「可否」についてご存知でしょうか。「可否を問う」「参加の可否」などと使います。日常会話ではほとんど使われていませんが、ビジネスシーンではたびたび目にすることが多いです。どこかで見聞きする言葉ではありますが、しっかりと意味を理解しているでしょうか。また、「可否」には「是非」や「有無」など似た表現がたくさんあるため、きちんと使い分ける必要があります。他の言葉との違いを知っておけば、より「可否」の知識を深めることができます。そこで今回は「可否」の意味や使い方、類語との違い、「是々非々」の意味について解説していきます。「可否」を正しく覚えて、上手く使えるようにしましょう!
「可否」は<かひ>と読みます。 「可」は音読みで「カ」、訓読みで「よい・べし」と読みます。 「可」は「よい。よろしい。成績評価では良の次のランク」を意味します。 「否」は音読みで「ヒ」、訓読みで「いな・いや」と読みます。 「否」は「〜か〜でないか」を意味します。 「可否」の意味は、
です。 「可否」は「そうすること、そうであることが良いか良くないか、または賛成か反対か」を表す語です。
「良いことか悪いことか」もしくは「賛成と反対」を表す場合に「可否」を使います。 ビジネスシーンでは「賛成か反対か」「許されるか許されないか」の意味で使うことが多いです。 例えば、「部長の可否を問う」と言った場合は「部長が許すか許さないか」と捉えることができます。 他にも、「この内容で進めていくことについての可否を尋ねる」などと言います。「この内容で進めることについて、賛否を尋ねる」という意味になります。 会議においても「可否を採る」などと言いますが、これは「賛成か反対かを決める」ということを表しますよね。 ビジネスシーンでの「可否」は、議会で採決をとるとき・計画を進めるとき・スケジュール確認など様々な場面において使われます。 言い回しとしては、
などとなります。 「可否」は話し言葉として用いることはほとんどなく、主に書き言葉として使います。
例文
「有無」は「あることとないこと」という意味でよく使われる言葉です。資料でも「有・無」のどっちかに丸をつけるということがありますよね。 「可否」には「是非」の意味も含まれます。しかし、「可否」は「是非」の意味よりも「賛否」の意味で使われることが多いです。 例えば、「問題の可否を問う」は「その事が許されることか許されないか問うこと」、「是非」は「その事が道理にかなっているか、かなっていないかについて問うこと」を表します。 他にも「是非」には、「是非お願いします」と使うように「事情がどうでも、あることを実現しようという強い意志」という意味も含まれます。 「要否」は「必要か不必要か」を意味します。 「要否」は特に「物資や資料など目に見えるものが必要か必要ないか」ということを表す場合が多いです。 「賛否」は「可否」とほぼ同じ意味ですが、使う場面が異なります。 「可否」は「物事が起こる前に賛成か不賛成か決める」、「賛否」は「既に起こった事象に対して賛成か不賛成か評価すること」を表します。「可否」を「許可する・しない」というニュアンスで使う理由は、「可否」には「物事が起こる前に」という意味があるから、ということが読み取れますね。
例文
「是々非々」は<ぜぜひひ>と読みます。 「是々非々」の意味は「良いことは良い、悪いことは悪い、と事に応じて判断すること」です。 物事の善悪を客観的に決めること・正しいことは正しい、悪いことは悪い、と公式に判断することを表します。 立場や思想に囚われずに、良いことは良いと賛成し、悪いことは悪いと反対することを「是々非々」と表します。 あくまでも道理にしたがい、私心をはさまず公式に判断するという場合に使うので、自身の中立性や客観性を示したい際には「是々非々」と表現するのが良いでしょう。 言い回しとしては、
などとなります。
例文
適否 (意味:適することと適さないこと) 「仕事への適否を調べる」 妥当性 (意味:よく当てはまること。適切であること) 「妥当性に欠けているだろう」 適切さ (意味:よく適合しているさま。ぴったり当てはまっているさま) 「適切さが一番重要である」 採否 (意味:採用と不採用。採るか採らないかということ) 「採否の決定を下す」 善し悪し (意味:善いことと悪いこと) 「事の善し悪しもわきまえず」 好悪 (意味:好むこととにくむこと) 「彼女は好悪が激しい」 善悪 (意味:善と悪。善人と悪人) 「善悪をはっきりとさせる」 正邪<せいじゃ> (意味:正しいこととよこしまなこと) 「正邪をはっきりと見定める」 理非曲直<りひきょくちょく> (意味:道徳的に正しいことと間違っていること) 「理非曲直を正す」
「可否」の英語表現を見てみましょう。 「是非」という意味の英語は「right or wrong」になります。 「賛否」は「pros and cons」「for and against」などの表現があります。 しかしビジネスメールなどで使う「可否」は上記のような直訳的な英語表現を使う必要はないでしょう。 例文を見てみましょう。
Could you reply to me whether you can attend the meeting or not by next Wednesday? Thank you.
来週の水曜日までに会議参加の可否についてご返信いただけますか?よろしくお願いします。
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「可否」について理解できたでしょうか? ✔︎「可否」は「かひ」と読む ✔︎「可否」は「よしあし。よいかよくないか。賛成と不賛成。可決と否決」を意味 ✔︎「可否を問う」「可否を論ずる」「可否を判断する」などと使う ✔︎「可否」の類語には、「適否」「適切さ」「善し悪し」などがある