「もとい」という言葉をご存知でしょうか。聞いたことがあるけれど意味は知らない、初めて聞いたという方も多いのではないでしょうか。「もとい」は言い間違いを訂正するときに使う言葉です。あまり耳慣れない「もとい」という言葉ですが、意外と使い勝手が良い便利な表現と言えます。そこで今回は「もとい」の意味や使い方、語源、漢字表記、類語について解説していきます。いざというときに使うことができるように、「もとい」の意味や使い方を正しくマスターしましょう!
「もとい」は”言い間違えて訂正するときに発する言葉”です。 「前言を改める、誤りを正しく直す」というニュアンスで、今の発言は言い間違いなので、訂正してなかったことにするということを表します。 「〜ではなく」「〜ではなかった」という意味合いになります。 このように、「もとい」は前言・前文を打ち消すような役割を持ちます。 口語で言うと「じゃなくて」「じゃない」などと同じ意味合いで、「間違った!すいません。言い直す」ということをスマートに伝えられます。 言い間違いや、言いたいことを上手く表現できないというのはよくあることです。しかし、一回言ってしまった事は相手に伝わり、それがもととなって相手に誤解を生んだり、相手との関係に亀裂を招く原因となってしまうことがあります。 そういったことを避けるためにも、「もとい」を「前の発言は忘れて」という意味で用います。
「もとい」と響きが似ていますが、「もとえ」は間違いです。 そもそも「もとい」は「元へ(もとへ)」という言い方が訛った言い方です。そのため、間違えて「もとえ」という言い方が使われることが多くなっています。 確かに、「い」と「え」の区別はなかなか難しいですが、誤用なので間違えないように注意しましょう。
「もとい」の由来としては、軍隊の号令であるとされる説と元結であるとされる説があります。 軍隊の号令説としては、軍の指揮官や上官などが、号令をかけている最中にうまくいかなかった場合に「もとへ戻れ(元の姿勢に戻れ)」ということを「もとへ」と号令をかけるので、それが会話の中では「自分が言ったことを無しにして、戻る」という意味で使われるようになったと言われています。 元結(もとゆい)説としては、昔の床屋さんが髷(まげ)の元結を締め直すところからきています。 元結とは「髻(もとどり)を結ぶ細い緒。昔は組紐または麻糸を、近世は髷(まげ)に趣向を凝らして水引元結と称するこより製のもの。日本髪を結うときに髪の根元を束ねるために使う紐」を意味します。 元結は別名「もっとい」と言うので、これがもといの語源とされています。 髷(まげ)を始めから結い直すことから、「もっとい」が始めから言い直すという意味になりました。
「もとい」という表現にあまり馴染みがない方は、「もとい」はどこからの方言なのではないかもしれませんが、「もとい」は方言ではありません。 上記で説明した通り、語源がちゃんとあります。
「もとい」を漢字で書くと「元い」となります。 「元へ」が変化したもの、軍隊用語として使われていた「元へ(もとへ)」が訛った言い方です。 また、他にも「もとい」と読む言葉には「基」「元結」などがあります。 「基」は「物事の根本をなすところ。基礎。根幹」「建物の土台。いしずえ」を意味します。 「国の基を築く」「事業発展の基を築いた」などと使います。 「元結」は「もとゆい」と読む他に、約して「もとい」とも読みます。 上記でも紹介したように、「日本髪を結うときに髪の根元を束ねるために使う紐」を意味します。 漢字が違うと、意味も違ってしまうので間違えないように気をつけましょう。
「もとい」は言い間違いを訂正して、元に戻すときに使う言葉です。 言い間違いをしたときに、わざわざ「今のは言い間違いですので訂正します」と言うのは面倒ですし、話の流れも止まってしまいますよね。「もとい」を使うと会話の流れがスムーズになるので非常に便利です。 訂正の言葉としては非常に短いので、急いでいる場合などにもよく使われます。 「違う、そうじゃなくて」といった意味ですぐに訂正したいときに「◯◯です、もとい△△です」といったように使います。人によっては「もといもとい」と二度繰り返すこともあります。 訂正するときに使う言葉は人によって異なります。「違う!」「ちゃうちゃう!」「そうじゃなくて!」などと反射的に言ってしまうように、それぞれ癖が見られます。「もとい」も口癖のように使っている人はたくさんいます。 また、前言を訂正するだけでなく「あの人はケチ....、もとい倹約家である」といったようにあえて悪い言い方をした後に良い言い方で打ち消す形があります。これは皮肉ととれる使い方で、一旦発言したことを打ち消すことで、相手には逆に良くない発言の方が深く印象に残すという効果を発揮します。 自分や相手の立場に関係なく、幅広く日常会話で使われます。 自分のうっかりで、不注意でつい誤った発言をしてしまったときに使うので、基本的に話し言葉であって、書き直しが可能な文章では使いません。
例文
「ならぬ」は動詞「なる」の未然形+打ち消しの助動詞「ぬ」で成り立っています。 「なる」は「別の物・状態に変わる」ことを表します。これを否定する形になるので、「別の物・状態に変わらない」という意味になります。 主に、「◯◯ではない△△」といったように、様々な語に付いて補助動詞的に用いられます。 例えば、「並々ならぬ意欲」といった場合は「並々ではない意欲」、「一方ならぬご指導」といった場合は「並ひととおりではないご指導」といった意味になります。
「ではなく」は「後述の断定と対照させて、ある事柄を提示し、それを否定すること」を表します。 「そうではなく」の略として用いられています。 「ではなく」は最初に述べたことを否定して、適切なことを述べるときに使います。 例えば、「徒歩ではなく車で行く」「それはプリンではなくババロアです」などといったように使います。
「というより」は「そのように言うよりは」「より適切に言うと」を意味します。 「より」は「他との比較・対照としてとりあげる」ということを表しています。 「というより」は一般的に、最初に言ったことよりも適切な表現をする際に用います。 例えば、「彼はかっこいいというより、可愛い」「それは助けというより邪魔になる」などといったように使います。
「もとい」は英語で「I mean,」となります。 「I mean,」は日本語の「もとい」と同じで、間違って発言したことを訂正するときに使います。
I want to go to a restaurant, I mean, a supermarket.
レストランもといスーパーにいきたい。
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「もとい」について理解できたでしょうか? ✔︎「もとい」は「〜ではなく」という意味で、言い間違えを訂正するときに発する言葉 ✔︎「もとい」は漢字では「元い」と書く ✔︎ 間違った発言を訂正したいときに、「◯◯です、もとい△△です」といったように使う ✔︎「もとい」の類語には、「ならぬ」「ではなく」などがある