早くに死んでしまうこと ▶︎「早世」・・・比較的早くに、死んでしまうこと
4つとも「若くして死ぬこと」を表します。「死」や「亡」という漢字を使っていない婉曲的な表現であると言えます。 「夭逝」と「夭折」はほぼ同じ意味になりますが、違いのポイントは「逝」という漢字になります。 「逝」という字には「折」と違い、目上の人に対して尊敬する気持ちが含まれます。 このため、「夭折」よりも「夭逝」の方が亡くなった人を悼む気持ちが強くなります。 「早逝」も「早世」も同じ意味ですが、「逝」が含まれる「早逝」の方が尊敬しているという気持ちが強いです。
「夭逝」は<ようせい>と読みます。 「夭」は音読みで「ヨウ」と読みます。 「夭」は「若死にする」を意味します。 「逝」は音読みで「セイ」、訓読みで「ゆく・いく」と読みます。 「逝」は「立ち去って帰らない。死ぬことを婉曲にいう語」を意味します。 「夭逝」の意味は「年が若くて死ぬこと。わかじに」です。 才能ある人物が若くして死ぬこと・若い年齢で死ぬことを表します。 「夭逝」は具体的に、何歳で死ぬことを表しているかは決まっていません。 ただ、「夭」という漢字が、「若い」というよりも「幼い」を意味していることから、大体10代〜20代で亡くなった人のことを指します。30代〜40代で亡くなった人のことを「夭逝」とは言いません。 主に、「夭逝した」という形で使います。「夭逝した画家」「夭逝した作家」などと言います。
例文
「夭折」は<ようせつ>と読みます。 「夭」は音読みで「ヨウ」と読みます。 「夭」は「若死にする」を意味します。 「折」は音読みで「セツ・シャク」、訓読みで「おる・おり・おれる」と読みます。 「折」は「死ぬこと」を意味します。 「夭折」の意味は「年が若くて死ぬこと。わかじに」です。 将来を期待されていた才能ある人が若くして死んでしまうことを表します。 「惜しまれつつも若くして死んだ天才」ということを表す場合は「夭折」を使います。 成人する前に亡くなった人や、成人していても子を作らないで亡くなってしまった人を表すときに使うことが多いです。 「夭折」は「夭逝」とほぼ同じように使うことができます。 ただ、「尊敬する」という意を含む「夭逝」の方が、亡くなった人に対する尊敬の気持ちや悼む気持ちというのが強くなります。
例文
「早逝」は<そうせい>と読みます。 「早」は音読みで「ソウ・サッ」、訓読みで「はやい・はやまる」と読みます。 「早」は「通常の時期よりはやい」を意味します。 「逝」は音読みで「セイ」、訓読みで「ゆく・いく」と読みます。 「逝」は「立ち去って帰らない。死ぬことを婉曲にいう語」を意味します。 「早逝」の意味は「若くして死去すること」です。 比較的早い年齢で死ぬこと・若いときに死んでしまうことを表します。 「早逝」は若い年齢でというよりも、その年齢で亡くなるのは比較的早いだろうという場合に使います。 主に、30代〜40代の人が亡くなったときに使うことが多いです。 上記でも説明したように、「逝」には「尊敬する」という意が含まれているので、敬っていた人物や目上の人が亡くなったときには「早逝」を用います。
例文
「早世」は<そうせい>と読みます。 「早」は音読みで「ソウ・サッ」、訓読みで「はやい・はやまる」と読みます。 「早」は「通常の時期よりはやい」を意味します。 「世」は音読みで「セイ・セ」、訓読みで「よ」と読みます。 「世」は「一定の尺度で区切られる時間。世の中」を意味します。 「早世」の意味は「世を早く去ること。わかじに」です。 比較的早く死んでしまうこと・若いときに死んでしまうことを表します。 「早逝」と同様に、30代〜40代の人が亡くなったときに使うことが多いです。 「ご早世」という形で使うこともあります。 「早世」は「早逝」と同じ読みでほぼ一緒の意味を表しますが、「早世」を使うのが正しいと言われています。 最近使われるようになった「早逝」よりも、古くから使われている「早世」を使用するのが好ましいという理由です。 「早世」か「早逝」かどちらを用いても問題ありませんが、このような主張があるということも覚えておきましょう。
例文
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