「感心・関心・歓心・寒心」という言葉をご存知でしょうか。どれも「かんしん」と読む同音異義語です。日本語には同じ読みでも意味や使い方が違う言葉というものが多くあります。「かんしん」もしっかりと使い分けできないと、相手に誤解を招いてしまいます。難しいと思うかもしれませんが、適切に覚えれば、すぐに使うことができます。知っている方も多いと思いますが、今一度確認しておきましょう。そこで今回は「感心・関心・歓心・寒心」の意味の違いと使い分けについて解説していきます。使い分けを覚えて、言葉の知識を深めましょう!
▶︎「感心」・・・物事に触れて、心を深く揺り動かされること。優れた技量に心を動かされること ▶︎「関心」・・・ある事に興味を持つこと。心が惹かれて注意を向けること ▶︎「歓心」・・・心から喜ぶこと。人の心を喜ばせること ▶︎「寒心」・・・恐怖や心配に思う気持ちでゾッとすること。肝を冷やすこと
「感心」には3つの意味があります。 1. 感動する。深く心に感じること。優れた技量に心を動かされること 2.「感心な」で、行動や態度などが褒められるべきであるさま。 3. ひどさにあきれること。びっくりすること 「感」は「外部の物に触れて心が動く。心の動き」、「心」は「こころ。精神」を意味します。 「感心」とは、感情や知性から物事に触れて優れていると判断し、心が動かされることです。 素晴らしいものを見て、『すごいな〜』『偉いな〜』と思うことを「感心する」と表現します。 基本的に、「感心」は人の行動や物事が優れていると思った場合に、”褒め言葉”として使います。 目上の人ではなく、目上から目下の者、あるいは同等の相手に使うのが適切です。 実際には優れていない事や物に対して、「感心」を使ってしまうと、皮肉で否定的な意味合いになります。 また、「感心」は「感心しない」「感心できない」などと、否定文で使うこともあります。 この場合は、相手の言動を良くないと思った場合に、遠回しに相手を批判・非難するニュアンスで用います。
例文 褒め言葉として使う場合
否定文として使う場合
皮肉として使う場合
「関心」の意味は、
です。 「関」は「つながりを持つ。かかわる」、「心」は「こころ。精神」を意味します。 「関心」は簡単に言ってしまうと、「興味」です。 ある事に惹きつけられたり、より詳しく知ろうという気持ちを「関心」と表します。 何かに興味を持ったり、注意を払うという場合に「関心」を使います。 主に、「関心が高まる」「関心を持つ」「関心を呼ぶ」「関心の的」「関心事」などと用います。 例えば、「最近、政治に関心がある」といった場合は「最近、政治に対しての興味を持っている」という意味になります。 「関心」の反対語は「無関心」です。 「無関心」は「心にかけないこと。興味を持たないこと」を表します。
例文
「歓心」の意味は「心に喜ぶこと。喜んで嬉しいと思う心」です。 「歓」は「打ち解けよろこぶ。楽しみよろこぶ」、「心」は「こころ。精神」を意味します。 何かを喜ぶ気持ち・うれしいと思う心・人の心を喜ばせることを表します。 よく使われる表現としては「歓心を買う」「歓心を得る」があります。 「歓心を買う」とは、簡単に言ってしまうと「機嫌を取ること」です。 「部長の歓心を買う」「上司の歓心を買う」といったように、「気に入られるように頑張る」ということを表します。 「歓心を得る」といった場合は、「人に気に入られる」ということを表します。 例えば、「プレゼントで彼女の歓心を得る」は「プレゼントを贈ることで気に入られようとする」ということです。
例文
「寒心」の意味は「心配などで肝をひやすこと。心に恐れを抱いて、ぞっとすること」です。 「寒」は「身震いする。ぞっとする」、「心」は「こころ。精神」を意味します。 恐れや不安を抱いていてゾッとしてしまうこと・よくよく考えてみて恐怖に陥ることを表します。 「寒心に堪えない」という表現がよく使われます。 これは、「恐怖に思う気持ちを抑えることができないこと。危険を感じて萎縮してしまうこと」という意味です。 「身の毛もよだつ」「血の気が引く」「おっかない」「不安を隠せない」などと言い換えることができます。 「寒心」の類語には、「戦き・慄き(おののき)」「戦慄(わななき)」「震え」などがあります。 「恐怖や怒り、または寒気のために体が震えること」を意味します。
例文
「感心・関心・歓心・寒心」の違いについて理解できたでしょうか? 全て「かんしん」と読みますが、それぞれ意味と使い方が異なります。 しっかりと違いを知って、上手く使い分けできるようにしましょう!
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