「やはり」という言葉をご存知でしょうか。「やはり失敗したか」「やはり同じ場所で働いていた」などと使います。「やはり」は日常会話で使うことが多いです。頻繁に使う言葉であるため、普段は何にも意識しないで使用しているかもしれません。では、「やはり」の意味についてしっかりと理解しているでしょうか。「やはり」は目上の人に対して使うことができるのでしょうか。他にも、「やっぱり」「やっぱ」がありますが、何か違いはあるのでしょうか。色々疑問に思う点が多いです。そこで今回は「やはり」の意味や使い方、漢字、類語について解説していきます。「やはり」を正しく知って、上手く使えるようにしましょう!
「やはり」には2つの意味があります。 「やはり」の意味は、 1.もとのまま。前と、または他と同様に。(動かさないで)そのまま。依然として 2.思った通りに。案の定。いろいろ考えてみても結局は。つまるところ です。 1つ目は「元のまま。そのまま」と、 以前と同じ状況であるさま・事態が変わらずに続いているさまを表します。 2つ目は「案の定。思った通り」と、前もってした予想と同様であるさま・様々考えても、結局初めに予測した結論に落ち着くさまを表します。 このように、「やはり」は前の状態や予想の通り、現在が過去と変わらずに続いていることを表す語です。 「やはり」には「動かないでじっとしているさま」という意味もありますが、こちらの意味ではほとんど使いません。
「やはり」は漢字だと「矢張り」と書きます。 「やはり」は「やはら」という古語が由来となっていると言われています。 「やはらか(和か)」という形で、「そのままじっとしておく」という意味でした。そこから、転じて「変わらない様子。変化がないさま」、今現在使われている「予想した通り。結局は」という意味を持つようになりました。 「矢張り」はただの当て字であるとされていますが、中には「矢張り」は「弓を張り、矢を放つことを待っている構え」からできたという説もあります。ちょうど矢を放そうとした時に、「狙い通り」敵が現れたことから「やはり」といったそうです。 ただ、「矢張り」と漢字で表記するよりも、「やはり」とひらがなで表記するのが一般的です。
「以前と比べて違いがないさま」という意味では、「私もやはり困っている」「やはり彼女の作る料理は美味しい」などと使います。 「予想していた通りになるさま・色々と考えても結局は同じになるさま」という意味では、「彼女はやはり来なかった」「色々と考えては見たものの、やはり参加するのはやめることにする」などと使います。 このように、ある物事に関して『◯◯だろう』と予想していて、実際その通りであるという場合に「やはり」を用います。 「やはり成功した」「やはり上手くいった」などと「やはり+プラス表現」はポジティブな印象となりますが、「やはり失敗した」「やはり負けた」などと「やはり+マイナス表現」はネガティブな印象を与えます。 プラスな表現は特に問題ありませんが、マイナス表現だと、文章が全体的に暗い印象となってしまうので注意しましょう。
例文 1の「元のまま。そのまま」という意味
2の「案の定。思った通りに」という意味
「やっぱり」は「やはり」の砕けた表現です。 友人や親しい間柄の相手には『やっぱりそうだよね〜』『えーやっぱり!』などと使います。 「やっぱり」と小さな「っ」が入ることによって、意味を強めることができます。確かに、「やはり!」と言うよりも「やっぱり!」と言った方がなんとなく強調している感じがでますよね。 「やっぱ」ももっと砕けた表現になります。『やっぱし!』『やっぱ!?』などと言います。 「やっぱり」「やっぱ」は「やはり」と違って、他の意味で使われていることがあります。 『やっぱり私も行く!』『やっぱ天丼にする』などは「気や思いが変わって、行動をチェンジする」という意味で使われていますが、本来「やはり」にはこのような意味は含まれません。
