「行程」と「工程」という言葉をご存知でしょうか。「行程を組む」「製造の工程」などと使います。では、「行程」と「工程」の違いは何でしょうか。読みも同じで、字面も似ているため区別が難しいですよね。ただ、厳密にはそれぞれ意味が異なります。また、「校訂」と「校定」という言葉もありますが、適切に使い分けできるでしょうか。正しく使い分けするには、意味をしっかりと理解しておく必要があります。そこで今回は「行程」と「工程」、「校訂」と「校定」の違いについて解説していきます。上手く使い分けできるようにしましょう!
「行程」・・・行き先や目的に達するまでの距離。旅行のスケジュール 「工程」・・・物の生産や加工などを上手く行うための手順や段階
例えば、 「行程表」だったら「『一日目は◯◯、二日目は△△〜』などと、予定している物事の道のりや流れを記した表」 「工程表」だったら「『□日はどういったことを進めるか』などと、作業の進行や流れを記した表」 といった違いがあります。
「行程」は<こうてい>と読みます。 「行」は音読みで「コウ・ギョウ・アン」、訓読みで「いく・ゆく・おこなう」と読みます。 「行」は「おこない」を意味します。 「程」は音読みで「テイ」、訓読みで「ほど」と読みます。 「程」は「ある範囲までの距離・分量を区切ったもの」を意味します。 「行程」の意味は、 1.目的地までの道順 2.旅行などのスケジュール 3.蒸気機関など往復機関で、ピストンがシリンダー内の端っこから端っこまで移動する道のり です。 「行程」は1つめと2つめの意味で使うことが多いです。3つめの意味では、自動車の専門用語として用います。 1つめの意味では「約20キロの行程」「約三時間ほどかかる行程」などと言います。 ここでの「行程」=「距離」ということです。 「行程」は比喩的にも使え、「リーダーになるまでの行程は大変なものであった」などと言うことができます。 2つめの意味では「行程表を作成する」「旅行の行程を決める」などと言います。 ここでの「行程」=「日程」ということです。 「行程」は「日常の予定」ということではなく、「どこかに出掛けるにあたっての予定」ということになります。
例文 「目的地までの道順」
「旅行のスケジュール」
「工程」は<こうてい>と読みます。 「工」は音読みで「コウ・ク」、訓読みで「たくみ」と読みます。 「工」は「物品を作り出す作業。巧みなわざ」を意味します。 「程」は音読みで「テイ」、訓読みで「ほど」と読みます。 「程」は「ある範囲までの距離・分量を区切ったもの」を意味します。 「工程」の意味は「仕事や作業を進めていく上での手順や進み具合」です。 物の生産や加工などを、効率よく上手く行うための手順を表す場合に「工程」を使います。 商品の製造や建物の工事に関して使うことが多いです。 例えば、自動車を作るときは、 プレス ==> 溶接 ==> 塗装 ==> 部品の組み立て ==> 最終検査 といった手順となります。こういった「作業を進める順番。完成するまでの各々の段階」を「工程」と言います。 「工程」は、
などと使います。
例文
「校訂」・・・書物の本文を他の伝本と比べることによって、より良いものに正すこと 「校定」・・・書物の本文を他の伝本と比べることによって、原文に近い形に定めること
「校訂」は<こうてい>と読みます。 「校」は音読みで「コウ」、訓読みで「キョウ」と読みます。 「校」は「二つを見比べて直すこと」を意味します。 「訂」は音読みで「テイ」、訓読みで「ただす」と読みます。 「訂」は「言葉や文字の間違いを直すこと」を意味します。 「校訂」の意味は「古書などの本文を、他の伝本と比べ合わせて、より良いものに直すこと」です。 読む人が分かりやすいように、言葉や文字などを正しくすることを表します。 主に、「校訂する」といった形で使います。 「校訂版」という言葉もあり、これは「有名な演奏家などが、より良いものにするため書き換えた楽譜」を意味します。
例文
「校定」は<こうてい>と読みます。 「校」は音読みで「コウ」、訓読みで「キョウ」と読みます。 「校」は「二つを見比べて直すこと」を意味します。 「定」は音読みで「テイ・ジョウ」、訓読みで「さだめる・さだまる・さだか」と読みます。 「定」は「物事を固定すること。一所にいて動かないこと」を意味します。 「校定」の意味は「古書などの本文を、他の伝本と比べ合わせて、本来あるべき形にすること」です。 本文をなるべく原文に近い形に特定することを表します。 主に、「校定する」「校定した」などと言います。
例文
元NHKアナウンサーの著者が教科書通りの敬語ではなく、様々なシーンで使うことができる生きた敬語表現を紹介しています。文法的に正しい敬語でも、言い回しや場面によっては相手に不快感を与えてしまう場合があります。こちらの本では ”気の利いた敬語” の使い方を、言葉のプロがコンパクトに解説しています。
同じ内容でも伝え方次第で結果が全く変わってしまう。そんな経験をしたことがある方もいるのではないでしょうか?実は言葉の選び方や順序には公式があり、それに気付きさえすれば、ビジネスシーンだけではなく人生全般でのコミュニケーションを円滑にすることができます。こちらの本では、相手の返事を「ノー」から「イエス」に変える具体的な方法が体系化されています。
偏差値35だった筆者が、二年間の浪人と東大合格の末にたどり着いた読書術を余すところなく大公開しています。文章を読み込む力や論理的に整理する力などが劇的に向上する実践的な読み方が分かりやすく解説されています。仕事・勉強の生産性を上げたい人にも読書嫌いにも効果テキメンの一冊です。