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「舌鼓」の正しい読み方は?「舌鼓を打つ」はどんな音?「舌打ち」との違いは?

「舌鼓」という言葉をご存知でしょうか。「舌鼓を打つ」「舌鼓する」などと、テレビ番組などでもよく聞きますよね。では、「舌鼓」とはどのような意味なのでしょうか。「舌鼓」は読み方についても非常に間違えやすいので、注意が必要です。また、具体的に「舌鼓」とはどのような音なのか気になってしまいますよね。普段はあまり使わない言葉かもしれませんが、知っておけばいざという時に使うことができます。そこで今回は「舌鼓」の意味や使い方、読み方、「舌打ち」との違いについて解説していきます。「舌鼓」を正しく知って、上手く使えるようにしましょう!

「舌鼓」の読み方は、「したつづみ」と「したづつみ」どっち?

「舌鼓」は<したつづみ>と読みます。 「舌」は音読みで「ゼツ」、訓読みで「した」と読みます。 「鼓」は音読みで「コ」、訓読みで「つづみ」と読みます。 「したづつみ」と読まれていることが多いですが、実は間違いです。 しかし、現在では「したづつみ」と読む人が多いため、許容されて誤りではないとされました。 「したづつみ」と読む人が多いのは、「したつづみ」よりも読みやすいことからと言われています。 「したつづみ」でも「したづつみ」でも問題ありませんが、「したつづみ」と読むのが無難でしょう。

「舌鼓」の意味と使い方

「舌鼓」の意味は「食べ物を褒めるときに、舌を鳴らすこと」です。 美味しいものを味わったときに鳴らす舌の音・食べ物が美味しいことに感動し、思わず舌の音を鳴らすこと表します。 「舌」は「した」、「鼓」は「木製で中央部のくびれている胴の両端に革を張った楽器」を意味します。 「舌鼓」は舌を鼓のように鳴らすさまを表す語です。 『お〜、これは美味しいね』と感動し、つい舌を『ポンッ』と鳴らす人がいたことから「舌鼓」と喩えました。 「舌鼓」は「舌鼓を打つ」という表現でよく使われています。 「舌鼓を打つ」は「美味しいものを食べた満足感を舌を鳴らして表すこと」を意味します。 美味しさを表現したい場合に「舌鼓を打つ」と表現します。「舌鼓を鳴らす」「舌鼓する」などとも言います。 旨味が凝縮されたご馳走や新鮮な食材など、ついつい唸るような美味しいものを食べたときに使うことが多いです。 実際に音が出ていなくても、「舌鼓を打つ」と表現できます。 例えば、「彼女はステーキに舌鼓を打った」「我々はフランス料理に舌鼓を打つ」「名産品に舌鼓を打つ」などと言います。

例文

  • ウニ、はちのこ、カラスミといった日本の珍味に舌鼓を打つ。
  • 彼女の手作りハンバーグに舌鼓を打ちながら食べる。
  • 初めて食べるキャビアの美味しさに、舌鼓を打ちながら味わう。
  • 焼きたてのアップルパイの美味しさに舌鼓を打つ。
  • 彼が舌鼓を鳴らして料理を平らげている様子は、気分が良い。
  • 長い海外留学から帰ってきて、まず最初に食べた日本料理に思わず舌鼓を打った。
  • 今が旬のかぼちゃやイワシを食べて、舌鼓をした。
  • チョコレートとポテトチップスの絶妙なハーモニーに舌鼓を打ってしまった。
  • 健康のためとしばらく禁止していたが、久しぶりに飲んだお酒に舌鼓を打つ。
  • 人気があるベトナム料理店で食事をして、あまりの美味しさに舌鼓を打つ。
  • 舌鼓を打ちたいほど、某チェーン店の牛丼の虜になってしまう。
  • 見ているだけで舌鼓を打ってしまいそうなご馳走が並んでいる。

「舌鼓」って実際どんな音?

