「急逝」という言葉をご存知でしょうか。ニュースや新聞などで、「急逝」という言葉が使われているのを聞いたことがある方も多いはずです。聞く機会は多い表現ですが、いざ意味について聞かれて答えられる人は少ないと思います。このように、「急逝」は案外、知っているようで知らない言葉の一つになります。また、”死”を表す言葉には他にも「逝去」「他界」「急死」などがありますが、これらはどのように使うのでしょうか。そこで今回は「急逝」の意味と使い方、類語「逝去」との違いについて解説していきます。「急逝」を正しく知り、上手く使いこなせるようにしましょう。
「急逝」は<きゅうせい>と読みます。 「きゅうい」「きゅうゆ」とは読まないので注意しましょう。 「急」は音読みだと「キュウ」、訓読みだと「いそぐ」「せく」と読みます。 「急」は「にわかに・突然」を意味します。 「逝」は音読みだと「セイ」、訓読みだと「ゆく」「いく」と読みます。 「逝」は「立ち去って帰らない。死ぬことを婉曲にいう語」を意味します。 「急逝」の意味は「急に死去すること。急死」です。 「急逝」は「急に逝く」と書くように、急に亡くなってしまうことです。 元気だった人が突然亡くなったり、病人や怪我人の容体が急変して亡くなるなど、亡くなることを予想できなかった人が急に亡くなることを表します。
「急逝」単体では敬語ではありません。よって、身内(家族)の死に対して使うことができます。 急に身内が亡くなったことを伝えるときに、「◯◯が急に死んだ」という言い方だと、ぞんざいでいい加減な印象を与えてしまうので、代わりに「◯◯が急逝する」という表現を使います。 「急逝された」「急逝なさる」という表現をすれば、もちろん敬語になりますので、目上の人にも使用できます。 「される」「なさる」は「する」は「する」の尊敬語になります。
「急に死んだ」だと少し乱暴で子供っぽい言い方になってしまうので、代わりに「急逝する」という言葉を使えます。 「急逝」は今まで元気だった人が事故や急な病気で亡くなるなどと、突然亡くなったときに使われます。 また、まだ亡くなる年齢でもないのに若くして亡くなられた場合に使われることもあります。 このように、亡くなる前に、病気などの事情により死を予感できていた場合には使わず、「急逝」は何の予兆もなく、突然亡くなってしまった場合に使う言葉です。 「急逝」の場合の死は、事故といった予想外の不運に見舞われ、命を落とすというケースが多いです。知らせを受けた家族をはじめ、故人と関わりのある人にとっては、あまりに突然のことで、その死を受け入れられないといったことも起こります。 会話であったら「亡くなった」などと言う方が通じやすいので、「急逝」は主に文語として使います。 会話で「急逝」と言うと、なかなかピンとこない人も多いです。
例文
「逝去」は<せいきょ>と読みます。 「逝去」は”他人の死の尊敬語”です。 「逝去」は”目の前から遠ざかっていき、離れていってしまう”といったようなイメージになります。 「逝去」は、目上の人や敬意を払うべき人が亡くなったことを伝える時に使えます。 亡くなった方に対して敬意を払う言葉で、身内(家族)以外の死に対し使う敬った言い方なので敬意を払う必要がない身内に対しては使いません。 また、「逝去」は言葉自体が尊敬語となっているので、接頭語の「ご」をつけると二重敬語となります。 ただ、弔事では「ご逝去」とすることが慣例として定着しているため、使っても大丈夫です。
例文
「急死」の意味は「突然死ぬこと。頓死」です。 「急死」は「急逝」と同義語ですが、「急逝」の方が改まった言い方になります。 「急死」も「急逝」も”急に亡くなる”という意味ですが、使い方に若干違いがあります。 「急逝」は突然の病気や事故などで、誰も予想できない亡くなり方をした場合に使うと上記で説明しましたが、実際そのようなケースでは「急死」の方が多く使われます。 「急逝」はどちらかと言うと、まだ亡くなるような年齢でもなく、これからも活躍が期待されるというような場合に使うことが多いです。
例文
