「よろしくお伝えください」という言い回しは、ビジネスシーンでは頻繁に使用します。ただ「よろしくお伝えください」は使用する上で気をつけないと、相手に不快な印象を与えてしまう可能性があります。では「よろしくお伝えください」はどのような使い方が効果的なのでしょうか。そこで今回は「よろしくお伝えください」の正しい使い方や適切な相手への伝え方について解説していきます。
「よろしくお伝えください」は、その場にいない人に自分の考えや様子を伝えてもらうようにお願いする言葉です。「よろしくお伝えください」は日常会話からビジネスシーンまで、幅広く使われています。 「よろしくお伝えください」の流れとしては、例えば、AとBが話しているときに、 AがBに「Cによろしくお伝えください」 → BがCに「Aがよろしくお伝えくださいと言っていた」 といったようになります。その場にいなかった共通の知り合い、この場合はCに自分の気持ちを伝えてほしいとAがBに依頼しています。
「よろしくお伝えください」と言われることは多いと思います。 では具体的に「よろしくお伝えください」とは、何を伝えているのでしょうか? 「よろしくお伝えください」の伝える内容としては、主に「御礼」や「お詫び」となります。 ビジネスシーンでの「よろしくお伝えください」は、特に内容の意味はなくただの社交辞令として使う場合があります。また、人と別れるときに「よろしくお伝えください」といったように、こちらも特に内容に意味はなく別れの挨拶として用いることがあります。 「よろしくお伝えください」は、手紙やメールなどの結びの言葉としても多く使用します。 手紙やメールで使う場合は、文章の最後に使用することになります。
「よろしく」の意味は、 ・ちょうど良い具合に、程よく ・人に好意を示したり、何かを頼んだりするときに添える語 ・別の人への好意を伝えてもらうときに用いる語 といったようになります。 「よろしくお伝えください」は、「伝え方は任せるので、私の気持ちや伝えたいことをうまく伝えておいてください」といった意味合いになります。 「よろしくお伝えください」は簡単に言うと「よろしいようにお伝えください」ということになります。 言葉通り「よろしく」と伝えるのではなく、「よろしいように」と伝えます。 「よろしいように」には、「お目にかかれず残念ですが、あなたのことを気にかけていますよ」「お元気でお過ごしくださいね」といったようにいろんな意味を含んでいます。
目上の人に「よろしくお伝えください」と言うと、「伝え方に関しては任せます」といったニュアンスになるので、少し失礼な印象を与えてしまいます。 しかし実際は、目上の人に対しても「よろしくお伝えください」はよく使われます。 目上の人に使う場合は、「よろしくお伝えください」の前に「何卒」「どうぞ」といった言葉を付けるとより丁寧な表現となります。 「よろしくお伝えください」の使い方としては、例えば、上司と家族ぐるみで仲が良い場合、家族の話題が出てきたときなどに「ご家族にもよろしくお伝えください」と言うことができます。 ただ、取引先の上司が来社した場合に、自分が普段関わっているAさんを挙げて、「Aさんにもよろしくお伝えください」と言うと失礼になっていまいます。Aさんにはいつもお世話になっているということを伝えることができますが、そんなことは自分から伝えるべきだと思われてしまいます。 目上の人に「よろしくお伝えください」を使うか使わないかは、お願いする相手や伝える相手との関係によって判断しましょう。
「申し上げる」は「言う」の謙譲語です。 「よろしくお伝えくださいますようお願い申しあげます」は、謙譲語を使っているので響きは丁寧ですが、結局はお願いしてるので失礼にあたる可能性があります。 また「よろしくお伝えくださいますようお願い申し上げます」だと、少々くどい印象を与えてしまいます。 お願いするときは、「よろしくお伝えください」と言う方が無難になります。
「よろしくお伝えください」の例文を紹介します。
・(お客様に対して)本日のご来店誠にありがとうございます。奥様にもよろしくお伝えください。 ・本日はお忙しい中お越しいただき誠にありがとうございました。ご出席の皆様にくれぐれもよろしくお伝えください。 ・本日は、弊社出展展示会にご来場くださり、心より御礼申し上げます。誠に残念ではありますが、間もなく終了とさせていただきます。なお、本日ご来場できなかった社員の皆様へもよろしくお伝えくださいますようお願い申し上げます。 ・◯◯様にはこの間の件でお世話になりましたので、感謝の旨お伝えいただきたく、よろしくお願いいたします。
・先日行いました打ち合わせの内容について、ご報告いたします。下記の日程で実施することになりましたのでお知らせいたします。皆様によろしくお伝えください。 ・先日は展覧会に大勢の皆様にご来場いただき誠にありがとうございました。末筆ながら、ご出席できなかった社員の皆様にもよろしくお伝えください。 ・明日の飲み会、以前から大変楽しみにしていたのですが、直前に急な用事が入り出席できなくなりました。直前のキャンセルになってしまい、ご迷惑をおかけして誠に申し訳ございませんでした。なお、明日出席される皆様へは、くれぐれもよろしくお伝えください。 ・私も近いうちにご挨拶に伺うつもりですので、ご主人様にもよろしくお伝えくださいませ。
・◯◯さんにお目にかかれるかと楽しみにしておりましたが、本日はかなわず残念です。くれぐれもよろしくお伝えくださいませ。 ・(打ち合わせに出席できなかった人に)次回の打ち合わせは楽しみしています、と課長によろしくお伝えください。
「よろしくお伝えください」を言われたときの返事は、人との関係によって変わってきます。
