「奇遇」という言葉をご存知でしょうか。「奇遇にも会う」「奇遇に喜ぶ」などと使います。人と思いがけず会ったときに使う言葉です。日常会話でもよく使う言葉なので、見聞きしたことがあるという方が多いかもしれません。では、「奇遇」の意味についてしっかりと理解しているでしょうか。使うことが多い言葉でも疑問に思う点がありますよね。また、「偶然」という言葉もありますが、何か違いはあるのでしょうか。そこで今回は「奇遇」の意味や使い方、語源、類語、「偶然」との違いについて解説していきます。「奇遇」を正しく覚えて、上手く使えるようにしましょう!
「奇遇」は<きぐう>と読みます。 「奇偶」「奇隅」「奇寓」と書かないように注意しましょう。 「奇」は音読みで「キ」、訓読みで「あやしい・くし・くすし・あやに」と読みます。 「奇」は「思っていた事より外れていること。予想外」を意味します。 「遇」は音読みで「グウ」、訓読みで「あう」と読みます。 「遇」は「思いがけずに会うこと」を意味します。 「奇遇」の意味は「不思議な巡り合わせ、思いがけないところで会うこと」です。 思いがけない場所で知り合いに会うこと、長らく離れていた人と予期せずに会うことを表します。
「奇」は、両手両足を伸ばしている人を表す「大」+口の形と口の奥を表す「可」で成り立っています。 このことから、「奇」は「風変わりな人。独特な人」を意味するようになりました。 「奇」を用いた表現には、「奇行」「奇人」「奇抜」「奇妙」「好奇」「奇怪」「奇才」などがあります。 「遇」は、十字路に立ち止まる人の足を表す「辶」+大きい頭と尾を持っている猿やナマケモノを表す「寓」で成り立っています。 このことから、「遇」は「予想外の場所で出会うこと」を意味するようになりました。 「遇」を用いた表現には、「遭遇」「境遇」「不遇」「千載一遇」「厚遇」「待遇」などがあります。 この二つの言葉が組み合わさることによって、「思いがけない場所で会うこと」を意味する「奇遇」という表現ができました。
思いもよらない場所で会ったり、予想していなかったところで会ったことを表す場合に「奇遇」を使います。 知っている人物と予想していなかった場所で会ったときに、驚きの気持ちを込めて『奇遇ですね』と言います。 「奇遇ですね」は「まさかこんな場所で会うとは」「こんなところで会うとはびっくりする」という意味になります。 「奇遇」は「同じ出身地なんて奇遇ですね」といったように、「思いがけないことで行動が合う」という意味でものに対しては使いません。 例えば、『最新式のiPhoneを買ったんだ』『奇遇だね。私も買ったんだよ』とは言わないです。 言い回しとしては、
などとなります。
「奇遇」の例文を紹介します。
「偶然」は<ぐうぜん>と読みます。 「偶」は音読みで「グウ」、訓読みで「たまたま」と読みます。 「偶」は「予想外。思いがけない」を意味します。 「然」は音読みで「ゼン・ネン」、訓読みで「しかり・しかるに・しかし・しかも」と読みます。 「然」は「ある状態を表す語」を意味します。 「偶然」の意味は「何の因果関係もなく、思いがけない出来事が起こること」です。 「奇遇」は「思いもよらない場所で知っている人と会うこと」です。 「偶然」は思いがけずに会った人以外にも、生じる可能性が低いものや事柄に対しても使うことができます。 例えば、「偶然にもあなたが持っているそのバッグ、私も持っています」といったように言えます。 「偶然出会う」「偶然見つける」「偶然聞く」などと使います。
例文
暗合(あんごう) (意味:予期せずに物事が生じること) 「ある出来事と暗合する」 偶合(ぐうごう) (意味:思いがけず一致すること) 「意図していなくても、偶合することがある」 吻合(ふんごう) (意味:物事が一致すること) 「両者の意見が吻合する」 巡り合わせ (意味:自然とやってくる運命) 「巡り合わせが悪いと、何も良いことが起きない」 一致 (意味:複数のものがぴったり一つになること) 「証拠品と容疑者の指紋が一致した」 回り合わせ (意味:自然と回ってくる運命) 「回り合わせが良くなるように祈る」 併発 (意味:複数の物事が同時に起こること) 「問題が併発して解決することが難しい」 合い文 (意味:一致すること) 「双方の考えが合い文したようだ」 出くわす (意味:人や物事と思いがけず会うこと) 「事件に出くわして、慌ててしまう」 邂逅(かいこう) (意味:予期せずに会うこと) 「まさかあんな場所で邂逅するとは」 奇縁 (意味:思いがけない巡り合わせ) 「彼と出会えるなんて合縁奇縁だね」
「奇遇」は英語で「coincidence」になります。
What a coincidence!
奇遇だね!
That's a coincidence.
それは奇遇でしたね。
It's a coincidence to run into you in this place!
こんな場所で君とバッタリ会うとは奇遇だね。
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「奇遇」について理解できたでしょうか? ✔︎「奇遇」は「きぐう」と読む ✔︎「奇遇」は「思いがけないところで会うこと。不思議な巡り合わせ」を意味 ✔︎「奇遇」は思いがけない場所で、知っている人と会ったことを表す場合に使う ✔︎「奇遇」の類語には、「暗合」「巡り合わせ」「一致」「邂逅」などがある