「死去」の意味は「人が死ぬこと。死亡」です。 人が亡くなったことを伝える際に、一般的に使われる言葉が「死去」で、新聞の訃報記事なんかでも「◯月△日にA氏が死去しました」などと用いられます。 「死去」は「逝去」と違い、相手を敬うという意味合いは含まれないので、身内や家族が亡くなったことを伝えるときにも使えます。 また、個人の略歴を記す場合なども、基本的に死去が使われています。 「死去」は身内に対しても、他人に対しても使うことができるので、無難な表現だと言えます。
例文
「他界」の意味は「他の世界。死ぬこと」です。 基本的に「他界」は、「他界する」といったように動詞として使います。 「他界」には、死後の世界そのものを指す場合と死後の世界に行くことを指す場合があります。 人が亡くなった後に魂の行く場所のことで、宗教や宗派によって様々な”他界”が存在します。 キリスト教でいうと天国、仏教の極楽浄土などが有名で、そこに行くことを「他界する」と表します。 「他界」は、身内にも他人にも使うことができます。 ただ、日本で「他界」と言うと仏教のイメージが強くなるため、相手の宗教によってはなるべく避けたほうが無難になります。
例文
「亡くなる」は”人が死ぬことを婉曲にいう語”です。 「亡くなる」は「死ぬ」の婉曲表現であって、元々は身内に対してのみ使う言葉であったとされています。 しかし、「亡くなる」には”尊敬”の意味合いも含まれているので、今では身内だけでなく、他の人に対しても使われます。ただ、中には「亡くなる」は敬語ではないという意見もあるので注意しましょう。 「亡くなる」は一般的に、敬語として使われます。 ただ、「亡くなられる」とすると、「亡くなる」+尊敬の助動詞「れる」で、二重敬語となります。間違った表現です。 また、「お亡くなりになられました」と使うこともありますが、「お亡くなりになる」+二重敬語「亡くなられる」で間違った表現になります。 「亡くなる」を丁寧に表現したい場合は、「お亡くなりになる」とするのが良いでしょう。
例文
「永眠」の意味は「永久に眠ること。死ぬこと」です。 「永眠」は「永く眠りにつく」と書くように、「永遠の眠りにつくこと」を表します。 「永眠」は基本的に、身内に対しても他人に対しても使うことができます。 「永眠」は婉曲表現で、”情緒的”なニュアンスが含まれます。 「永眠」という言葉は、キリスト教に由来しています。 元々はギリシャ正教会で人の死を指す正式な用語で、死ぬことを「永眠」と言います。 「永眠」は「永久に眠ったままでいる・永遠の眠りにつく」という意味だけではなく、「復活」の意味も込められています。
例文
急逝した方の遺族の方の悲しみは非常に深いです。 このような際は、遺族の方の心中を察して、突然のことへの驚きや、遺族の方の気持ちに同調した悲しみや辛さを表現しましょう。 遺族の方への慰めや、気遣いといったことも忘れずに、お悔やみの言葉を言います。急逝であっても、死因については触れるのはNGです。 連絡するときに使える”お悔やみの言葉”としては、
などとなります。 一般的に使われることが多いのが、「お悔やみ申し上げます」という表現です。 「お悔やみ申し上げます」は「相手の気持ちに寄り添い、慰めの気持ちを表す」という意味が含まれ、「故人の死を残念に思い、悲しんでいる」というニュアンスになります。
「急逝」は直訳的には英語で「sudden death」「die suddenly 」となります。 この表現でも間違いありませんが、ニュースや新聞などではあまり見聞きしない表現です。 代わりに、
などの表現を、英語圏の新聞やSNSニュースなどではよく見かけます。 さっそく例文です。
I felt sorry for the sudden death of my friend's father.
友人の父の急死を気の毒に思った。
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「急逝」について理解できたでしょうか? ✔︎「急逝」は<きゅうせい>と読む ✔︎「急逝」は「急に死去すること・急死」を意味 ✔︎「急逝」は敬語ではないので、身内に対して使うことができる ✔︎「急逝」の類語には、「急死」「亡くなる」「永眠」などがある