「適用」という言葉をご存知でしょうか。「法律を適用する」「ルールを適用する」などと聞き覚えがありますよね。「適用」は比較的よく使われる言葉です。では、「適用」の意味についてきちんと知っているでしょうか。なんとなく使っているということはありませんか。普段から使われている言葉だけに、適切に使用したいですね。また、「適応」や「摘要」と似た言葉があり、使い方に戸惑ってしまいますが、しっかりと使い分けれるようにしましょう。そこで今回は「適用」「適応」「摘要」の意味と使い方について解説していきます。
「適用」「適応」「摘要」は漢字や読みが似ているため、混同されがちですが、意味が全く違います。 「適用(てきよう)」は、あてはめることです。 例えば、「生活保護法を適用する」などと使います。 類語には「活用」があります。 「適応(てきおう)」は、合わせることです。 例えば、「新しい環境に適応する」などと使います。 類語には「順応(じゅんのう)」があります。 「適用」と「適応」は漢字と読みは似ていますが、意味と使い方が全く違います。 「摘要(てきよう)」は、要点を抜書きすることです。 会計用語で「摘要欄」があります。仕訳帳に総勘定元帳、現金出納帳などに取引の内容などを分かりやすく簡単にまとめて書く箇所です。
「適用」は「てきよう」と読みます。 「適」は音読みだと「テキ」、訓読みだと「かなう・たまたま」と読みます。 「適」は「ぴったり当てはまる。かなう」を意味します。 「用」は音読みだと「ヨウ」、訓読みだと「もちいる」と読みます。 「用」は「使う。もちいる」を意味します。 「適用」の意味は「(法律・規則などを)あてはめて用いること」です。 法律や規則を具体的な事例にあてはめて、効力を発揮させることを表します。 規則や法律に合った条件に当てはめること・施行された法律を、ある対象に当てはめることを「適用」と言います。 例えば、「開店10周年を記念して、この商品には30%の割引が適用される」といった場合は「開店10周年を記念し、この商品には30%の割引をあてはめて効力を発揮する」という意味になります。 他にも、「規則を適用」「方式を適用」「厚生年金の適用」などと使います。 「適用」は「◯◯をあてはめる」と置き換えると分かりやすいです。 法律において「適用する」といった場合は「法律の規定を具体的な場合について、特定の人・特定の事項・特定の地域に関して実際にあてはめてその効力を実際に働かせること」を表します。
例文
「適応」は「てきおう」と読みます。 「適」は音読みだと「テキ」、訓読みだと「かなう・たまたま」と読みます。 「適」は「ぴったり当てはまる。かなう」を意味します。 「応」は音読みだと「オウ」、訓読みだと「こたえる・いらえる」と読みます。 「応」は「ふさわしい。つりあう」を意味します。 「適応」の意味は、
です。 その場の状況や環境によくあてはまること・環境に合うように行動や考え方を変えることを表します。 「時代に適応」「変化に適応」「環境に適応」「状況に適応」などと使います。 例えば、「社会で上手くやっていくには、時代の変化に適応する必要がある」といった場合は「社会で上手くやるには、時代の変化に自らがしっかりと合わせていくことが必要だ」という意味になります。 「適応」は「◯◯にあてはまる」「◯◯に慣れる」と置き換えると分かりやすいです。
例文
「摘要」は<てきよう>と読みます。 「摘」は音読みだと「テキ」、訓読みだと「つむ・つまむ」と読みます。 「摘」は「かいつまんで選び出す」を意味します。 「要」は音読みだと「ヨウ」、訓読みだと「かなめ・いる」と読みます。 「要」は「大切なところ。かなめ」を意味します。 「摘要」の意味は「要点を抜き出して記すこと。また、その抜書き」です。 大切な箇所を抜き書きすること・全体の中で大事な部分だけを抜き出したものを表します。 「摘要」は決して補った部分というわけではなく、本題の重要な箇所そのものを指しています。 重要な箇所を記しているので「摘要」だけを読んでも、ざっと本題の内容は分かります。 会計や経理に携わっている人は「摘要」という言葉をよく使います。伝票や帳簿などに「摘要欄」という部分があります。 例えば、仕訳伝票の場合、「摘要欄」には取引先の相手や取引内容などを書きます。 このように、「摘要」は最もと言うほどではありませんが、それなりに重要な事柄を表します。
例文