昔の日本人は、美味しい食べ物を食べると、舌を使い上顎を鳴らすことで、美味しさを表現したそうです。 その時の音が『ポンッ』や『コンッ』『トントン』という音だったので、そこから「舌鼓」と言うようになりました。 今でも、舌の先が上顎のあたった状態で、息をひっこめたとき、少し音が出ます。これが「舌鼓」です。 文字に表してみると、『チャチャ』『チッチッ』『タッ』『ホクホク』などとなります。 舌を鳴らす音であったら、何でも「舌鼓」に当てはまります。 料理を食べている時、無意識に舌が鳴ってしまうのはそれが美味しいという証拠ですね。

「舌鼓」と「舌打ち」の違い

「舌鼓」・・・食べ物が美味しいことに感動して鳴らす舌の音 「舌打ち」・・・ 残念な気持ちや不愉快な気持ちなどを表す舌の音

「舌鼓」にも「舌打ち」という意味がありますが、現代ではこの意味で「舌鼓」を使うことはめったにありません。 「舌打ち」とは「思うようにならない時や、いまいましい時の仕草」です。 「舌を上顎に密着させて、はじき鳴らす音」が「舌打ち」となります。 イライラしたとき、ミスしたとき、自分が納得できないといった場面で『チッ』と言ってしまうことです。 「舌打ち」にも「うまいものを食べた時のしぐさ」という意味がありますが、こちらの意味では滅多に使いません。 「舌打ち」をすると、レベルが低い奴、育ちが悪い奴などというレッテルを貼られてしまうため、なるべく我慢するか、他の方法で発散するように心掛けるようにしましょう。

例文

  • 部下のミスなのに、代わりに自分が怒られて舌打ちをする。
  • 無茶苦茶な理由で事件を起こした犯人に、腹が立ってしまい舌打ちする。
  • 何回やっても馬券が当たらないことに、イライラしながら舌打ちをした。
  • ミスをしていることを指摘しただけなのに、舌打ちをされて不快になる。

「舌鼓」の類語

舌なめずり (意味:うまい獲物などを待ち構えること) 「舌なめずりして待っている」 口鼓<くちつづみ> (意味:舌を鳴らすこと) 「予想外の美味しさに口鼓する」 腹鼓<はらつづみ> (意味: 満腹してふくらんだ腹を鼓のように打ち鳴らすこと) 「満足して腹鼓を打つ」 美食を堪能する (意味:うまい物や贅沢な物を十分に満ちること) 「美食を堪能して上機嫌だ」 美食を満喫する (意味:うまい物や贅沢な物を十分に飲み食いすること) 「ここに来たおかげで美食を満喫した」 食べ尽くす (意味:なくなるほど食べること。尽きるほど食べること) 「美味しくて食べ尽くしてしまった」 ほおが落ちるよう (意味:非常に美味であることの形容) 「ほおが落ちてしまうほど絶品だ」 腹がはち切れそう (意味:お腹がいっぱいになって、表面が裂け切れそうだ) 「腹がはち切れそうなほど食べる」 至福の時を感じる (意味:この上ない幸福の時間だと思うこと) 「食べている時が一番至福の時を感じる」 口福 (意味:おいしい物を食べて感じる満足感) 「ケーキを食べている時が口福に思う」 喉が鳴る (意味:美味しそうな食物を見て、大そう食欲が起こる) 「食品サンプルを見ただけで喉が鳴る」

乗馬用語としての「舌鼓」とは?

「舌鼓」は乗馬においても使うことがあります。この場合は「したつづみ」ではなく「ぜっこ」と読みます。 「舌鼓」は「『チッチッ』と音を出して、馬に注意を促すこと」です。 馬の注意をこちらに向けさせたり、強い扶助を掛けることができます。上手くできないと、ただの舌打ちに聞こえたり、馬がついてきてくれません。正しく舌鼓できるようになると、10m離れていたとしてもしっかりと馬に聞こえるようになります。 慣れている人だと『チッチッ』ではなく、『ギュッギュッ』『ティッティッ』と響く音が鳴るそうです。 こうした大きな音を鳴らすことによって、馬に発進を促すことができます。

「舌鼓を打つ」の英語

「lick my lips」「smack my lips」など

「舌鼓を打つ」は英語で、

  • lick my lips
  • smack my lips

と表現します。 「美味しそうだな〜」と思うことを示す慣用句になります。

My sister smacked her lips looking at the chocolate cake.

姉はチョコレートを見て、舌鼓を打った。

ちなみに「おいしい」を意味する英語は「delicious」以外にたくさんあります! 興味のある方は下記の記事を参考にしてみてください。

【完全版】「delicious」だけじゃない「美味しい、うまい」の英語表現113選

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さいごに...「舌鼓」の音が汚いと嫌悪感を抱く人もいるので注意

「クチャラー」という言葉があるように、『クチャクチャ』『チャッチャ』と音を立てて食べる人に対して、気分を害する人も多くいます。「クチャラー」とは「食べ物を咀嚼するとき、唇を閉めないで食べる人」です。 あまりの美味しさに音が出てしまうほど味わうことはとても良いことですが、中には不快な気持ちになる人もいるので、音の立て過ぎには注意するようにしましょう。

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