伝える先が身内であれば、「かしこまりました。Bに申し伝えておきます」と答えます。 Aさんに対しては身内をへりくだる表現「申し伝える」が適切になります。 「申し伝える」は「取り次いで申し上げる」という意味の、「言い伝える」の謙譲語です。 「かしこまる」は「つつしんで目上の人の言葉をお承る」という意味の謙譲語で、「相手の言ったことを理解し、その言葉に従う」という意味になります。 「かしこまりました」は、謙譲語「畏る(かしこまる)」+丁寧語「ます」なので丁寧な言葉になります。相手に敬意を示したいときは「かしこまりました」を使うのが良いでしょう。
伝える相手が目上の人の場合は、「かしこまりました。B様にお伝えいたします」と答えます。 「お伝えいたします」の「いたす」は「する」の謙譲語です。 「かしこまりました」の他に「承知しました」と言い換えることができます。 「承る」は謙譲語ですが、「承知」は厳密には謙譲語ではありません。しかし「承知」は「承」という文字を含むため丁寧な表現になっています。 返答するときに、「承知」だけでは失礼ですが、「承知しました」「承知です」といったふうに丁寧語をつけることで、目上の相手やお客様に使用するのが適切になります。
例えば、お店に行ったときなどに、「本日のご来店誠にありがとうございました。B様にもよろしくお伝えください」と言われる場合があります。 こういった場合は「お気遣いありがとうございます。Bに伝えます」と答えます。 「お気遣い」は基本的に必要な行いや言葉を相手に発することを言います。 「お気遣いありがとうございます」と言うことで、「Bのことを気にかけてくれてありがとうございます」と 相手の配慮に対して感謝する形になります。
「よろしくお伝えください」と言われたときに、相手との関係がすぐに判断できない場合があります。 そのようなときは、「かしこまりました」「承知しました」のみでも、依頼を引き受けたことになります。 ただ、なるべく伝える相手が身内か咄嗟に判断して「◯◯に申し伝えます」「◯◯にお伝えします」といった言葉も付けるようにしましょう。
「よろしくお伝えください」と言われた後、どのように伝えれば良いのでしょうか? 例えば、A ==> 私 ==> B とした場合に、Bに伝えるとき、 「Aさんがよろしくとおっしゃっていました」という言い方が、一般的にはよく使われています。 「Aさんがよろしくとおっしゃっていました」の他にも、 「Aさんから、Bさんによろしくと伝えてくださいという旨のお言葉を賜りました」と言うことができます。 またAさんとBさんが同等の場合は、「Aさんから、Bさんによろしくと伝えてくださいという旨の伝言を承りました」という言うこともできます。 Aさんが言っていたということを直接伝えるのではなく、Aさんからよろしく伝えてほしいとの伝言を預かっている、ということを伝える言い方もあります。
<伝え方の例> ・Aさんから、Bさんによろしくお伝えくださいとの伝言を承りました。 ・先日Aさんとお会いしました。Bさんのことを気にかけていらっしゃいましたよ。 ・Aさんにお目にかかる機会があったのですが、お元気そうでしたよ。Bさんのことを懐かしがっていらっしゃいました。
ビジネスシーンで、「よしなにお願いします」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。 「よしなに」の意味は、 ・うまい具合になるように ・よろしく ・良いように といったようになります。 「よしなに」は「よろしく」とほぼ同じ意味ですが、使用頻度は少ない言葉です。 理由としては、「よしなに」は「よろしく」よりも婉曲度合いが高く、曖昧な言葉だからです。 例えば、「よしなにお願いいたします」と依頼したとしても、意味が全く伝わらない可能性があります。 「よしなに」を使用する際には、具体的に物事を伝えなければならないので、あまり使い勝手はよくない言葉です。ビジネスシーンで使う場合は、意味が伝わりやすい「よろしく」を使うようにしましょう。
「お知らせください」の「お」は尊敬語、「ください」は丁寧語で成り立っています。 「お知らせ」は、「知らせること、またその内容・通知」という意味で、書き言葉として使われることがほとんどです。 「よろしくお伝えください」の代わりに、「よろしくお知らせください」と言うことができます。 ただ、「よろしくお知らせください」はあまり使われない表現です。
「いただけますか」の「いただく」は謙譲語になります。 「よろしくお伝えください」の言い換えとして「よろしく伝えていただけますか」と使うことができます。 ただ「よろしく伝えていただけますか」は、疑問形になってしまうので、確実に「よろしく」と言っていたことを伝えてほしい場合は、「よろしくお伝えください」を使いましょう。
「よろしくお伝えください」は英語で、 Please say hi to ....:...によろしくお伝えください Please say hello to...:...によろしくお伝えください と言います。
Please say hi to Mr.Yamada.
山田さんによろしくお伝えください。
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「よろしくお伝えください」について理解できたでしょうか? ✔︎「よろしくお伝えください」は、その場にいない人に伝えたい事を伝えてもらうようお願いする言葉 ✔︎「よろしくお伝えください」は言葉通り「よろしく」ではなく、「よろしいように」と伝えることになる ✔︎「よろしくお伝えください」は、相手との関係によっては、目上の人にも使うことができる ✔︎「よろしくお伝えください」の返事は、相手との関係によって言い方が変わる