「嬲る・嫐る」という言葉をご存知でしょうか。字面を見ただけだと、難しくなんと読むかも分からないという方が多いのではないでしょうか。「嬲る・嫐る」はあまり日常会話では使うことはありませんが、知っておくと文を理解できたり、話の内容を掴めることができます。見聞きすることが少ない言葉であるからこそ、しっかりと使い方を覚えておく必要があります。また、語源や類語なども知っておくと、言葉の知識を深められます。そこで今回は「嬲る・嫐る」の意味や使い方、読み方、語源、類語について解説していきます。「嬲る・嫐る」を正しく知って、上手く使えるようにしましょう!
「嬲る・嫐る」は<なぶる>と読みます。 「嬲る」と書いても「嫐る」と書いても意味は同じです。 「嬲る・嫐る」の意味は、 1.からかい、ひやかす。バカにする。責めさいなむ。いじめる 2.手でもてあそぶ。いじる です。 弱い立場の者を面白半分にバカにすること・人をからかったり苦しめたりすることを表します。
「なぶる」は「嬲る」と「嫐る」と表記することができますが、一般的には「嬲る」を使うことが多いです。 「嬲」は音読みで「ジョウ」、訓読みで「なぶる」と読みます。 「嬲る」は「男+女+男」で成り立っていて、男が女に付きまとうことを表します。 「嫐」は音読みで「ノウ・ドウ」、訓読みで「なぶる」と読みます。 「嫐る」は「女+男+女」で成り立っていて、女が男に付きまとうことを表します。 「嬲」と「嫐」は、中国で1700年以上前に作られた俗字です。 字のまま、「男が二人して女をいたぶっている様子」から「嬲」ができました。 「なぶる」は方言としても使われていて、「いじる。触る」という意味で「なぶる」を使う場合は名古屋弁だと言われています。通常の「なぶる」と方言の「なぶる」では意味が異なるので注意しましょう。
「面白半分でバカにする。もてあそぶ」ということを表す場合に「嬲る」を使います。 例えば、「自分より下の立場にいる相手を嬲る」「先輩に嬲られた」などと言います。 「嬲る」は単に面白がっているという場合ではなく、相手が困惑しているのを楽しみながら苦しみを与えるという時に用います。言葉や態度だけでなく、暴力によって苦痛を与えることも含まれます。 「嬲り殺し」という言葉がありますが、これは「もてあそび苦しめながら殺すこと。わざとすぐに殺さないで、むごたらしい方法で殺すこと」を意味します。 言い回しとしては、
などとなります。 2つ目の「手でもてあそぶ」という意味では、「おもちゃを嬲る」「前髪を嬲る」などと使います。 こちらの意味では「苦しめながら」「いじめる」といったマイナスなニュアンスは含まないです。 ただ、「嬲る」はこちらの意味ではほとんど使いません。
例文 1つ目の「ひやかす。からかう」という意味
2つ目の「手でもてあそぶ」という意味
いじめる (意味:弱い者を苦しめる) 「下級生をいじめる」 苛む<さいなむ> (意味:いじめる。苦しめる。酷く当たる) 「不安に苛まれる」 いびる (意味:しいたげ苦しめる。いじめて困らせる) 「駄々を言っていびる」 虐げる<しいたげる> (意味:虐待する) 「捕虜を虐げる」 小衝く (意味:いじめ苦しむこと) 「あいつはいつも小衝いている」 蹂躙<じゅうりん> (意味:踏みにじること。踏みつけること) 「弱小者を蹂躙する」 いたぶる (意味:生意気な相手をいじめる) 「あの人はいたぶるから嫌いだ」 からかう (意味:冗談を言ったり困らせたりして、人をなぶること) 「子供をからかう」 嘲る<あざける> (意味:バカにして笑う) 「失態を嘲る」 おちゃらかす (意味:真面目な対応をせず、冗談のようにする) 「おちゃらかしてばっかりで不快だ」 ひやかす (意味:相手が恥ずかしがったり、当惑したりすることを言ってからかう) 「新郎をひやかす」
玩具にする (意味:子供のもてあそびものにする) 「古びたマスコットを子供の玩具にする」 まさぐる (意味:指先などで探し求めること) 「ポケットをまさぐってみたものの何もない」 もてあそぶ (意味:手に持って遊ぶこと) 「おもちゃをもてあそぶ」
持ち上げる (意味:褒めておだて上げること) 「大いに持ち上げて仕事をさせる」 ヨイショする (意味:相手の機嫌をとって、おだて上げること) 「上役にヨイショする」 おだてる (意味:人を褒めて得意にならせる) 「おだてて酒を奢らせる」 担ぐ (意味:まつり上げる。名義上推し立てる) 「学長に担ぐ」 べた褒めする (意味:全てを手放しで褒めること) 「彼女をべた褒めする」 得意にさせる (意味:満足させること) 「褒めて得意にさせる」 浮かれさせる (意味:心がウキウキして落ち着かなくさせる) 「とことん褒めて浮かれさせる」 いい気にさせる (意味:自分一人で得意になり、自惚れさせる) 「いい気にさせたところで話を切り出す」
「嫐」とは、一人の男を巡っての二人の女の嫉妬の所作を表します。 「嫐」は「後妻打ち(うわなりうち)」の風習を題材にしたものです。 江戸時代は風習として、男性は妻と離婚しても一ヶ月以内に後妻を迎えていました。 この時に、元妻から男性に向けて「何月何日に後妻(うわなり)打ちに行く」と前日に伝えると、翌日仲間を筆頭に武器を持って押しかけました。 竹刀を持った人たちが打ち合ったため、大怪我を負ったり、死者が出るということもあったそうです。 このように、「後妻打ち」とは「本妻や元妻が後妻を妬んで、予告した上で殴り込みに行く風習」を表しています。 「嫐」は「後妻」という意味でしたが、転じて「嫉妬」という意味になったのです。
「嬲る・嫐る」の英語表現を見ていきましょう。 「からかう」という意味の英語は、
などがあります。「bully」だけは「いじめる」という意味なので、少しシリアスなニュアンスになります。
Bill always makes fun of the rookie teachers.
ビルはいつも新米教師を嬲る。
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「嬲る・嫐る」について理解できたでしょうか? ✔︎「嬲る・嫐る」は「なぶる」と読む ✔︎「嬲る・嫐る」は「弱い立場の者を面白半分にバカにすること。人をからかったり苦しめたりすること」を意味 ✔︎「嬲るような目で見る」「嬲るように非難される」などと使う ✔︎「嬲る・嫐る」の類語には、「いじめる」「さいなむ」「からかう」などがある