「傾倒」という言葉をご存知でしょうか。「◯◯に傾倒する」といった形で使いますが、聞いたことがあるでしょうか。字面だけ見ると、何かが倒れる様子を表した言葉かなと思ってしまいますよね。実は、「傾倒」は何かに夢中になることを意味しています。知らなかったという方も多くいるはずです。「傾倒」に似た言葉には、「心酔」「陶酔」「傾注」などがあります。それぞれ意味を知っていないと、上手く使い分けることができません。そこで今回は「傾倒」「心酔」「陶酔」「傾注」の意味と使い分けについて解説していきます。違いを覚えて、正しく使えるようにしましょう!
▶︎「傾倒」・・・人や主義、思想などの物事に深く心が惹かれて夢中になること ▶︎「心酔」・・・物事や人物に心を奪われて、深い尊敬の気持ちを持つこと ▶︎「陶酔」・・・心地よく酔うこと。何か美しいものや素晴らしいものに心を奪われて、うっとりすること ▶︎「傾注」・・・ある一つの事に心や力を集中すること。一つの物事に打ち込むこと
「傾倒」は<けいとう>と読みます。 「傾」は音読みだと「ケイ」、訓読みだと「かたむく・かたむける」と読みます。 「傾」は「一つの所に思いや力を向ける」を意味します。 「倒」は音読みだと「トウ」、訓読みだと「たおれる・たおす」と読みます。 「倒」は「程度や状態がはなはだしいことを表す語」を意味します。 「傾倒」の意味は、
です。 人・主義・思想などある物事に深く心を惹かれて熱中すること、ある人物を心から尊敬して慕うことを表します。 主に、「◯◯主義に傾倒する」「(人物名)に傾倒する」などと使います。 例えば、「占いに傾倒する」といった場合は「占いに感服して熱中する」という意味になります。 「夢中になる」「熱中する」と言うよりも、その事にのめり込んでいるようなイメージです。
例文
「心酔」は<しんすい>と読みます。 「心」は音読みだと「シン」、訓読みだと「こころ」と読みます。 「心」は「 こころ。精神」を意味します。 「酔」は音読みだと「スイ」、訓読みだと「よう」と読みます。 「酔」は「心を奪われる」を意味します。 「心酔」の意味は、
です。 人物や物事に心から酔うほど夢中になり、尊敬の気持ちを持つこと・物事の出来栄えに心を奪われることを表します。 主に、「(人物名)に心酔する」「音楽に心酔する」「演奏に心酔する」といったように使います。 「心酔」は何か物事や自分以外の人物に対して使うので、「自分自身に酔う」とは言いますが、「自分自身に心酔する」とは言いません。「心酔」は単に「好き」というよりも、それ以上に惚れ込んでいるイメージです。
例文
「陶酔」は<とうすい>と読みます。 「陶」は音読みだと「トウ」、訓読みだと「すえ」と読みます。 「陶」は「打ち解けて楽しい」を意味します。 「酔」は音読みだと「スイ」、訓読みだと「よう」と読みます。 「酔」は「心を奪われる」を意味します。 「陶酔」の意味は、
です。 心地よく酔っていること・ある事に心を奪われてうっとりと気持ちがいいことを表します。 「美酒に陶酔する」「音楽に陶酔する」「名演技に陶酔する」などと使います。 よく「自己陶酔」なんて聞くと思います。「自己陶酔」とは「自身の考えや容姿の素晴らしさにうっとりすること」です。 ナルシスト、自分自身に酔っているというイメージになります。 他にも、「陶酔境」という言葉があります。これは「程よく酒に酔った時などの、なんとも言えない良い気持ち」を意味します。 「陶酔」は、何か美しいものや素晴らしいものを見たときのうっとりとした気分と覚えておきましょう。
例文
「傾注」は<けいちゅう>と読みます。 「傾」は音読みだと「ケイ」、訓読みだと「かたむく・かたむける」と読みます。 「傾」は「一つの所に思いや力を向ける」を意味します。 「注」は音読みだと「チュウ」、訓読みだと「そそぐ・つぐ」と読みます。 「注」は「ひとつ所に集中させる」を意味します。 「傾注」の意味は、
です。 一つの事に精神や力を集中すること・一つの物事に力を尽くすこと・没頭することを表します。 「全力を傾注する」「全身全霊を傾注する」「仕事に傾注する」「製作に傾注する」などと使います。 「注ぎ傾く」と書くように、何かを一点に注ぐような感じをイメージすると良いでしょう。 また、「傾注せよ」という形で軍隊でも使われます。 「傾注せよ」は教官や司令官など上の者が、隊員に集中して話を聞くよう促す場合に用います。
例文
元NHKアナウンサーの著者が教科書通りの敬語ではなく、様々なシーンで使うことができる生きた敬語表現を紹介しています。文法的に正しい敬語でも、言い回しや場面によっては相手に不快感を与えてしまう場合があります。こちらの本では ”気の利いた敬語” の使い方を、言葉のプロがコンパクトに解説しています。
同じ内容でも伝え方次第で結果が全く変わってしまう。そんな経験をしたことがある方もいるのではないでしょうか?実は言葉の選び方や順序には公式があり、それに気付きさえすれば、ビジネスシーンだけではなく人生全般でのコミュニケーションを円滑にすることができます。こちらの本では、相手の返事を「ノー」から「イエス」に変える具体的な方法が体系化されています。
偏差値35だった筆者が、二年間の浪人と東大合格の末にたどり着いた読書術を余すところなく大公開しています。文章を読み込む力や論理的に整理する力などが劇的に向上する実践的な読み方が分かりやすく解説されています。仕事・勉強の生産性を上げたい人にも読書嫌いにも効果テキメンの一冊です。