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「風情」「情緒」「風流」「趣」「わびさび」の意味の違いと使い分け

「風情」「情緒」「風流」「趣」「わびさび」の意味の違いと使い分け

「風情」という言葉をご存知でしょうか。「風情のある庭」「風情を感じる」などと言いますよね。なんとなく「風情」と聞くと、美しい情景を思い浮かべますが、具体的にはどのような意味を表すのでしょうか。「風情」の意味について聞かれたとき、何て答えればいいか難しいですよね。また、似た言葉に「情緒」「風流」「趣」「わびさび」などがありますが、きちんと区別できるでしょうか。同じような感じがしますが、それぞれ意味が異なります。正しく使い分けられるように、きちんと意味を確認しておきましょう。そこで今回は「風情」「情緒」「風流」「趣」「わびさび」の意味と使い方について解説していきます。

「風情」「情緒」「風流」「趣」「わびさび」の違いまとめ

▶︎「風情」・・・自然と醸し出されている儚げで良いもの。風景から感じられる上品で美しい雰囲気 ▶︎「情緒」・・・物事に触れてしみじみとした気持ちが起こること。その感情を促す独特の雰囲気や気分 ▶︎「風流」・・・落ち着いていて上品で優雅なもの。格調が高くて雅やかな雰囲気 ▶︎「趣」・・・自然と醸し出されている落ち着いたもの。心が惹かれるような雰囲気 ▶︎「わびさび」・・・質素でありながらも、静けさや寂しさなどを美しく感じること

「風情」の意味と使い方

「風情」は<ふぜい>と読みます。 「ふじょう」とは読まないので注意しましょう。 「風情」の意味は、 ・おもむき。あじわい ・表情。容姿。様子 ・〜のような具合 ・能楽で(おもむきのある)所作 ・他を卑しめ、または自らへりくだる意を表す です。 自然と醸し出されている儚げで良い雰囲気・風景から感じられる上品で美しい雰囲気を表します。 「風」も「情」も「おもむき」を意味します。「風情」は日本古来より存在する美意識の一つです。 「風情」は景色がとても綺麗だったり、上品だったりする場合に使います。 例えば、「風情のある庭」「風情ある眺め」「風情が感じられる」などと言います。 また、「◯◯風情」という形で、自分をへりくだって表す場合や他人を軽蔑して使う場合に使うこともあります。 これは、「身分や地位が低い」ということを意味します。こちらの意味ではあまり使いません。

例文 ・この街は古都ならではの風情を醸し出している。 ・京都の街並みは、独特な風情が漂っている。 ・旅行先は綺麗な曲線を描いた建物が並んでいて、とても風情を楽しむことができた。 ・そのお城は、オリジナリティ溢れるデザインで風情ある場所だった。 ・方言って、とても深みが感じられて風情があると思うんだ。 ・風鈴とか花火って、夏の風情を感じられるよね。 ・海の近くにある旅館というのは、風情があってとても良い。 ・多くの竹林が並んでいる風情ある通りを散歩する。

「情緒」の意味と使い方

「情緒」は<じょうしょ・じょうちょ>と読みます。 「情緒」の意味は ・折にふれて起こる様々の感情。また、そのような感情を誘い起こす気分・雰囲気 ・恐怖、驚き、怒り、悲しみ、喜びなどの感情で、急激で一時的なもの となります。 物事に触れてしみじみとした気持ちが起こること、その感情を促す独特の雰囲気や気分を表します。 「情緒」を用いた言葉だと、「情緒溢れる」や「情緒豊か」が使われます。 「情緒溢れる」は「事に触れて起こる様々な気持ち」という意味が含まれます。 ”事に触れて怒る様々な気持ちがいっぱいに満ちている”状態を表します。 例えば、「情緒溢れる街並み」「情緒溢れる景色」などと言いますよね。 「情緒豊か」は「事に触れて起こる様々な気持ち」という意味が含まれます。 事に触れた時にしみじみと感じる気持ちが十分にあることを表します。「情緒豊かな人」などと聞いたことがあると思います。

例文 ・今回の映画は情緒豊かな作品であった。 ・異国の情緒が溢れる街並みである。 ・この通りは、江戸の情緒が残る景色が広がっている。 ・鑑賞した演劇はとても情緒的で、私の心を動かしました。 ・情緒纏綿とした下町の佇まいが残っている。 ・下町情緒を感じられるお洒落な街。 ・情緒溢れる街にいると、自然と外国に住んでいるような錯覚になる。 ・情緒豊かな絵を見ていたら、過去の思い出が蘇ってきた。