「やはり」は副詞ですので、敬語活用することはできません。 しかし「やはり」は正しい日本語であり、砕けた表現ではありませんので、敬語の文章の中で目上の人に対して使用しても失礼になりません。 ビジネスメールにおいて用いることが多いです。 例えば、「新しい企画案につきましては、やはりもう少し時間がかかる予定です」などと使います。 「かかります」「かかる予定です」などと、「やはり」の前後はしっかりと敬語にするように気をつけましょう。 上記で説明した通り、「やっぱり」「やっぱ」は目上の人に使う表現として不適切です。 『やっぱり〜』『やっぱ〜』などと言ってしまうと、相手にマイナスな印象を与えてしまうので注意してください。
例文
そのまま (意味:状態に変化のないこと。あるがまま) 「君はお父さんにそっくりそのままだね」 依然として (意味:元のままであるさま。前の通りであるさま) 「その症状は依然として治らない」 同様に (意味:同じさまであること) 「母同様に親しんだ人」 元のまま (意味:はじめと同じであるさま) 「ここら辺は元のまま変わっていない」 変わらない (意味:物事の性質や中身が前と相違していないこと) 「彼女は昔と変わらない」 あるがまま (意味:実際にある、その状態のまま) 「あるがまま生きていく」 以前のまま (意味:むかしと同じままであるさま) 「以前のままで同じ風景が広がる」 現状通り (意味:現在の状態のまま。現況のまま) 「現状通り、やることは変わらない」
案の定 (意味:思った通り。予期した通り) 「案の定雨が降ってくる」 果然 (意味:予想通りであること。案の通り) 「果然、成功すると思っていた」 果たして (意味:思っていたように。案の通りに) 「果たして、失敗した」 結局 (意味:挙げ句の果てに。とどのつまり) 「結局了承してしまった」 とどのつまり (意味:途中に色々あったが、つまるところ) 「とどのつまり、忘れていたということだね」 思い通り (意味:思った通り。思うまま) 「思い通りに生きる」 にらんだ通り (意味:見当をつけたまま。見込みをつけたまま) 「にらんだ通り、あの人が怪しい」 読み通り (意味:思っていた通り) 「読み通り、彼は正しかった」 さてこそ (意味:やはり。思っていた通り) 「さてこそ、今日は晴れた」 なんてたって (意味:何と言っても) 「なんてたって、君には構わないよ」
「やはり」を砕けた表現「やっぱり」や「やっぱ」を使う際は注意するべきである、と上記で説明しました。 他にも「やはり」と同様に、気をつけなければいけない表現があるので紹介します。
×「マジっすか?」==> ◯「本当ですか?」 何か話を聞いた時に、「それは本当の話ですか?」という意味で「マジっすか」と使う人がいますが目上の人にはNGです。 「マジ」は「本当。本気」を意味する俗語です。「っすか」は「ですか」を省略した言い方になります。 驚きの度合いを表現する言葉として用いられていますが、非常に失礼です。 ×「ぶっちゃけ」==> ◯「正直言うと...」 「ぶっちゃける」とは「知っていることを隠すことなく語ること」です。ものすごく砕けた言い方になるので、目上の人に使うと失礼にあたります。 言い換えるには「正直言うと...」もしくは「はっきり言うと」とするのが良いでしょう。 ×「〜ってゆうか」==> ◯「〜と言うか」 「Aってゆうか、Bじゃないですか」などと使われていることが多いです。 正しくは「〜と言うよりも」「〜と言うか」となります。「言う」を「ゆう」と言うことが増えいますが間違いなので注意しましょう。 ×「〜っす」==> ◯「〜です」 語尾を「本当っす」「了解っす」「そうなんっすよ」などと「〜っす」としている人が多いですが、これは非常に失礼です。 友人相手なら問題ありませんが、目上の人にははっきりと「本当です」「了解です」などと「〜です」と言いましょう。
「やはり」の英語表現を見てみましょう。
など色々な表現があります。
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「やはり」について理解できたでしょうか? ✔︎「やはり」は 「以前と同じ状況であるさま。前もってした予想と同様であるさま」を意味 ✔︎ 漢字だと「矢張り」と書くが、基本的に「やはり」とひらがな表記で使う ✔︎「やっぱり」や「やっぱ」は「やはり」の砕けた表現なので、ビジネスシーンでは使わない ✔︎「やはり」の類語には、「そのまま」「依然として」「案の定」「とどのつまり」などがある