ビジネスシーンで「申し訳ありませんでした」と「申し訳ございませんでした」と、どちらも使っている方が多いのではないでしょうか。語尾が少し異なる2つの言葉に違いはあるのでしょうか。上司や取引先に使うにはどちらが正しい敬語なのでしょうか。今回は「申し訳ありませんでした」と「申し訳ございませんでした」の違いについて解説していきます。
「申し訳ありませんでした」と「申し訳ございませんでした」は意味自体に違いはなくどちらも謝罪をするときに使う言葉ですが、「申し訳ございませんでした」の方が丁寧な表現です。 「ありませんでした」も「ございませんでした」もどちらも丁寧語なのですが、「ございませんでした」は「ありませんでした」をより丁寧にした表現となっています。 ビジネスシーンで取引先やお客様など目上の相手には使う場合は「申し訳ございませんでした」を使いましょう。 ただ日頃から関わっている上司や、社内での小さなミスなどに対して「申し訳ございませんでした」と使うとくどい印象を与えてしまうことがあります。 慇懃無礼にならないよう、「申し訳ありませんでした」と使い分けるようにしましょう。
「申し訳ない」は、「相手にすまない気持ちで、弁解や言い訳のしようがない」という意味で、相手に対して詫びる際に用いる表現になります。 「申し訳ありませんでした」と「申し訳ございませんでした」は「申し訳ない」の丁寧語であり、意味に違いはありません。 先程も説明したとおり、丁寧さに違いがあります。
「申し訳ありません」と「申し訳ございません」が誤用だと言われることがありますが、これらは正しい日本語です。 「申し訳ない」と形容詞で考えると「申し訳ありません」と変化させるのは間違いであるため、誤用だと言われることが多くなっています。この場合は「申し訳なく思っています」などが正しくなります。 しかし「申し訳」という名詞を軸に考えると「申し訳ありません」「申し訳ございません」と使うことは正しい言葉となります。
「お詫び申し上げます」は、謝罪するときに述べる表現、公の場で謝罪の意を示す場合に用います。 「お詫び」は、「謝ること」「謝罪すること」を意味しています。 「お詫び申し上げます」の「申し上げる」は、「言う」の謙譲語ではありません。 「お〜申し上げる」は「お待ち申し上げます」や「お願い申し上げます」といったように、謙った表現として使用します。 「お詫び申し上げます」はビジネスシーンでは頻繁に使われます。 ミスをしたり損害を与えてしまったときの謝罪の言葉として「お詫び申し上げます」を用います。 「お詫び申し上げます」はかしこまった表現であるため取引先の相手や顧客といった社外の人だけではなく、上司や先輩といった社内の人に対しても使います。
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「失礼いたしました」は、「相手に対しての礼儀を欠いたことや失敬に対して許しを得るさま」を表す言葉です。 そのため、実はお詫びそのものの言葉ではなく謝罪をしたことにはなりません。 先に帰るときなど「お先に失礼します」など、謝罪するようなミスはしていないが先に帰ることへのお詫びの言葉として使われています。
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「陳謝」は、「事情を述べて詫びること」を意味しています。 「陳」は音読みだと「チン」、訓読みだと「つらねる」「のべる」と読みます。 「陳」には「申し述べる」という意味があります。 「陳謝」は謝罪に加えて、事情や経緯を説明することが必要な言葉になります。 「いたします」は「する」の謙譲語「いたす」+丁寧語「ます」なので、目上の人に対して使うことができます。 「陳謝」は「謝罪」と非常に似た言葉ですが、事情や経緯について述べていない場合は「謝罪」、一方でしっかり経緯を説明する場合には、「陳謝」を使う方が良いでしょう。
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「お詫びの言葉もございません」は、「いくら言葉を尽くして謝ってもまだ足りないほどの申し訳なさ思っている」というニュアンスです。 簡単に言うと「お詫びの言葉もございません」は、”あまりにも申し訳ない気持ちが強すぎて言葉では表現できない”ということになります。 「お詫びの言葉もありません」は「お詫び申し上げます」よりも謝罪の意が強い言葉です。
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