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「風流」の意味と使い方

「風流」の意味は、 ・前代の遺風。聖人が後世に残し伝えたよい流儀 ・みやびやかなこと。俗でないこと ・美しく飾ること。意匠をこらすこと ・衣服や車の上などに花を飾ったもの ・日本芸能の一つ です。 上品で優雅な雰囲気を持っていること・格調が高くてみやびやかなことを表します。 「風」は「味わい。おもむき」、「流」は「一派をなすもの。血筋。系統」を意味します。 人が驚くような工夫が凝らされている優雅なものを「風流」と言います。 「風流な庭」「風流なおもむき」「風流さを感じる」などと使います。 「風流な人」ともよく言いますが、これは「世俗を離れて、詩歌だったり、趣味に励むこと」を表します。 「風流三昧」という言葉も、「詩歌や書画といった優雅で上品なものに、熱中する」という意味になります。 「風流」は非常に古い言葉です。平安時代は「貴族階級の美意識」を表していましたが、段々と「人目を惹く趣向」という意味で使われるようになりました。

例文 ・華道というものは。上品で風流さを感じさせる。 ・ここの通りをまっすぐ進むと、風流さを感じる景色が広がる。 ・お庭にししおどしがあるなんて、本当に風流だね。 ・お花見というものは、ただ風流を楽しむイベントである。 ・詩歌という、風流な楽しみを見つける。 ・短歌や茶道などと、風流三昧な日々を過ごしている。 ・彼女は風流三昧で、書画に励んでいる。 ・彼女の家の庭は、とても風流な眺めが広がっている。

「趣」の意味と使い方

「趣」は<おもむき>と読みます。 「趣」の意味は、 ・心の動く方向。心の動き ・事柄の大事な内容。伝えたい事柄 ・物事のなりゆき。事情 ・しみじみとした味わい。おもしろみ です。 そのものを感じさせるしみじみとした味わい・落ち着いていて独特な雰囲気を表します。 何か心惹かれる特徴だったり、自然と醸し出されている雰囲気があるものを「趣」と表します。 「趣がある」「趣を添える」「趣のある◯◯」などと使います。 他にも、随分と昔のものにも関わらず、しっかりと手入れがほおどこされているものを「趣」ということができます。 例えば、「この陶芸品には趣がある」といった場合は「この陶芸品には独特の味わいを醸し出している」ということです。 また、「趣」を用いた言葉に「趣向」があります。 これは「おもむきやおもしろみを出すための工夫。また、そのおもむき・趣意・趣旨」を意味します。

例文 ・この建物はあまり目立っていないが、趣のある装飾が施されている。 ・古い街は少々くたびれているものの、独特の趣がある。 ・今回読んだ小説は西洋的な趣があった。 ・ちょっとした工夫が絵画に美しい趣を添えている。 ・桜が散ってしまった木も、言葉で言い表せにくい趣がある。 ・彼女の家はとてもカラフルで、異国的な趣のある建物だった。 ・飾れられていた彫刻品は大変シンプルだったが、どことなく趣がある。 ・君の作品にはこれといった趣がないね。

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「わびさび」の意味と使い方

「わびさび」の意味は「日本の美意識の一つで、質素で静かなものを表す語」です。 漢字では「侘び寂び」と書きます。 「わび」は「閑寂な風趣。閑居を楽しむこと。思いわずらうこと」を意味します。 「さび」は「古びて趣のあること。閑寂なおもむき。語り物において枯れて渋みのある声」を意味します。 「わび」は動詞「わぶ」を名詞系としたものです。 「がっくりしている。気力を失って沈み込む様子」と、人間の心身の状態を表しています。 「さび」は動詞「さぶ」を名詞化したものです。 「褪せる。衰える。みすぼらしくなる様子」と、物が劣化する様子を表しています。 「わびさび」は、質素でありながらも静けさや寂しさなどを美しく感じることを表します。 西洋では華やかなもの・人工的なものが、日本では自然なもの・シンプルなものが「美意識」とされています。 日本の美意識を表したものが「わびさび」となります。 「わびさび」の例としては、お寺や日本庭園、水墨画などが挙げられます。 他にも、よく茶の湯独特の雰囲気を「わびさび」と言います。

例文 ・この作品は何も飾り気がないが、わびさびの美しさを持っている。 ・わびさびというものは華やかさはないものの、独特の味わいがある。 ・静寂が漂っているこのお寺はわびさびの雰囲気が流れていて、とても魅力的だ。 ・茶道に見られるわびさびの精神は、なんとも言えない良さを醸し出している。 ・水墨画は派手とは言えないが、わびさびの風景を描いていて惹きつけられる。 ・茶道独特の雰囲気を、わびさびとよく表現する。 ・散っていく紅葉の静けさにわびさびを感じる。 ・日本の建物にはわびさびの味わいが感じられる。

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